名称:酢酸フェニル水銀
CAS番号:62-38-4
物質ID: | 36 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | ICSC(2000)では可燃性としているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1674)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1674)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1674)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度0.44g/100mL(20℃)、ICSC(2000))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1674)。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 22 mg/kg(HSDB(2005))とLD50 41 mg/kg(RTECS(2005))のうち、低い値のLD50 22 mg/kg から、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体のため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ICSC(J)(2005)において「発赤、痛み、かすみ眼、重度の深部火傷がみられる」との報告が得られていることから、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ICSC(J)(2005)において「発赤、痛み、かすみ眼、重度の深部火傷がみられる」との報告が得られていることから、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
DFGOT vol.15(2001)のヒトへの健康影響の記述にて、本物質より皮膚感作性がみられたとの調査結果と、既存分類情報によれば、本物質を明示していないものの、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会は水銀を皮膚感作性がある物質、日本産業衛生学会は水銀(注)を皮膚感作性物質「第1群」に分類していることから、区分1とした。 (注)「当該物質自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではない。」という但し書きがある。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
(水銀化合物として)経世代変異原性試験および生殖細胞in vivo変異原性試験で陽性結果があるものの評価に用いられない、体細胞in vivo変異原性試験は陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験のデータがないことから、区分2に分類するのが妥当であると判断した。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
RTECS(2006)の記述から、母動物での一般毒性についての記述はないが、次世代に中枢神経系や筋肉系の異常がみられていることによる。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(腎臓、呼吸器) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(腎臓、呼吸器) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(J)において本物質について「気道に対して腐食性を示す。経口摂取すると、腐食性を示す。腎臓に影響を与え、腎不全を生じることがある。これらの影響は遅れて現われることがある。」(ICSC(J)2000)の記載がある。ICSC(J)はPriority2であるため分類は区分2(腎臓、呼吸器)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、消化器系、呼吸器系、腎臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、消化器系、呼吸器系、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、吸入経路での暴露で「重度の神経毒性、.・・・口の腫脹、歯肉の発赤と軟化、歯肉の青い線状の着色、虫歯、後咽頭壁の腫脹」、「呼吸困難、呼吸抑制、粘液によって妨げられる呼吸・・・剖検で化膿性の肺炎. 」(ATSDR(1999))との記載があり、実験動物については経口経路での試験で「腎臓の障害が認められた」(IRIS(2002))との記載があり、ヒトでみられた口腔内、歯肉などに対する影響は非経口暴露での影響であることから直接的な刺激に起因したものではなかった。したがって、標的臓器は神経系、消化器系、呼吸器系、腎臓と考えられた。なお、実験動物での影響は区分1のガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、消化器系、呼吸器系、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
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