GHS分類結果

名称:三弗化ほう素
CAS番号:7637-07-2

結果:
物質ID: 581
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(1993)、ホンメル(1991))
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - UNRTDG クラス2.3 副次危険8 に基づき区分外とした。
5 高圧ガス 圧縮ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度-12.25℃〜-12.35℃(ホンメル(1991)、HSDB(2005))、臨界圧力4.98MPa(HSDB(2005))であること及び通常の流通の形態に基づき圧縮ガスとした。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - UNRTDG クラス2.3 副次危険8 であるが、この副次危険8は吸入等、人体への暴露における腐食性で、金属腐食性は試験法が確立していない(ガス)ために分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50=436ppm(ACGIH(2001))に基づき、区分2とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで皮膚に腐食性があり、重度の火傷を生じるとの記載(ICSC(J)(1993)、HSDB(2005))に基づき、区分1A-1Cとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ヒトで皮膚に腐食性があること、およびヒトで眼に腐食性を示し重度の刺激性があるとの記載(ICSC(J)(1993), HSDB(2005))に基づき、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(呼吸器系、心血管系)、区分3(麻酔作用) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用)
H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器系、心血管系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトにおいて気道刺激性の他、気道の腐食、肺の障害(肺のうっ血、肺水腫、肺炎)が記載されている(ICSC(J)(1993)、HSDB(2005), RTECS(2005))ことに基づき、区分2(呼吸器系)とした。ヒトで心血管系の障害(心筋障害、循環性ショック)が記載されている(HSDB(2005))ことに基づき、区分2(心血管系)とした。ヒトで神経系への影響(反射減弱、傾眠、失神、血圧低下、呼吸亢進および抑制)の記載がある(ICSC(J)(1993)、HSDB(2005))ことに基づき、区分3(麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓、呼吸器系)、区分2(骨、歯) 危険
警告
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(骨、歯)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓、呼吸器系)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットで区分1ガイダンス値範囲内の投与量(50ppm/6h/日)で、腎毒性、肺炎および呼吸器の刺激性(ACGIH(2001))が記載されている。ヒトでは腎毒性、鼻粘膜・歯肉の出血、肺機能低下、骨硬化症、骨の脆弱化、エナメル質の溶解およびふっ素沈着症(ICSC(J)(1993)、IUCLID(2000)、HSDB(2005))が記載されている。これらの記載に基づき、区分1(腎臓、呼吸器系)、区分2(骨、歯)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=21.3mg/L(IUCLID、2000)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分3、水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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