項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 2439-35-2 |
名称 | アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル |
物質ID | 23B5520 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 物理化学的危険性・健康に対する有害性:政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)、環境に対する有害性:国連GHS文書(改訂4版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 |
P370+P378
P403+P235 P210 P280 P501 |
引火点61.7-68℃ [密閉式](SIDS(2003))は > 60℃ かつ<=93℃ であることから、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG |
- |
- | - | 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合、アクリル酸)を含むが、一般流通品はUNRTDG(16th, 2009)UN3302クラス6.1で、ハイドロキノン誘導体などで安定化されている(IMDG(2010))(例:ヒドロキノンモノメチルエーテル(CERIハザードデータ集(2001)))ためタイプGである。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は209℃であり(SIDS(2003))、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値は 455 mg/kg(OECD TG401、GLP)(SIDS(2003))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
ラットの2件のLD50値 419 mg/kgおよび891 mg/kg(いずれもOECD TG402、GLP)(SIDS(2003))、ウサギのLD50値 50~200 mg/kg(SIDS(2003))の結果から、テストガイドラインおよびGLPに準拠したラットのデータに基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50値として0.927 mg/L/1h(158 ppm/1h = 83 ppm/4h)[OECD TG403、GLP]および0.22 mg/L/4h(37.6 ppm/4h)(SIDS(2003))の2件はいずれも区分1に該当する。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(671 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50値は 0.066 mg/L/4h [OECD TG403、GLP](SIDS(2003))に基づき区分2とした。なお、本試験はエアゾールで行なわれたと記載されている(SIDS(2003))ためミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギ6匹に試験物質原液0.5 mLを4時間適用した試験(OECD TG 404)において、全動物に腐食性がみられ、皮膚一次刺激指数(PDII)は8であった(SIDS(2003))ことに基づき区分1とした。なお、他にもウサギを用いた2件のドレイズ試験の結果が報告され、PIIは8および7.6で、いずれも腐食性(corrosive)の結果が得られている(SIDS(2003))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギ2匹の眼に試験物質原液0.1 mLを滴下4秒後に洗浄した試験で、両動物とも1時間以内に角膜、虹彩、結膜に著しい病変が見られ、腐食性(corrosive)との評価結果(SIDS(2003))に基づき区分1とした。なお、別のウサギを用いたドレイズ試験においても腐食性(corrosive)との結果(SIDS(2003))が報告 されている。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
モルモットのマキシマイゼーション試験(OECD TG406、GLP)において、本物質0.5%皮内投与による誘導処置の結果、陽性率は100%(20/20)で感作性あり(sensitizing)との結果(SIDS(2003))に基づき区分1Aとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(OECD TG474、GLP)で陰性(SIDS(2003))の結果に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験、CHL/IU細胞およびヒトリンパ球を用いた染色体異常試験では陽性(厚生省報告(1997)、SIDS (2003))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
妊娠ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験(OECD TG414、GLP)において、母動物が死亡を含む一般毒性を示した用量(100 mg/kg/日)で、着床後胚損失率の増加、矮小仔、無指症、口蓋裂、水頭症、精巣変位などの奇形や異常の増加がみられた(SIDS(2003))ことに基づき区分2とした。なお、ラットに経口投与(4~100 mg/kg/日)による反復投与毒性/生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG422、GLP)では、100mg/kg群の親動物の雄で一過性の体重増加抑制と摂餌量減少、雌で2例の死亡が認められたが、性機能および生殖能に対する影響はなく、また、仔の出生や生存にも変化は認められなかった(厚労省報告(Access on Sept. 2011))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系、全身毒性) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ラットの4時間吸入(エアゾール)による急性毒性試験(LC50 = 0.066 mg/L)(OECD TG403、GLP)で、あえぎ呼吸、ラッセル音、嗜眠の症状がみられ、死亡動物の剖検では肺のうっ血、腫脹、肺水腫が認められた(SIDS(2003))。また、ラットの1時間吸入(蒸気)による急性毒性試験(4時間換算LC50 = 0.486 mg/L mg/L)(OECD TG403、GLP)でも、努力性呼吸、ラッセル音がみられ、剖検により死亡動物で鼻腔、喉頭および気管に壊死、化膿性滲出液、生存動物で喉頭に角質化を伴った上皮過形成が認められた(SIDS(2003))。以上より、区分1のガイダンス値範囲内の用量であることから区分1(呼吸器系)とした。一方、ラットの急性経口毒性試験(80~2000 mg/kg; LD50 = 455 mg/kg)(OECD TG401、GLP)で自発運動低下、鎮静、立毛、呼吸困難、死亡前に強直間代性痙攣、急性経皮毒性試験(200~2000 mg/kg; LD50 = 419 mg/kg)(OECD TG402、GLP)では全用量の全動物で自発運動の低下がそれぞれ観察され(SIDS(2003))、これらの影響は両経路ともガイダンス値区分1の範囲に相当しているが、標的臓器を特定できないので区分1(全身毒性)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(全身毒性) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ラットの13週間反復経口投与試験(OECD TG408、GLP)において、最高用量の50 mg/kg/dayで高い死亡率に加え、死亡前に呼吸困難と一般状態悪化、生存動物では流涎と喘鳴がみられた(SIDS(2003))。病理組織学的検査では生存例および死亡例とも試験物質投与の影響が肺と前胃に見られたが、肺の病変は胃内容物の逆流がもたらした変化と記述されている(SIDS(2003))。また、ラットに経口投与による反復投与毒性/生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422、GLP)において、最高用量の100mg/kg群(90日換算:約47 mg/kg/day)の雌2例が死亡し、肺のうっ血、出血、水腫がみられ、死因の可能性として肺の変化が挙げられ、また、主な病理学的変化は、肥厚、潰瘍、過形成など前胃粘膜の病変であった(厚労省報告(Access on Sept. 2011))と報告されている。以上より、ガイダンス値区分2に相当する用量で死亡が発生し、前胃の病変および死亡例で散発性の肺障害が見られ、死因の可能性があると述べられているが、本物質は腐食性物質であり、前胃の病変は局所的な刺激と思われ、一方、肺の障害に関しては死亡例で発生していることから標的臓器の特定には不十分であるため区分2(全身毒性)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 実験動物において経口投与で逆流による刺激性が原因と考えられる肺胞の出血、肺の水腫及びうっ血と死亡(SIDS(2003))が報告されており、動粘性率が1.31mm2/s(25℃)(粘度1.23mPa・s、密度0.94g/cm3(SIDS(2003)))であるため国連分類基準の区分2の相当するが、JIS分類基準では区分2を使用しないため「分類できない」とした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
藻類(Scenedesmus subspicatus)の72時間ErC50 = 0.88 mg/L(SIDS, 2004)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(水中で加水分解し、アクリル酸(良分解性)及びN,N-ジメチルエタノールアミン(良分解性)を生成(既存点検, 1993))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 0.025 mg/L(環境省生態影響試験, 1996)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 8.49(環境省リスク評価第3巻, 2004)であるが、急速分解性があり(水中で加水分解し、アクリル酸(良分解性)及びN,N-ジメチルエタノールアミン(良分解性)を生成(既存点検, 1993))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 0.42(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。 以上の結果から、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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