名称:アゾジカルボンアミド
CAS番号:123-77-3
物質ID: | 21A3510 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団(脂肪族アゾ化合物)を含むが、UNRTDG(UN3242)でクラス4.1PGIIに分類されているので区分外とした。なお、酸素収支は-55.13である。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分1 | 危険 | H228: 可燃性固体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
工業的純品であるアゾジカルボンアミドはUNRTDGで自己反応性に該当しないものとしてUN3242クラス4.1PGIIとされており、これにより区分1とした。 | |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団(脂肪族アゾ化合物)を含むが、工業的純品であるUN3242は自己反応性に該当しないのでタイプGと判断される。なお、アゾジカルボンアミドの組成物ではUN3232(タイプB)、UN3224、3234(タイプC)、UN3226、3236(タイプD)になるものもある。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG(UN3242)でクラス4.1(PGII)に分類されていることから、上位の自然発火性固体4.2には該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含んでいないが、酸素を含み、この酸素は元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50 = 6400 mg/kg(厚労省報告(2000))、5000 mg/kg bwで死亡なし(CICADs 16(1999))、6000 mg/kg bwで死亡なし(JECFA(1967))の結果に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50 > 2000 mg/kg bw(CICADs 16(1999))に基づきJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50 = 6100 mg/m3/4h(6.1 mg/L/4h)(CICADs 16(1999))は区分外に該当する。なお、試験は乾燥エアゾールで行なわれており粉塵・ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの耳介部皮膚に24時間適用して刺激性なし(not irritating)との報告(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験で刺激性なし(not irritating)との結果(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。なお、ウサギに本物質90%とスルフィン酸、亜鉛塩10%の混合物を適用した試験では結膜の発赤と浮腫が見られたが3日以内に回復、角膜に影響はなかった(IUCLID(2000))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
職業ばく露に関連する喘息様症状が明確に本物質に起因するとする気管支誘発試験の報告(CICADs 16(1999))がある。その報告によれば、本物質の惹起に対する反応の遅れ、FEV1低下とそれに伴った気道過敏性の増加があり、同様の条件下の対照個体では反応が見られなかった。さらに、職業ばく露による本物質と喘息あるいは呼吸器症状との関連を示す証拠は数多く報告されている(IUCLID(2000))。以上のデータまたは情報を踏まえ、本物質の主要な毒性影響はヒトでの喘息誘発性であると結論付けられている(CICADs 16(1999))ことから、区分1とした。なお、EUではR42(EU-Annex I(access on July 2009))に分類されている。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
動物試験に関しては質的に不十分な試験データしかなく、確かな結論は得られない(CICADs 16(1999))が、本物質を含む発泡プラスチック製耳栓を使用し、耳の皮膚炎の再発を繰り返していた1人の男性織物工が、パッチテストで本物質のみに陽性反応を示し皮膚感作性の明確な証拠が得られた(CICADs 16(1999))こと、他にも職場で本物質のばく露を受けたとされる皮膚炎患者で本物質に陽性反応を示した事例報告がある(IUCLID(2000))こと、および本物質はヒトの皮膚感作性誘発物質と考えられると結論されていること(CICADs 16(1999))から、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(CICADs No.16(1999))で陰性の結果にもとづき区分外とした。なお、in vitro試験としてAmes試験で陽性(NTP DB(access on Jul. 2009))、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(NTP DB(access on Jul. 2009))、マウスのリンパ腫(L5178Y細胞)試験で陰性(IUCLID(2000))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットに経口投与による一世代生殖毒性試験(OECD TG 415、GLP)において、親動物の一般毒性として雄に影響はなく、雌で授乳期間中に高用量群(1000 mg/kg)で腎盂腎炎様病変による死亡が発生したが、親動物の生殖指標、仔の生存率、成長、形態に悪影響は認められなかった(厚労省報告(2000))。しかし、催奇形性を含む発生毒性に関してはデータが不十分なため、データ不足で分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラット及びマウスとも経口投与により6000 mg/kgで有害影響が認められなかった(JECFA(1967))ことから、経口では区分外に相当するが、他経路のデータがないまたは不十分なため「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラット及びマウスの13週間の経口投与試験におけるNOELは、ラット雌で1000 mg/kg/day、マウスで雄2500 mg/kg/day、雌2500 mg/kg/dayと報告されている(IUCLID(2000))。また、ラット及びマウスの13週間の吸入ばく露試験(エアゾール)では、最高用量の0.2 mg/Lまで毒性学的意義のある変化は見られなかったと報告されている(CICADs 16(1999))。その他の試験ではラットに100〜1000 mg/kg/dayを8週間経口投与(90日換算:60〜600 mg/kg)により悪影響は観察されていない(JECFA(1967))。以上の経口および吸入による各試験では、NOELまたは悪影響が観察されない用量がいずれもガイダンス値範囲区分2の上限以上であることから、経口及び吸入経路では区分外に相当するが、経皮ばく露のデータがないため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 11 mg/L(CICAD 16, 1999)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2002))ことから、区分3とした。 |
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