GHS分類結果

名称:N'-(2-メチル-4-クロルフェニル)-N,N-ジメチルホルムアミジン塩酸塩
CAS番号:19750-95-9

結果:
物質ID: 1357
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 用途が農薬であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験法が確立されていない。なお、ICSC(J)(1994)に「水の存在下で、多くの金属を侵す」との記載がある。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおける経口LD50データ(305, 325, 330 mg/kg(EHC199(1998)), 265, 355 mg/kg(JMPR206(1972)), 225 mg/kg(RTECS(2003)))に基づき、計算式を用いて算出した値(LD50 = 268 mg/kg)から、区分3とした。 *本物質のベース化合物であるN'-(2-メチル-4-クロルフェニル)-N,N-ジメチルホルムアミジン(ID1357, CAS: 6164-98-3)の情報も参照のこと。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告 H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットにおける経皮LD50 = 4 g/kg(RTECS(2003))から区分5とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ラットにおける吸入LC50(1hr)値>5.8 mg/L(JMPR206(1972))(4時間換算値、蒸気の場合>2.9 mg/L、ミスト・粉塵の場合>1.45 mg/L)とのデータしかなく、データ不足で分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットにおける吸入LC50(1hr)値>5.8 mg/L(JMPR206(1972))(4時間換算値、蒸気の場合>2.9 mg/L、ミスト・粉塵の場合>1.45 mg/L)とのデータしかなく、データ不足で分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ウサギ皮膚をわずかに刺激するとの記述(EHC199(1998))から、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギ眼を用いた標準ドレイズ試験の結果、”Mild(軽度の)”刺激性を示したとの記述がある(RTECS(2003))ことから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - ヒトに対して、「反復してあるいは長期にわたり皮膚に接触すると、皮膚炎を起すことがある」との記述がある(ICSC(J)(1994))が、アレルギー反応に起因したものと確認できず、データ不足で分類できないとした。なお、本物質のベース化合物(ID1356, CAS: 6164-98-3)では、分類できないとされている。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスを用いた相互転座試験および優性致死試験、マウス精母細胞を用いた染色体異常試験、マウススポット試験、チャイニーズハムスター骨髄小核および染色体異常試験の陰性結果がある(EHC199(1998))ことから、区分外とした。なお、Ames試験およびマウスリンフォーマ試験は陰性と報告されている(EHC199(1998))。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスにおいて、混餌投与により皮下組織、後腹膜、内臓(腎臓、肝臓、脾臓)に悪性血管内皮腫が生じたとの報告(EHC199(1998), JMPR431(1978))があることから、区分2とした。なお、本物質のベース化合物(ID1356, CAS: 6164-98-3)は、IARCにおいて”Group 3”に分類されていることから、区分外とされている。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。なお、本物質のベース化合物(ID1356, CAS: 6164-98-3)では区分外とされている。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系、血液、膀胱、腎臓) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(神経系、血液、膀胱、腎臓) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2の文書中、ヒトに対して「この物質は神経系、血液に影響を与え、機能障害を生じ、メトヘモグロビンを生成することがある。この物質は膀胱、腎臓に影響を与え、膀胱の炎症、血尿を生じることがある。」との記述がある(ICSC(J)(1994))ことから、区分2(神経系、血液、膀胱、腎臓)とした。なお、本物質のベース化合物(ID1356, CAS: 6164-98-3)の情報も参照のこと。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(皮膚) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(皮膚) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
「反復してあるいは長期にわたり皮膚に接触すると、皮膚炎を起こすことがある」との記述(ICSC(J)(1994))から、区分2(皮膚)とした。なお、本物質のラットへの24ヶ月間混餌投与の結果メトヘモグロビンの生成が認められた(JMPR467(1979))ものの、毒性影響データは示されていない。本物質のベース化合物(ID1356, CAS: 6164-98-3)の情報も参照のこと。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る