GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 693-13-0
名称 1,3-ジイソプロピルカルボジイミド
物質ID H30-C-039-MHLW
分類実施年度 平成30年度
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成22年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 -
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2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) -
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3 エアゾール -
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4 支燃性/酸化性ガス -
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5 高圧ガス -
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6 引火性液体 -
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7 可燃性固体 -
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8 自己反応性化学品 -
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9 自然発火性液体 -
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10 自然発火性固体 -
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11 自己発熱性化学品 -
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12 水反応可燃性化学品 -
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13 酸化性液体 -
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14 酸化性固体 -
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- - -
15 有機過酸化物 -
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- - -
16 金属腐食性物質 -
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- - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) -
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1 急性毒性(経皮) -
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1 急性毒性(吸入:ガス) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:蒸気) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) -
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- - -
2 皮膚腐食性/刺激性 -
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- - -
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)より、蒸気による影響と考えられる遅延性の角膜損傷が見られ、液体で試験を行うと不可逆な影響が予想されることから区分1とした。

【根拠データ】
(1)容器の破損により1L容器から机上や床に漏洩した本物質液体を、呼吸用保護具、実験用上着、不浸透性手袋を着用して45分から1時間かけて拭き取った作業員1名が、約12~18時間後に目のぼやけが見られ、その4時間後には眼に軽度の痛みが起こり始め、ばく露後34時間で痛みは最大となり、角膜損傷は上層に限定されていたが、一時的な失明と20/200の初期視力(視力0.1)を発生させ、視力は2週間かけて徐々に回復したとの報告があり、報告者は当該影響を本物質の蒸気によるものとしている(NTP TR523(2007)、C&EN, Nov., No.5, 2(1990))。

【参考データ等】
(2)作業者が本物質の製造実験を行ったのち、保護メガネ等適切な保護具を着けずに床のU字溝を清掃したところ、角膜潰瘍と角膜アルカリ化学熱傷が生じたが、これは汚泥の周辺に本物質と思われる蒸気が漂いばく露したためと報告されている(厚生労働省職場のあんぜんサイト(Accessed 2019))。
(3)(1)を踏まえて、本物質の蒸気へのばく露による影響は、軽度から中等度のマスタードガスによる影響と類似しているとの報告がある(NTP TR523(2007)、C&EN, Jan. 14, 2(1991))。また、マスタードガスの分子メカニズムを踏まえると、全てのアルキルジイミド構造を有する物質は、脱アルキル剤として機能することで発疱や発がんを引き起こすと考えるのが妥当と指摘されており、当該物質の使用者はグローブボックス、ヒュームフード、フルフェイスマスクの着用が必要とされている(C&EN, Jan. 14, 2(1991))。
(4)本物質に類似した構造を持っているジシクロヘキシルカルボジイミド(CAS:538-75-0)も同様に、角膜上皮への影響やその後の回復を伴った特筆すべき遅延性の角膜症を有することが指摘されている(Grant & Schuman(1993))。
4 呼吸器感作性 -
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4 皮膚感作性 -
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5 生殖細胞変異原性 -
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6 発がん性 -
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7 生殖毒性 -
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8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、視覚器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、本物質蒸気を経皮吸収若しくは吸入することにより視覚器への遅延性の影響が見られているが、本物質は神経系への影響が知られており、これにより一時的な失明等が生じたと考えられる。また、角膜損傷が上層に限定されていたことから、角膜への直接的な影響があったと考え、区分1(中枢神経系、視覚器)とした。

【根拠データ】
(1)容器の破損により1L容器から机上や床に漏洩した本物質液体を、呼吸用保護具、実験用上着、不浸透性手袋を着用して45分から1時間かけて拭き取った作業員1名が、約12~18時間後に目のぼやけが見られ、その4時間後には眼に軽度の痛みが起こり始め、ばく露後34時間で痛みは最大となり、角膜損傷は外層に限定されていたが、一時的な失明と20/200(視力0.1)の初期視力を発生させ、視力は2週間かけて徐々に回復したとの報告があり、報告者は当該影響を本物質の蒸気によるものとしている(NTP TR523(2007)、C&EN, Nov. 5, 2(1990))。

【参考データ等】
(2)(1)を踏まえて、本物質の蒸気へのばく露による影響は、軽度から中等度のマスタードガスによる影響と類似しているとの報告がある(NTP TR523(2007)、C&EN, Jan. 14, 2(1991))。また、マスタードガスの分子メカニズムを踏まえると、全てのアルキルジイミド構造を有する物質は、脱アルキル剤として機能することで発疱や発がんを引き起こすと考えるのが妥当と指摘されており、当該物質の使用者はグローブボックス、ヒュームフード、フルフェイスマスクの着用が必要とされている(C&EN, Jan. 14, 2(1991))。
(3)本物質に類似した構造を持っているジシクロヘキシルカルボジイミド(CAS:538-75-0)も同様に、角膜上皮への影響やその後の回復を伴った特筆すべき遅延性の角膜症を有することが指摘されている(Grant & Schuman(1993))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) -
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10 吸引性呼吸器有害性 -
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環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) -
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11 水生環境有害性(長期間) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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