GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 10025-73-7
名称 塩化第二クロム
物質ID 25B0046
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2004))。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2004))。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2004))。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度: Slightly sol in hot water(HSDB(Access on September 2013))という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - 酸素を含まず、塩素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質を特定した試験は行われていないが、三価のクロムをばく露した疫学、試験結果の多くでは、「陰性」という結果(EHC 61(1988)、ATSDR(2012)、PATTY(6th, 2012))がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
日本産業衛生学会はクロムを気道感作性物質「第2群」に分類している(産衛学会勧告(2013))。この既存分類は本物質を明示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。したがって、クロム化合物である本物質も呼吸器感作性を有すると考えられ、区分1とした。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
日本産業衛生学会はクロムを皮膚感作性物質「第1群」に分類している(産衛学会勧告(2013))。この既存分類は本物質を明示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。したがって、クロム化合物である本物質も皮膚感作性を有すると考えられ、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性(ATSDR(2012)、CICAD 76(2009))、ラット腎臓のDNA損傷試験(アルカリ溶出法)で陰性である(CICAD 76(2009))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験では多くが陰性、哺乳類培養細胞及びヒトリンパ球を用いた染色体異常試験で陰性、陽性の結果が混在する(CICAD 76(2009)、IARC(1999)、 ATSDR(2012))。また、培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性(CICAD 76(2009)、ATSDR(2012))、ヒト培養細胞の小核試験で陽性である(CICAD 76(2009))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ACGIH(1994)でA4(金属及びCr(III)化合物として)、EPA(1998)でD(クロム(III)、不溶性塩として)、IARC(1990)でGroup 3(クロム(III)として)に分類されていることから、「分類できない」とした。分類ガイダンスに従い、区分を変更した。

7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、CICAD 76(2009)、ATSDR(2012)で雄ラットに経口(飲水)投与し、雄の生殖能、交尾行動に対する影響を調べた試験では、雄の体重、精巣の絶対重量、精嚢の絶対及び相対重量、包皮腺の絶対及び相対重量の減少がみられ、交尾行動では射精後潜時の増加、射精雄の減少、攻撃性の減少がみられた。しかし、妊娠数、着床数、生存胎児数に影響はみられないことが報告されている。発生毒性に関する情報はない。したがって、データ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)において24時間EC50 = 22 mg-Cr/L(67 mg-CrCl3/L相当)(CICADs 76, 2009)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、本物質は金属化合物で水中での挙動が不明であるが、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.7 mg-Cr/L(2.1 mg-CrCl3/L相当)(CICADs 76, 2009; 環境省リスク評価, 2010)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、本物質は金属化合物で水中での挙動が不明であるが、魚類(マミチョグ)の96時間LC50 = 31.5 mg/L(96 mg-CrCl3/L相当)(CICADs 76, 2009)であることから、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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