名称:ベンジリジン=トリクロリド
CAS番号:98-07-7
物質ID: | 191 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点>93℃ |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が211℃である(ICSC(J)(1995))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス8に分類されている。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素またはフッ素を含んでいない。塩素を含むが、この塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | UNRTDGではクラス8に分類されているが、金属腐食性の根拠となるデータなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:736mg/kg(CERIハザードデータ集(2002)、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.6(1994))、1249mg/kg(SIDS(2004))、1590mg/kg(SIDS(2004))、702mg/kg(SIDS(2004))に基づき、計算を適用した。計算値は718.3mg/kgであったことから、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ウサギLD50値:4000mg/kg(CERIハザードデータ集(2002)、SIDS(2004)、DFGOT vol.6(1994))およびラットLD50値:>5000mg/kg(SIDS(2004))に基づき、小さい方の値を採用し、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの4時間暴露でのLC50値:0.53mg/L(SIDS(2004))および1時間暴露でのLC50値:8.39mg/L(4時間換算値4.2mg/L)(SIDS(2004)、DFGOT vol.6(1994))に基づき、小さい方の値を採用した。0.53mg/Lは蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断でき、ppm濃度基準値で分類した。換算値(換算係数1ppm=7.99mg/m3)は66ppmであることから、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
CERIハザードデータ集(2002)およびSIDS(2004)のウサギの皮膚への適用により刺激性が認められたとの記述、およびIARC 29(1982)、CERIハザードデータ集(2002)にヒト皮膚刺激性の報告があるとの記述から、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
CERIハザードデータ集(2002)およびSIDS(2004)のウサギの眼への適用により強度の刺激性が認められたとの記述、ならびにSIDS(2004)のウサギの眼への適用により認められた変化が14日以内に回復したとの記述、IARC 29(1982)およびCERIハザードデータ集(2002)にヒトで眼または粘膜刺激性の報告があるとの記述から、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陽性の結果があり(CERIハザードデータ集(2002)、SIDS(2004)、DFGOT vol.6(1994))、生殖細胞を用いるin vivo遺伝毒性試験で陽性の結果がないことから、区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
日本産業衛生学会(2005)で1、EPA(IRIS(Access on Oct 2005))でB2に分類されているが、IARC 29(1982)で2A、ACGIH(7th, 2001)でA2、NTP(NTP RoC(11th, 2005))でRおよびEU(EU ANNEX-I(Access on Oct 2005))でカテゴリー2に分類されていることから、区分1Bとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
SIDS(2004)、CERIハザードデータ集(2002)には、ラットの器官形成期に経口投与した催奇形性試験では、母動物に一般毒性が示されない用量で胎児に骨格奇形が認められたとの記述から、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集(2002)、ACGIH(7th, 2001)、IARC 29(1982)およびDFGOT vol.6(1994)のラット及びマウスで吸入暴露により中枢神経系の興奮が区分1のガイダンス値範囲の低濃度で認められたとの記述から、麻酔作用があると判断した。また、CERIハザードデータ集(2002)、ACGIH(7th, 2001)、IARC 29(1982)およびDFGOT vol.6(1994)のラット及びマウスで吸入暴露により気道粘膜刺激が認められたとの記述、およびIARC 29(1982)、CERIハザードデータ集(2002)にヒトで呼吸器および粘膜刺激性の報告があるとの記述から、気道刺激性があると判断し、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(吸入暴露:肝臓、腎臓、甲状腺、血液、呼吸器) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(吸入暴露:肝臓、腎臓、甲状腺、血液、呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集(2002)、SIDS(2004)、DFGOT vol.6(1994)のラットを用いた混餌経口投与試験で肝臓、腎臓及び甲状腺に組織学的変化が認められたとの記述、ならびにCERIハザードデータ集(2002)、SIDS(2004)、ACGIH(7th, 2001)、IARC 29(1982)またはDFGOT vol.6(1994)のラットを用いた吸入暴露試験で白血球減少、軽度の貧血、腎機能低下、気管支炎、肺炎または肝臓の脂肪変化が認められたとの記述から、肝臓、腎臓、甲状腺、血液および呼吸器が標的臓器であると判断した。これらの影響はいずれも区分1のガイダンス値範囲の暴露で認められていることから、区分1とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 区分2 | 警告 | H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P331: 無理に吐かせないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(J)(1995)の「液体を飲み込むと、誤嚥により化学性肺炎を起こす危険がある」との記述はヒトでの症例等に基づき記述されていると判断し、区分2とした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50=50mg/L(CERIハザードデータ集、2002)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(加水分解して安息香酸および塩酸を生成(CERIハザードデータ集、2002))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=3.9(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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