GHS分類結果

名称:N-メチルアミノホスホン酸O-(4-ターシャリ-ブチル-2-クロロフェニル)-O-メチル【クロホメート】
CAS番号:299-86-5

結果:
物質ID: 973
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。またPを含むが非金属と結合している。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:460mg/kg(RTECS, 2006、SITTIG 4th, 2002、HSDB, 2006)および770mg/kg(HSDB, 2006)に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分4 警告 H312: 皮膚に接触すると有害 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウサギLD50値:2000mg/kg(RTECS, 2006)に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - RTECS(2006)にラットLCLo(4時間)値:0.012mg/Lとの記述があるが、LC50値のデータはなく、区分が特定できないため分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ACGIH(7th, 2001)の暴露時間は不明であるがウサギの皮膚に適用した試験において軽度な紅斑が認められたとの記述から、軽度な刺激性があると判断し、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ACGIH(7th, 2001)のウサギの眼に適用した試験において虹彩の変化は不明なものの角膜混濁および結膜刺激性が認められたとの記述から、眼刺激性があると判断したが、回復性についての記述がないことから細区分できず、区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIHでA4に分類されている(ACGIH 7th, 2001)ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系)、区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
H371: 臓器の障害のおそれ(神経系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ICSC(J)(1995)、HSFS(2005)およびSITTIG(4th, 2002)の気道を刺激するとの記述、ならびに神経系に影響を与えるとの記述から、区分2(神経系)、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ACGIH(7th, 2001)にラットおよびイヌを用いた2年間混餌経口投与試験において明確な毒性作用は認められなかったとの記述があるが、区分1のガイダンス値範囲の低用量での試験結果であり、区分外と判断するにはより高用量での投与試験データがないことから、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=1800μg/L(AQUIRE、2003)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=3.42(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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