GHS分類結果

名称:プロピレングリコールモノメチルエーテル
CAS番号:107-98-2

結果:
物質ID: 930
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
23℃≦引火点≦60℃ UNRTDG クラス3 PGIIIに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - UNRTDG クラス3に分類されている。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内にフッ素または塩素を含んでいない。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス3に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットのLD50値、6100, 5200, 5000 mg/kg(以上、SIDS(2001), ACGIH(2001), PATTY(1994))、7350(ACGIH(2001)), 5000(DFGOT(1993)), 7510 mg/kg(DFGOT(1993), PATTY(1994))より計算式により算出した値 5113 mg/kgに基づいて、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギのLD50値、13000および14100 mg/kg(いずれもSIDS(2001)とPATTY(1994))のうち、より低値の13000 mg/kgに基づいて区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ラットのLC50値(4時間):>6 mg/l(>1626ppm)およびLC50値(1時間):>24 mg/l(4時間換算値:>12 mg/l(>3252ppm)(いずれもSIDS(2001)とDFGOT(1993))に基づき、区分が特定できないことから、データ不足のため分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ウサギの皮膚に塗布した試験では極く軽度の刺激性が認められたこと(SIDS(2001)とPATTY(1994))から、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ボランティアに本物質の蒸気を暴露する試験(SIDS(2001), ACGIH(2001), IRIS(2005), PATTY(1994))で高濃度では強い眼刺激性が認められたが、回復の速さについては記述がないため、区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - モルモットを用いた試験(modified Maguire test)(SIDS(2001))で皮膚感作性は認められなかったが、感作性を明確に否定した記述が得られないため、分類できないとした。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットを用いた試験(modified Maguire test)(SIDS(2001))で皮膚感作性は認められなかったが、感作性を明確に否定した記述が得られないため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vivoのマウス骨髄赤血球を用いた小核試験で陰性であった(SIDS(2001))ことから、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - ラットおよびマウスを用いた発ガン性試験では、いずれも発がん性は認められていない(SIDS, 2001)が、他にこれを支持する明確な情報がないため、分類できないとした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた繁殖性試験(SIDS(2001), ACGIH(2001), PATTY(1994), NTP DB(2005))で繁殖性に異常はなく、ラット、マウス、ウサギを用いた催奇形性試験(SIDS(2001), ACGIH(2001), PATTY(1994), DFGOT(1993))においても催奇形性はみとめられなかったことに基づき、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットおよびマウスでの吸入暴露試験、ウサギでの経皮投与試験(以上の出典はすべてSIDS(2001))において、一過性の起き上がり反射および外部刺激に対する反射の消失などが認められたとの記述から、麻酔作用があると判断し、区分3とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - ラットでの3カ月間連続飲水投与試験(SIDS(2001)、PATTY(1994))、イヌでの14週間飲水投与試験(SIDS(2001)、PATTY(4th, 1994))、ラットおよびウサギでの3カ月間の経皮投与試験(ACGIH(7th、2001)、SIDS(2001)、DFGOT(vol.5, 1993)、PATTY(4th, 1994))、ラットでの3カ月間の吸入暴露試験(SIDS(2001)、ACGIH(7th、2001)、PATTY(4th, 1994))、マウス、ウサギ、モルモット、サルでの3または6カ月間反復吸入暴露試験(SIDS(2001)、ACGIH(7th, 2001), IRIS(2005), PATTY(4th, 1994), DFGOT(vol.5, 1993))では、いずれも区分2のガイダンス値範囲内の投与量では毒性は認められず、適切な用量設定された試験では、最大無影響量は区分2のガイダンス値を超えており、区分2のガイダンス値範囲を超える投与量でのみ、軽度の中枢神経系抑制(鎮静)、肝臓、腎臓への影響が認められたとの記述に基づき、区分外とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50>500mg/L(SIDS、2003)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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