名称:硫酸ニッケル
CAS番号:7786-81-4
物質ID: | 453 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | スルホニル類であり自己反応性に関する原子団を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度40.4g/100g(25℃)、Lide(84th,2003))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 500 mg/kg、275mg/kg、325 mg/kg(ECETOC TR33(1989))に基づき、計算式を適用して得られたLD50値 275 mg/kgから区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体のため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた皮膚累積適用試験結果(EHC 108(1991))、及びヒトの刺激性の事例報告(EHC 108(1991))はあるが、程度不明で分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
DFGでは呼吸器感作性物質に、また、ニッケル化合物 を日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告(2005)で気道感作性物質(第2群)に分類しているため、呼吸器感作性ありとし、区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
DFGでは皮膚感作性物質に、また、ニッケル化合物 を日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告(2005)で皮膚感作性物質(第1群)に分類しているため、皮膚羹作性ありとし、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | IARC 49(1990)、ATSDR(2005)、EHC 108(1991)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験(染色体異常試験)で陰性、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験、染色体異常試験)で陰性であることから、区分外とした。なお、水溶性無機ニッケル化合物の変異原性/遺伝毒性については、ID455、塩化ニッケル(II)、CAS:7718-54-9も参照のこと。 |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP(2005)でK(ニッケル化合物として)、IARC(1990)で1(ニッケル化合物として)に分類されていることから、区分1Aとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 108(1991)、IARC 49(1990)、ATSDR(2005)、ACGIH(7th, 2001)、CERIハザードデータ集97-19(1998)の記述から、雄の生殖機能、児動物の発生への影響がみられることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系、呼吸器) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「悪心、腹部痙攣、下痢、嘔吐、頭痛、目眩、脱力感、筋肉痛」(ATSDR(2005))、「片側視野欠損」(IARC 49(1990))等の記述、実験動物については、「肺出血」(ATSDR(2005))、「運動失調、四肢の腫脹、流涎」(CERIハザードデータ集 97-19(1998))等の記述があることから、中枢神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(中枢神経系、呼吸器)とした。 なお、ニッケル化合物のヒトでの急性毒性としては「悪心、下痢、眩暈、頭痛」(ECETOC TR33(1989))がみられた。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、腎臓、精巣)、区分2(肝臓) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、腎臓、精巣) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「尿中の蛋白、β2ミクログロブリン、レティノール結合蛋白、NAGレベルの上昇」(ATSDR(2005))、「慢性鼻炎、鼻中隔糜爛、穿孔及び潰瘍、アレルギー性喘息、急性喘息」(EHC 108(1991))等の記述、実験動物については、「嗅覚細胞上皮の双極性受容体の減少、肺胞炎、中央部輸精管萎縮」(ATSDR(2005))、「肝臓の肝細胞の空胞化、変形、腎臓の糸球体の変性、肺胞上皮の脱落、肺胞壁の肥厚、肺気腫、気管支上皮の脱落」(CERIハザードデータ集 97-19(1998))等の記述があることから、呼吸器、腎臓、精巣、肝臓が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分1及び区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、腎臓、精巣)、区分2(肝臓)とした。 なお、ニッケル化合物のヒトでの慢性毒性としてはニッケル及びニッケル化合物の暴露はたとえ職業暴露許容量に近い量での暴露でも呼吸器経路の刺激性の変性の要因となりうる。長期間の高濃度暴露は肺線維症を引き起こすと考えられる」(ECETOC TR33(1989))がみられた。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セレナストラム)の72時間EC50=0.75mg/L(CERIハザードデータ集、1997)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF<31(既存化学物質安全性点検データ))、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分1とした。 |
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