「4.洗剤」表紙画像

(4)洗剤に関連する法規制等

洗剤は他の製品と同様に、安全性の確保、環境の保全、品質の保証そして消費者保護のために、いくつかの法律の適用を受けます。ここでの洗剤等の家庭用製品が適用を受ける主な法規制として、以下のものが挙げられます。

1. 家庭用品品質表示法

家庭用品の品質の適正化を図り、一般消費者の利益を保護することを目的とする家庭用品品質表示法では、一般消費者が使用する際に選択の目安になるように、用途や使用上の注意をはじめとする家庭用品の品質に関する表示の記載を義務づけています。

1-1. 家庭用品品質表示法における洗剤の種類

同法設立時の社会的背景を反映して、合成洗剤と石けんを明確に分けて表示する法律になっています。なお、化学的には石けんも多くの界面活性剤の一つであり、石けんだけを特に分けて扱う理由はありません。

洗浄の主な作用が界面活性剤でなく酸・アルカリまたは酸化剤の化学作用によるものを「洗浄剤」として区別していますが、食品衛生法などの定義とは異なるので注意が必要です。

以下に一部定義と表示事項を記載しました。(クレンザーは省略)

品目 定義(一部のみ記載)
合成洗剤 その主たる洗浄作用が純石けん分以外の界面活性剤の界面活性作用によるもの
洗濯用または台所用の石けん その主たる洗浄作用が純石けん分の界面活性作用によるもの(純石けん分以外の界面活性剤を含有しない場合は「石けん」、含有する場合は「複合石けん」と呼び区別する)
住宅または家具用の洗浄剤 その主たる洗浄作用が酸、アルカリまたは酸化剤の化学作用によるもの
衣料用、台所用または住宅用の漂白剤 酸化剤(塩素系または酸素系)または還元剤の成分が含まれているもの

1-2. 家庭用品品質表示法における品目と表示

品目 表示
品名 品名以外の表示
合成洗剤 洗濯用合成洗剤 ・ 成分
・ 液性
・ 用途
・ 正味量
・ 使用量の目安
・ 使用上の注意
台所用合成洗剤
その他の(用途を適切に表現した)合成洗剤
洗濯用または台所用の石けん 洗濯用石けん
洗濯用複合石けん
台所用石けん
台所用複合石けん
住宅または家具用の洗浄剤 (用途を適切に表現した)洗浄剤
衣料用、台所用または住宅用の漂白剤 (用途を適切に表現した)
漂白剤
・ 成分
・ 液性
・ 正味量
・ 使用方法
・ 使用上の注意

「使用上の注意」としては、次のようなものがあります。

  • 子供の手が届くところに置かない。
  • 用途外に使用しない。
  • 万一飲み込んだり、目に入ったりした場合には、応急処置を行い、医師に相談する。
洗濯用合成洗剤のラベル例
品名 洗濯用合成洗剤
用途 綿・麻・合成繊維用 液性 弱アルカリ性
正味量 ○○ kg 使用量の目安 水○○ L に対して○○ g
成分 界面活性剤(○○%、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、・・・)、水軟化剤(アルミノケイ酸塩)、アルカリ剤(炭酸塩)、分散剤、蛍光増白剤、酵素
使用上の注意●子供の手の届く所に置かない。●用途外に使わない。●使用後は手をよく水で洗い、クリームなどでのお手入れを。●荒れ性の方や長時間使う場合、また洗剤をブラシにつけて洗う時は炊事用の手袋を使う。
応急処置●目に入ったときにはこすらず流水でよく洗い流す。異常が残るときは眼科医に相談する。●飲み込んだときは、吐かずに口をすすぎ、牛乳か水を飲むなどの応急処置を行い医師に相談する。
○○○株式会社 〒○○○-○○○○ 東京都・・・・ 電話:・・・・

(日本石鹸洗剤工業会 2002)

なお、衣料用の柔軟仕上げ剤や糊剤は同法の指定品目に該当しませんが、工業会では自主基準を設けて、洗剤類とほぼ同様の表示を行っています。

1-3. 特別注意事項

その他塩素系の洗浄剤、酸性タイプの洗浄剤には、「特別注意事項」として、以下のような表記がされます。

洗浄剤の種類 特別注意事項
塩素系の洗浄剤
  • 「まぜるな危険」
  • 「塩素系タイプ」
  • 酸性タイプの製品と一緒に使う(まぜる)と有害な塩素ガスが出て危険。
    目に入った時は、すぐ水で洗う。
    子供の目に触れないようにする
    必ず換気を良くして使用する。
酸性タイプの洗浄剤
  • 「まぜるな危険」
  • 「酸性タイプ」
  • 「塩素系の製品と一緒に使う(まぜる)と有害な塩素ガスが出て危険」

2. 食品衛生法

「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ること」を目的とする食品衛生法において、「洗浄剤であって野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるもの(第62条2項)」はその適用を受けます。食品衛生法では「洗浄剤」という用語を使い、成分規格と使用基準が設けられています。(家庭用品品質表示法での「洗浄剤:酸、アルカリ等の配合がされているもの」とは定義が異なるので注意が必要です)

食品衛生法の洗浄剤は、「脂肪酸系洗浄剤」と「非脂肪酸系洗浄剤」に区分されています。

脂肪酸系洗浄剤とは長鎖脂肪酸塩(石けん)と長鎖脂肪酸エステル系界面活性剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等)を有効成分とする洗浄剤であり、非脂肪酸系洗浄剤とはその他の界面活性剤を有効成分とするものです。

成分規格としては重金属( 1ppm 以下)、酵素及び漂白剤(含んではならない)に関する規格があり、使用基準としては使用濃度(非脂肪酸系では界面活性剤として 0.1 % 以下、脂肪酸係で 0.5 % 以下)、すすぎ(飲用適の水(注)を用いて野菜、果実は流水で 30 秒以上、飲食器は流水で 5秒以上、ため水の場合は水をかえて 2回以上すすぐ)及び浸漬時間(野菜、果実は 5分以上浸漬しないこと)に関する基準が盛り込まれています。

食品衛生法では「台所用洗剤」の表示に関する規格は設けていません。

しかし台所用合成洗剤および台所石けんについては家庭用品品質表示法において表示が義務づけられており、この中で食品衛生法に基づく「使用基準」に定められている「浸漬時間」と「すすぎ」に関する基準が盛り込まれています。

(注)飲用適の水:水道水の水質基準、もしくは食品衛生法で示した基準に適合する水のこと。

3. 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律

有害物質を含有する家庭用品について保健衛生上の見地から必要な規制を行うことにより、国民の健康を保護に資することを目的とするこの法律では、有害物質としては17物質が指定されていますが、洗浄剤等に関連する物質としては、酸(塩酸、硫酸)及びアルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム)です。酸の量として10%以下、あるいはアルカリの量として 5%以下であり、かつ所定の容器強度を有することが決められています。

なお、上記の上限規制を越える濃度のものは、「毒物及び劇物取締法」の適用を受けることになります

4. 工業標準化法/ 日本工業規格(JIS)

工業標準化法では、品質の改善や生産の合理化、製品の品質保証などを目的として、原料や製品について日本工業規格(JIS)を制定し、この規格に合致する原料や製品にJISマークを表示することができます。

洗剤に関連するものとしては品質の規定として、化粧石けん(K3301)、固形洗濯石けん(K3302)、粉末洗濯石けん(K3303)、台所用合成洗剤(K3370)、洗濯用合成洗剤(K3371)があり、他に試験方法に関する規定があります。

粉末洗濯石けんでは、無添剤(純石けん分 94%以上)と添剤入(純石けん分50%以上で、石けんの洗浄作用を助けるケイ酸ナトリウム等が添加されているもの)とに分けられ、また固形洗濯石けんでも、無添加(純石けん分95%以上)と添剤入(純石けん分72%以上)とに分けられています。固形洗濯石けん(K3302)、粉末洗濯石けん(K3303)両者とも「長鎖脂肪酸のナトリウム塩及びカリウム塩以外の界面活性剤を含まないもの」となっており、家庭用品品質表示法での「複合石けん」に相当するものは、これらには含まれません。

台所用合成洗剤は食品衛生法(下記)によって規定されており、それと整合するように規格されています。また生分解性の規定(生分解度90%以上)があり、環境中での分解性が確保されています。

洗濯用合成洗剤は第1種(弱アルカリ性、粉状・粒状、主として綿や合成繊維等の汚れの激しい衣料用)、第2種(弱アルカリ性・中性、液状、主として綿や合成繊維等の汚れの激しい衣料用)及び第3種(中性、粉状・粒状、主として毛、絹などの汚れの軽い衣料用)に分けられています。そして現状の高生分解性及び無リン化を反映して、いずれも生分解度90%以上、全りん酸塩(P2O5 として) 1.0% 未満の規格があります。

洗剤と同じように界面活性剤を含むものでも、化粧用石けんやシャンプー等人体に直接使用するものは薬事法の適用を受けます。(薬事法については、身の回りの製品に含まれる化学物質シリーズ「化粧品」を参照してください)

●お問合せ

独立行政法人 製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター
〒151-0066 東京都渋谷区西原2-49-10
TEL:03-3481-1977  FAX:03-3481-2900
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