GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 75-12-7
名称 ホルムアミド (再分類)
物質ID H26-B-097, R-043
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
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- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点120℃ (closed cup) (ICSC (2013)) に基づいて区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が> 500℃ (ICSC (2013)) であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。なお、銅などを侵す (HSDB (Access on September 2014)) との記述がある。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、3,200 mg/kg、5,325 mg/kg (SIDS (2013))、約6,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、3,000 mg/kg (SIDS (2013))、ウサギのLD0値として、6,000 mg/kg、> 17,000 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- - ラットのLC50値 (4時間) として、> 21 mg/L (SIDS (2013))、及びラットのLC50値 (6時間) として、3,900 ppm (4時間換算値:10.8 mg/L) (ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。なお、いずれのLC50値も飽和蒸気圧濃度 (2.36 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - モルモットを用いた刺激性試験の結果、軽度の刺激性があり回復性であったとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、ウサギに本物質の原液を20時間適用した皮膚刺激性試験において、軽度から中等度の紅斑がみられ、適用8日後に表皮剥離がみられたとの結果から、軽度の刺激性と判断されている (SIDS (2013))。以上の結果から区分外 (国連分類基準の区分3) とした。SIDS (2013) の情報を追加し、ガイダンスの改訂に伴い区分を変更した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた眼刺激性試験3報において、いずれも軽度の刺激性を示した (SIDS (2013)、ACGIH (7th, 2001)) との報告があることから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験で、感作性は認められなかったとの報告が3報ある (SIDS (2013)、ACGIH (7th, 2001)) が、試験方法等詳細について不明であるため、分類に用いるには不十分なデータと判断した。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - In vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、腹腔内投与によるマウス骨髄細胞の小核試験で陽性、90日間強制経口投与による末梢血赤血球の小核試験で陰性、皮下投与によるラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性である (SIDS (2013)、NTP DB (Access on October 2014))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である(SIDS (2013)、NTP DB (Access on October 2014)、ACGIH (7th, 2001))。マウス骨髄細胞小核試験の陽性知見は、高用量の腹腔内投与によるものであり (SIDS (2013))、in vitro染色体異常試験並びに経口投与による末梢血小核試験の陰性知見から、証拠の重みづけに基づき、妥当性のある小核誘発性の証拠とは判断されないものの、データの相反性のため小核誘発性はあいまいであり、「分類できない」とした。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 国際評価機関による発がん分類はない。NTP (2008) は、雌雄F344ラット及び雌雄B6C3F1マウスの2年間強制経口投与発がん性試験で、ラットに発がん性は認められなかったが、マウスでは雄で肝臓の血管肉腫の増加に基づいて発がん性の明らかな証拠、雌では肝臓の肝細胞腺腫と肝細胞がんを合わせた発生の増加に基づいて発がん性の不確実な証拠があると記述している (NTP TR541 (2008)、NTP DB (Access on October 2014)、SIDS (2013))。ヒトの知見はない。以上より、実験動物のデータは存在するが、本物質のヒトに対する発がん性に関してデータ不足のため分類できない。


7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスを用いた経口経路 (飲水) での連続交配試験において、親動物毒性 (体重増加抑制) がみられる用量 (750 ppm (144-226 mg/kg/day)) において生殖能に影響 (受精率の低下、同腹児数の減少) がみられたとの報告がある (NTP DB (Access on 2014) 、SIDS (2013))。
マウスを用いた経口経路(強制) での催奇形性試験において、母動物毒性がみられない用量 (198 mg/kg/day) において胎児に骨格奇形 (脳ヘルニア、前蝶形骨形成不全、下顎小顎、口蓋裂、癒合肋骨、椎体裂及び形成不全) がみられたとの報告がある (SIDS (2013))。
以上のように、親動物毒性がみられない用量において、胎児に奇形がみられたことから区分1Bとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - ヒトのデータはない。実験動物では、ラットのミスト吸入ばく露で、区分2のガイダンス値範囲を超える高濃度3,900 ppm (7.2 mg/L) で毒性症状が認められなかった。ラットの227-7,251 mg/kgの経口投与で、不規則呼吸、無関心、無緊張が報告されている (SIDS (2013)、ACGIH (7th, 2001))。その他のデータはない。以上より、明確な毒性影響を示す標的臓器はなく、分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - ヒトにおける有害性の知見はない。実験動物ではラットに4週間又は14週間、並びにマウスに14週間強制経口投与した試験で、区分2に該当する用量 (80-113 mg/kg/day (90日換算値: 25.1-62.3 mg/kg/day)) でラット、マウスともに血液系への影響 (ラット: 赤血球数及びヘマトクリット値の増加 (両投与期間)、ヘモグロビン濃度の増加 (14週間のみ)、血小板数の減少及び凝固時間の延長 (4週間のみ) ; マウス: 赤血球数及びヘマトクリット値の減少、MCV及びMCHC値の増加)、マウスに膵臓への影響 (膵管上皮の過形成、慢性炎症) がみられた (SIDS (2013)、NTP TR 541 (2008))。一方、吸入経路ではラットに本物質 (ミストと推定) を2週間吸入ばく露した試験において、500 ppm (0.93 mg/L (90日換算値: 0.10 mg/L/6時間)) 以上で血小板数減少がみられた (SIDS (2013)、ACGIH (7th, 2001))。このほか、ラットに90日間経皮投与した試験で、区分外の高用量 (300 mg/kg/day) で赤血球数及びヘモグロビン濃度の増加がみられている (SIDS (2013)、ACGIH (7th, 2001))。このように、血液系への影響は動物種及び投与経路間で一貫性がなく、ラット及びマウスの14週間強制経口試験報告書中には血液検査変動項目の一部又は全てにおいて、臨床的な意義は疑わしい、又は無いと考えられると記述されており (NTP TR 541 (2008))、血液系を標的臓器として採用するのは不適切と判断された。また、膵管を含む膵臓の組織変化はラットではいずれの試験でも全くみられておらず(SIDS (2013)、NTP TR 541 (2008)、ACGIH (7th, 2001))、膵臓は標的臓器の対象外とした。この他、ラット又はマウスの一部の投与経路で、精巣、腎臓への影響が示されたが、いずれも区分外の高用量での所見である (SIDS (2013)、NTP TR 541 (2008))。
以上、実験動物ではガイダンス値区分の範囲内で標的臓器を明確に特定できないが、ヒトでの有害性情報がなく、データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
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- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
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- - 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間 ErC50 > 1000 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間 EC50 > 500 mg/L (SIDS, 2013)、魚類(メダカ)の96時間 LC50 > 100 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)から区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
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- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(OECD TG301Aにもとづいて実施された分解性試験の28日後のDOCによる分解度:99%(SIDS, 2013)が、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC > 10 mg/L(環境庁生態影響試験, 1998)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類の急性毒性が区分外相当であり、難水溶性ではない(水溶解度=100,000 mg/L、PHYSPROP Database 2009)ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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