GHS分類結果

名称:オーラミン
CAS番号:492-80-8

結果:
物質ID: 20A2204
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素、酸素、および塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50=1100 mg/kg(DFGOT Vol. 4, 1992)であることより区分4とした。なお、EU分類においてR22に区分されている。なお、オーラミン塩酸塩の既存分類についてはID694 オーラミン塩酸塩(NITE(Access on Feb. 2009))を参照の事。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。なお、オーラミン塩酸塩(CAS: 2465-27-2)においては、ウサギの試験において刺激性は認められなかった(DFGOT Vol. 4, 1992)。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - 動物を用いた試験データがなく、分類できないとした。しかしながら、EU分類においてXi; R36に区分されている。なお、オーラミン塩酸塩(CAS: 2465-27-2)のデータでは、ウサギの試験において「重度の刺激性を示したが、8日以内に回復した(severe irritation which, however, healed within 8 days.)」とある(DFGOT Vol. 4, 1992)。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスを用いた小核試験(in vivo変異原性試験)として、腹腔内投与が2例、経口投与が1例報告されているが、いずれの試験においても陰性の結果(DFGOT Vol. 4(1992))であることから区分外とした(本邦において5つのマウスの小核試験(ipまたはpo)が実施されたが陰性である(mutation Res., 389, 3-122, 1977))。なお、in vitro変異原性試験として、エームス試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験において陽性結果が得られている(いずれもDFGOT Vol. 4(1992))。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットの87週間経口投与試験において、投与後4-35週間で92 %が肝臓がんを引き起こし(IARC vol. 1, 1972; HSDB, 2003)、ラットの9ヶ月経口投与試験においても、悪性の肝細胞がんが1500, 2000 mg/kgの濃度において見られた(DFGOT Vol. 4, 1992)。また、マウスの52週間経口投与試験においても、対照と比較して高い肝臓がん(オーラミン摂取/対照=7/0)、およびリンパ腫(オーラミン摂取/対照=11/5)が見られた(IARC vol. 1, 1972; DFGOT Vol. 4, 1992; HSDB, 2003)。さらに既存分類において日本産業衛生学会が第2群B、IARCが2B(technical-grade)、EUが3に区分していることから区分2とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットの経口投与試験としてオーラミン純度の低い物質(染料87 %、残余物NaCl, Na2SO4、そしてMichler'sケトンを微量に含む)を区分2に該当する400 ppm(90日換算60mg/kg day)の濃度で4週間、または200 ppm(10mg/kg day)の濃度で90日、2年間投与しても毒性影響は見られていない(DFGOT Vol. 4, 1992)。しかし区分2のガイダンス値を超える300, 500, 1000, 1500, 2000 mg/kg/dayの用量で実施された、ラットの9ヶ月間の経口投与において、投与後3ヶ月で2000 mg/kgの濃度において肝硬変、腺線維症、胆管増殖そして肝臓の変質が見られ、1500 mg/kgの濃度においても後に同様の所見が確認された。肝細胞の変性病巣は3ヶ月後に1500, 2000 mg/kgの濃度で、6ヶ月後に500 mg/kgの濃度で、9ヶ月後に300 mg/kgの濃度において見られているが(DFGOT Vol. 4, 1992)、ガイダンスの範囲においては試験が実施されていないことからデータ不足で分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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