名称:4‐アミノ‐6‐ターシャリ‐ブチル‐3‐メチルチオ‐1, 2, 4‐トリアジン‐5(4H)‐オン (別名メトリブジン)
CAS番号:21087-64-9
物質ID: | 21B3015 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体でrある。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体(融点:125.5-126.5℃(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987)、有機化合物辞典(1985)))に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値が7件(:2020 mg/kg(雄)、2220 mg/kg(雌)(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))、1100 mg/kg,、1100 mg/kg(雄)、1200 mg/kg(雌),、1010 mg/kg、2200 mg/kg(HSDB(2005))あり、4件が区分4に該当している。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 > 2000 mg/kg(ACGIH(2001))に基づき、分類JISの区分外(国連GHSでは区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットのLC値50>0.86 mg/L(ACGIH(2001))であるが、このデータのみでは区分を特定できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験では本物質の皮膚刺激性は軽微(very slight dermal irritant)と記述されている(ACGIH(2001))。またウサギの皮膚刺激性試験で刺激性なしの結果(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))、およびヒト皮膚に単回または反復適用しても刺激性を示さなかったとの報告(HSDB(2005))に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギでは本物質の眼刺激性は軽微(very slight eye irritant)と記述されている(ACGIH(2001))。また、ウサギによる眼刺激性試験で7日間の観察で結膜、角膜に変化は認められなかった(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))の記述に基づき、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた試験で感作性は認められなかったとの記述(ACGIH(2001), 農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))があり、かつヒトで行ったパッチテストでも感作性を示さなかったとの記載(HSDB(2005))に基づき区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いた経口投与による優性致死試験(in vivo経世代変異原性試験)で陰性(IRIS(1995))、およびチャイニーズハムスターの精原細胞を用いるin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)で陰性(IRIS(1995)の結果に基づき区分外とした。なお、ラット肝細胞を用いたin vivo不定期DNA合成試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)で陰性(EPA RED(Access on 4 2009))、in vitro試験ではAmes試験(in vitro変異原性試験)で陰性(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))の結果が得られている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIHでA4、EPA(1986)でDに分類されていることに基づき区分外とした。なお、マウスおよびラットに2年間経口投与による発がん性試験において、腫瘍発生頻度に有意な増加はなく、発がん性の証拠は得られていない(ACGIH(2001)、EPA RED(Access on 4 2009))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた混餌投与による三世代試験(ACGIH(2001))において生殖毒性も一般毒性も認められず、また、二世代試験(EPA RED(Access on 4 2009))でも所見として体重増加抑制と肝細胞肥大が記載されているものの、性機能、生殖能に関しては言及されていないため影響がなかったものと見なされる。一方、ラットとウサギの器官形成期に経口投与した試験がラットとウサギで各2試験あり(EPA RED(Access on 4 2009)、農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))、そこでは親動物の体重増加抑制に加えウサギの1試験の高用量群で流産の発生増加が報告されているが、仔の発生に関しては骨化遅延と骨変異を除きその他には催奇形性を含め影響は示されていない。したがって、ラットの2試験で親動物の生殖に悪影響なく、かつ、ラットおよびウサギの各2試験で仔の発生にも悪影響が認められなかったことから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの経口投与によるLD50値(雄: 2200 mg/kg, 雌: 2345 mg/kg)が得られ、特定臓器の病理的変化は認められなかった(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))とあるが、ガイダンス値範囲上限(2000 mg/kg)における影響の状況が不明なため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた13週混餌投与試験(農薬安全性情報「日本農薬学会誌」第12巻第1号(1987))では、最高用量1500 ppm(75 mg/kg/day)まで重大な有害影響は観察されていないが、イヌに2年間混餌投与した試験(EPA RED(Access on 4 2009))の最高用量1500 ppm(換算値:約55 mg/kg/day)で肝臓重量増加と肝機能変化(血清GOTおよびGPT増加、ALP増加、総蛋白増加など)が認められ、ラットに2年間混餌投与した試験(EPA RED(Access on 4 2009))の最高用量300 ppm(14.3〜20.4 mg/kg/day)での毒性として肝臓の病理学的変化を伴っていることが記述されている。しかし、このデータでは肝機能変化の程度や病理学的変化の内容について具体的な記述がなく分類できない。他経路のばく露では、ラットに0.031〜0.720 mg/L/6hrを3週間吸入(90日換算値:約0.0071 mg/L/6h/day)した試験で毒性影響の記述はなく(ACGIH(2001))、ラットまたはウサギに1000 mg/kg/dayを3週間経皮ばく露した試験でも重大な毒性所見は報告されていないが、いずれもばく露期間が3週間と短いこともあり、反復ばく露の試験として適切かどうか得られた情報の範囲では疑義が残る。以上より、いずれの経路においても「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)での72時間ErC50 = 0.039 mg/L(環境省生態影響試験, 1999)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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