直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 (アルキル基の炭素数が10から14までのもの及びその混合物に限る。) (LAS) の2002年の国内生産量、輸入量、輸出量、国内流通量はそれぞれ72,078トン、971トン、2,507トン、70,542トンであった (製品評価技術基盤機構, 2004)。ここでの量はLAS (アルキル基の炭素数が10から14まで) の塩純分換算量である。
また、LASを含んだ界面活性剤等の1997年から2001年までの5年間の製造量、輸入量等は表 4-1の通りである (生産量: 通商産業省, 1998-2000; 経済産業省, 2001-2002、輸出入量: 財務省, 2003)。ただし、化学物質排出把握管理促進法でのLASは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 (アルキル基の炭素数が10から14までのもの及びその混合物に限る。) を示すが、ここでのLASの生産量及び出荷量に用いた量は、界面活性剤において、LASを含めた陰イオン活性剤 (スルホン酸型) (アルキル(アリル)スルホネート) に分類された量である。また、輸出入量には有機界面活性剤のうち、LASを含めた陰イオン (アニオン) 系のものの量を記述した。
| 年 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 |
| 生産量1) | 179,196 | 170,635 | 176,460 | 167,286 | 146,500 |
| 輸入量2) | 12,288 | 10,818 | 11,766 | 15,415 | 15,003 |
| 輸出量2) | 42,468 | 33,303 | 29,112 | 26,708 | 21,858 |
| 出荷数量1)3) | 91,302 | 84,554 | 80,815 | 82,055 | 80,294 |
1) 界面活性剤において、陰イオン活性剤(スルホン酸型)(アルキル(アリル)スルホネート)に分類された量 2) 有機界面活性剤のうち、陰イオン (アニオン) 系のものの量 3) 販売目的 |
LASは、家庭用及び業務用の合成洗剤(洗濯用、台所用) として使用され (日本石鹸洗剤工業会, 2004a)、その他、繊維工業用染色助剤、一般洗浄剤、農薬乳化剤、羊毛・合繊の洗剤、精練剤、ピッチ分散剤、金属メッキ用洗浄剤、クリーニング洗浄、肥料固化防止剤、分散剤として使用されている (化学工業日報社, 2003)。また、「平成13年度PRTR届出外排出量の推計方法等の概要」(経済産業省, 環境省, 2003b) によると、化粧品、身体用洗浄剤としても使用されている。
化学物質排出把握管理促進法に基づく「平成13年度届出排出量及び移動量並びに届出外排出量の集計結果」(経済産業省, 環境省, 2003a) (以下、2001年度PRTRデータ) によると、LASは1年間に全国合計で届出事業者から大気へ12トン、公共用水域へ38トン排出され、廃棄物として1,472トン、下水道に116トン移動している。土壌への排出はない。また届出外排出量としては対象業種の届出外事業者から5,914トン、非対象業種から2,923トン、家庭から24,216トンと推計されている。移動体からの排出量は推計されていない。なお、下水道への移動量は参考値であるが、63,842トンと推計されている。ここで、LASの家庭からの公共用水域への排出と下水道への移動の割り振りは各自治体の下水道普及率から算出されている (経済産業省, 環境省, 2003a)。
a. 届出対象業種からの排出量と移動量
2001年度PRTRデータに基づき、LASの対象業種別の環境媒体 (大気、水域、土壌) への排出量と移動量を表 4-2に整理した。その際、経済産業省及び環境省による届出外事業者からの排出量推計値は環境媒体別とはなっていないため、LASの使用形態が主として洗浄剤、乳化剤用途であることからすべて水域への排出と仮定し、環境媒体別の排出量を推定した (製品評価技術基盤機構, 2004)。
| 業種名 | 届出 | 届出外 | 届出と届出外の 排出量合計 | |||||||
| 排出量 | 移動量 | 排出量 (推計)1) | ||||||||
| 大気 | 水域 | 土壌 | 下水道 | 廃棄物 | 大気 | 水域 | 土壌 | 排出計3) | 割合 (%) | |
| 洗濯業 | 0 | <0.5 | 0 | 2 | 83 | 0 | 2,899 | 0 | 2,899 | 49 |
| 衣服・その他の
繊維製品製造業 | 0 | 6 | 0 | 0 | 5 | 0 | 670 | 0 | 676 | 11 |
| 繊維工業 | 0 | 7 | 0 | 8 | 5 | 0 | 658 | 0 | 665 | 11 |
| プラスチック
製品製造業 | 0 | <0.5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 649 | 0 | 649 | 11 |
| 化学工業 | 6 | 10 | 0 | 104 | 1,323 | 0 | 384 | 0 | 400 | 7 |
| 食料品製造業 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 233 | 0 | 233 | 4 |
| その他の製造業 | <0.5 | <0.5 | 0 | 2 | 2 | 0 | 104 | 0 | 104 | 2 |
| 石油製品・石炭
製品製造業 | 0 | 0 | 0 | 0 | <0.5 | 0 | 78 | 0 | 78 | 1 |
| 電気機械器具
製造業 | 6 | 0 | 0 | 0 | 54 | 0 | 48 | 0 | 54 | 1 |
| その他2) | 0 | 14 | 0 | 0 | <0.5 | 0 | 191 | 0 | 205 | 3 |
| 合計3) | 12 | 38 | 0 | 116 | 1,472 | 0 | 5,914 | 0 | 5,964 | 100 |
1) 大気、水域、土壌への配分に関して、大気へ排出は考慮せず、水域及び土壌への排出を届出データと同じ 配分を仮定し、推計した。 2)「その他」には、上記以外の届出対象業種の合計排出量を示した。 3) 四捨五入のため、表記上、合計があっていない場合がある。 0.5トン未満の排出量及び移動量はすべて「<0.5」と表記した。 |
| 大気 | 水域 | 土壌 | |
| 非対象業種1) | 0 | 2,913 | 10 |
| 家庭1) | 0 | 24,215 | 1 |
| 合計 | 0 | 27,128 | 11 |
1) 農薬の補助剤としての排出は土壌への排出と仮定した。 その他、下水道への移動量として63,842トンと推計されている。 |
調査した範囲では、2001年度PRTRデータで推計対象としている以外のLASの排出源の情報は得られていない。
LASは、洗浄剤、乳化剤等として使用されているという用途情報及び2001年度PRTRデータ等から判断して、主たる排出経路は、LASあるいはLASを含む製品を使用する段階からの排出と考えられる。
LASの下水道への移動量63,958トンについては、下水処理場で97%分解 (5.2.3参照) するものと考え、1,919トンが水域へ排出されるとし、LASの放出シナリオとして、1年間に全国で、大気へ12トン、水域へ34,999 トン、土壌へ11トン排出されると推定した。ただし、廃棄物としての移動量については、処理施設における処理後の環境への排出を考慮していない。
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