GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 85-42-7
名称 ヘキサヒドロ無水フタル酸
物質ID H28-B-014, C-021B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成20年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-

-
- -   可燃性 (ICSC (2006)) との情報があるが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-

-
- -   発火点は450℃ (GESTIS (Access on May 2016)) であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類対象外
-

-
- -   融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
  
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   融点が55℃以下の物質ではあるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値として、2,700〜2,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2015)、HSDB (Access on May 2016)) 及び4,040 mg/kg (HSDB (Access on May 2016)) の報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (HSDB (Access on May 2016) 又は 2,000 mg/kg で死亡無し (ACGIH (7th, 2015)) の報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、ラットのLC50値として、> 1,100 mg/m3/4h (ACGIH (2015)) の報告があるが、区分が特定できないため分類できない。
  分類ガイダンスに従い、区分を変更した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-

-
- -   ウサギを用いたドレイズ試験において刺激性が認められているとの記載があり (ACGIH (7th, 2015))、さらに元文献でスコア0.92のわずかな刺激性とされていることから、軽度の刺激性と判断し、区分外 (国連分類における区分3) とした。
  
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1

危険
H318 P280
P305+P351+P338
P310
  工場での気中に存在する本物質へのばく露にて、作業員が結膜炎を発症したと報告 (ACGIH (7th, 2015)) や、ウサギを用いたドレイズ試験においては、重篤な刺激性が認められ可逆的であったが腐食性に分類したとの記載 (ACGIH (7th, 2015)) から、区分1とした。
  なお、本物質はEU CLP 分類で「H318 Eye Dam. 1」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on May 2016))。
4 呼吸器感作性 区分1

危険
H334 P261
P284
P304+P340
P342+P311
P501
  本物質を扱う労働者において、IgE、IgG介在性過敏症 (鼻炎、喘息等) を発症した報告が複数あり、皮膚プリック試験においては8/13人で陽性反応を示した (ACGIH (7th, 2015)) ことから、区分1とした。
  なお、本物質はEU CLP 分類で「H334 Resp. Sens. 1」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on May 2016))。
4 皮膚感作性 区分1

警告
H317 P261
P272
P280
P302+P352
P333+P313
P321
P362+P364
P501
  ヒトの事例で、本物質に経皮ばく露によって接触性蕁麻疹を発症した例がある (ACGIH (7th, 2015)) ことから、区分1とした。
   なお、本物質はEU CLP 分類で「H334 Resp. Sens. 1」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on May 2016))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (ACGIH (7th, 2015)、HSDB (Access on May 2016))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性、麻酔作用)

警告
H335
H336
P261
P271
P304+P340
P312
P403+P233
P405
P501
  ヒトでは本物質が一過性の皮膚、目、気道への刺激効果に加えて、貧血、頭痛、発熱及びめまいなどを起こすことが報告されている (HSDB (Access on May 2016))。
  またヒトでは環状酸無水物の高濃度の粉塵や蒸気へのばく露直後に、刺激症状 (そう痒、流涙、くしゃみ、鼻漏、咳、呼吸困難) が現れることが報告されている (CICAD 75 (2009))。
  したがって区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
  なお、List外の情報源のものであるため分類には用いなかったが、ラットの経口及び吸入による単回ばく露試験で活動性低下が認められたとの報告がある (HPVIS (Access on July 2016))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-

-
- -   適切なデータが得られておらず、分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-

-
- -   適切なデータが得られておらず、分類できない。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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