名称:亜ヒ酸鉛
CAS番号:10031-13-7
物質ID: | 1089 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 1999)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 1999)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 1999)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定。(文献に「水に不溶」との記載がある。) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
14 | 酸化性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 物質固有の国連番号(1618)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、5.1が付されていないため、区分外とした。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ヒト皮膚に刺激性を示すとの記述(ICSC, 1999; HSFS, 2001)、ならびに無機ヒ素化合物として刺激性を示すとの記述(PIM 042, 1996; DFGOT vol.21, 2005)から、軽度刺激性を有するものと判断し、区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ヒト眼に刺激性を示すとの記述(ICSC, 1999; HSFS, 2001)、ならびに無機ヒ素化合物(の粉塵)は眼刺激性を示すとの記述(HSG 70, 1992; PIM 042, 1996)から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 本物質により(ICSC, 1999)、あるいは無機ヒ素化合物としてヒトに皮膚感作性を示す可能性がある(ATSDR, 2005; PIM 42, 1996)としているが確定的な結論ではないこと、加えて、EHC 224(2001)のヒトにおける記述”無機ヒ素の皮膚感作性の発現はまれである”、無機ヒ素化合物としてモルモット試験(maximization test)での陰性報告があることから(ATSDR, 2005; EHC 224, 2001)、データ不足により分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータはないが、無機ヒ素化合物として、ヒト(末梢血)あるいはげっ歯類(骨髄)に染色体異常あるいは小核を誘発すること(DFGOT vol.21, 2005; EHC 224, 2001; PATTY 5th, 2001; IARC Suppl.7, 1987; IARC 84, 2004; ATSDR draft, 2005)、ATSDR(draft, 2005)において鉛(無機鉛化合物)がヒトの染色体異常を誘発するとしていること、ならびにMAK/BAT(2005)において無機ヒ素化合物ならびに無機鉛化合物は3Aに分類されていることから、区分2とした。なお、無機ヒ素化合物(As+3)は、優性致死試験およびマウス精原細胞染色体異常試験で陰性であった(ATSDR draft, 2005)。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質自身の知見は認められないが、IARC(IARC Suppl.7, 1987; IARC 84, 2004), ACGIH(ACGIH, 7th, 2001), DFG(MAK/BAT, 2005), NTP(NTP RoC 11th, 2005)において無機ヒ素化合物をヒト発癌物質と分類していることから、区分1Aとした。なお、(無機)鉛化合物としては、IARC 87(2004)では区分1B相当(Group 2A)、NTP RoC(11th, 2005)では区分1B〜2相当(Reasonably anticipated to be human carcinogens)、IRIS(1993)およびACGIH-TLV(2005)では区分2相当(それぞれB2、A3)である。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質についての具体的知見は認められなかったが、本物質はヒトに重大な生殖毒性を誘発するとしていること(ICSC, 1999)、無機ヒ素化合物としてACGIH(7th, 2001), ATSDR(draft, 2005), EHC 224(2001), DFGOT vol.21(2005)において相反する報告はあるものの、実験動物に対し生殖発生毒性の知見が示されていること、さらに、鉛(無機鉛化合物)については、ACGIH-TLV(2005)、Proposition 65(California EPA, 2005)、ATSDR(draft, 2005)などにおいてヒトに生殖毒性を示すとしていることから、区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系、消化器、心血管系、腎臓)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系、消化器、心血管系、腎臓) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに対し、中枢神経系、消化器、心血管系、腎臓への影響、ならびに気道刺激性を示すとの記載(ICSC, 1999; HSFS, 2001)から、区分2(中枢神経系、消化器、心血管系、腎臓)、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(皮膚、血液、心血管系、腎臓、肝臓、神経系) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(皮膚、血液、心血管系、腎臓、肝臓、神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに対し、皮膚、粘膜、骨髄、血液、心血管系、腎臓、肝臓、神経系への影響を示すとの記載(ICSC, 1999; HSFS, 2001)から、区分2(皮膚、血液、心血管系、腎臓、肝臓、神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
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