政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 10035-10-6
名称 臭化水素
物質ID R01-B-060
分類実施年度 令和元年度(2019年度)
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物
-
-
- - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 可燃性ガス
-
-
- - 不燃性 (ホンメル (1991)) という情報より、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
3 エアゾール
-
-
- - エアゾール製品でないため、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
4 酸化性ガス
-
-
- - UNRTDGにおいて、UN 1048、クラス2.3、副次8に分類されており、副次危険性5.1が付けられていないため、ガイダンスにおける区分に該当しないに相当し、区分に該当しない。
5 高圧ガス 低圧液化ガス


警告
- - 臨界温度が90℃ (ホンメル (1991)) との情報より、低圧液化ガスとした。
6 引火性液体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
7 可燃性固体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
8 自己反応性化学品
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
9 自然発火性液体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
10 自然発火性固体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
11 自己発熱性化学品
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
12 水反応可燃性化学品
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
13 酸化性液体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
14 酸化性固体
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
15 有機過酸化物
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスにおける分類対象外に相当し、区分に該当しない。
16 金属腐食性化学品
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していないため、分類できない。
17 鈍性化爆発物
-
-
- - GHSの定義におけるガスであり、区分に該当しない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(経皮)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1) より、区分3とした。

【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (1時間): 2,860 ppm (4時間換算値: 1,430 ppm) (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on July 2019)、ACGIH (7th, 2004)、DFGOT vol.13 (1999))

1 急性毒性(吸入:蒸気)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト)
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスであり、ガイダンスでは分類対象外に相当し、区分に該当しない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質の水溶液への接触は眼、皮膚、粘膜の火傷を引き起こす可能性がある (ACGIH (7th, 2004))。
(2) 本物質及びその水溶液は眼、皮膚、粘膜に対して腐食性を有する (DFGOT vol.13 (1999))。
(3) 本物質の蒸気は皮膚に対して強い刺激性と腐食性を有する (DFGOT vol.13 (1999))。

【参考データ等】
(4) 本物質の接触による皮膚炎は強い酸性に由来する (PATTY (6th, 2012))。
(5) 本物質はラットの皮膚に対して腐食性を有する (REACH登録情報、Access on September 2019)。
(6) EU-CLP分類でSkin Corr. 1A (H314) に分類されている (EU CLP分類(Access on July 2019))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1とした。

【根拠データ】
(1) 本物質の水溶液への接触は眼、皮膚、粘膜の火傷を引き起こす可能性がある (ACGIH (7th, 2004))。
(2) 本物質及びその水溶液は眼、皮膚、粘膜に対して腐食性を有する (DFGOT vol.13 (1999))。
(3) 本物質の蒸気は眼、鼻、呼吸器の粘膜に強い刺激性を有する (DFGOT vol.13 (1999))。
(4) 皮膚腐食性物質 (区分1) に区分されている。

4 呼吸器感作性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。

4 皮膚感作性
-
-
- - 【分類根拠】
(1) の記載はあるが、詳細が確認できないため分類できない。

【参考データ等】
(1) 本物質によるアレルギー性皮膚炎が報告されている (PATTY (6th, 2012))。
5 生殖細胞変異原性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
6 発がん性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性
-
-
- - 【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)、(2) より、区分1 (呼吸器) とした。

【根拠データ】
(1) ヒトでは、本物質の吸入ばく露により、上気道の重度の刺激、喉の痙攣と肺水腫を生じるという報告に加えて、声門浮腫、気管支痙攣、気管支肺炎及び急性肺水腫を生じる可能性があるとの報告がある (DFGOT vol.13 (1999))。
(2) ラットを用いた単回経鼻吸入ばく露試験において、1,300 ppm、30分 (4時間換算値: 460 ppm、区分1相当) のばく露で、鼻粘膜から粘膜下組織及び鼻甲介にまで達する壊死の所見を示す重度の壊死出血性鼻炎と、血管血栓症及び出血がみられ、鼻汁中にはフィブリンの存在が確認された (ACGIH (7th, 2004))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、歯)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
【分類根拠】
(1)~(3) より、区分1 (呼吸器、歯) とした。

【根拠データ】
(1) 本物質の水溶液である臭化水素酸 (CAS番号 10035-10-6) にばく露された作業者で、嗅覚障害、非特異的な気管支化過敏症を伴う失声症を含む慢性上気道及び下気道障害、咳、息切れ、進行性閉塞性細気管支炎が報告されている (PATTY (6th, 2012))。
(2) 本物質への長期ばく露後 (詳細なし)、呼吸路の刺激、消化器系の障害、反射のわずかな変化 (詳細なし)、嗅覚への影響及び赤血球数の減少が報告されている (DFGOT vol.13 (1999))。
(3) 本物質の蒸気への長期ばく露後 (詳細なし)、歯の脱灰及び歯肉の変化が報告されている (DFGOT vol.13 (1999))。
10 誤えん有害性
-
-
- - 【分類根拠】
GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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- - -
11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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