NITE統合版 政府によるGHS分類結果

English



一般情報
 
項目 情報
CAS登録番号 598-62-9
名称 炭酸マンガン(II)
物質ID m-nite-598-62-9_v1
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類ガイダンス等(外部リンク) ガイダンス一覧へ
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書へ
FAQ(よくある問い合わせ) よくある問い合わせへ
情報源のリスト(Excelファイル) 情報源のリストへ
用語のリスト(Excelファイル) 用語のリストへ
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortalへ

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 爆発物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 可燃性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 エアゾール 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - エアゾール製品でない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 酸化性ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 高圧ガス 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 引火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 可燃性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (GESTIS (Access on July 2016))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 自己反応性化学品 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 自然発火性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 自然発火性固体 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (GESTIS (Access on July 2016))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 自己発熱性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 不燃性である (GESTIS (Access on July 2016))。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 水反応可燃性化学品 区分に該当しない
-
-
- - 金属 (Mn) を含むが、水溶解度は0.065 g/L (GESTIS (Access on July 2016)) との測定データが得られており、水と急激な反応はしないと考えられる。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
13 酸化性液体 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲン元素を含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
15 有機過酸化物 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - 無機化合物である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
16 金属腐食性化学品 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分に該当しない(分類対象外)
-
-
- - GHSの定義における固体である。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、詳細が不明だが、マウスを用いた接触性アレルギー物質スクリーニング試験で、マンガン塩はリンパ節細胞増殖を引き起こさなかったとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008))。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質自体のデータはないが、無機マンガン化合物のデータが利用可能と考えられる。すなわち、塩化マンガン・四水和物を妊娠マウスに皮下投与 (妊娠6~15日) した試験では、母動物に体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量、又はそれ以下の用量で胎児に胚吸収増加、腎形成不全、波状肋骨などがみられた (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 12 (1999))。また、塩化マンガンを妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6~17日) に静脈内投与した試験でも、母動物毒性 (体重増加抑制、着床数減少) 発現量より低い用量から胎児に胎児死亡、骨格異常、波状肋骨、四肢彎曲がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 12 (1999))。さらに、硫酸マンガンを妊娠マウスに妊娠8日に単回腹腔内投与した試験で外脳症及び胚吸収の増加が認められ、より高用量投与では着床阻害を生じたとの報告もある (NITE初期リスク評価書 (2008))。一方、塩化マンガンを妊娠ラットに妊娠期間を通して飲水投与した試験では、母動物毒性発現量 (体重増加抑制、摂水量減少) を上回る用量でも児動物に体重の低値がみられただけであった (NITE初期リスク評価書 (2008))。以上の通り、本物質を含む無機マンガン化合物の毒性情報は限定的であるが、皮下、静脈内、腹腔内など注射経路で胎児に胎児死亡、骨格異常、外表奇形、着床阻害など胎児毒性がみられている。日本産業衛生学会は、疫学的証拠としては弱いもののマンガン中毒患者でインポテンスや性欲減退がみられたとの症例報告と実験動物で胎児毒性がみられたことを根拠に、マンガン及びマンガン化合物に対し生殖毒性第2群に分類した (産衛誌 56 (2014)、許容濃度の勧告 (2016))。以上、無機マンガン化合物の実験動物を用いた試験結果等より、本項は区分1Bが妥当とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露のデータはない。本物質と同様、不溶性マンガン化合物である二酸化マンガン (CAS番号 1313-13-9) では、ヒトで粉じんの単回吸入ばく露により肺の炎症反応が起こり、その症状は、咳、気管支炎、肺炎、肺機能の低下であると報告されている (CICAD 12 (1999))。したがって本物質も二酸化マンガンと同様に呼吸器に影響を与えると考えられる。以上より区分1 (呼吸器) とした。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質の水溶解度については、8 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)、水に不溶 (HSDB (Access on August 2016)) との情報がある。
ヒトに関して、マンガン酸化物、マンガン塩製造工場において、二酸化マンガン、四酸化三マンガン、マンガン塩 (硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩) の粉じんばく露による神経行動学的機能への影響の報告がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2012))。しかし、本物質との関連性は不明確である。
実験動物については、分類根拠となる十分な情報はない。
しかし、最も一般的な含マンガン無機物は二酸化マンガン、炭酸マンガン、珪酸マンガン、三酸化マンガンである。通常、過剰のマンガン化合物の14日間もしくはそれ以下 (短期間) 又は1年間に亘る (中期間) ばく露は呼吸器及び神経系に影響を及ぼし、他の臓器には影響を及ぼさないとされている (CICAD 63 (2004)、 CICAD 12 (1999)) との記載がある。また、ヒトでは本物質と同様、不溶性マンガンである二酸化マンガンでの職業ばく露により、マンガン中毒による神経毒性の報告があり、視覚の単純反応時間及び眼と手の協調運動の低下に加え、手の硬直がみられたとの報告がある (SIDS (2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2012))。ATSDR (2012) は疫学研究報告を詳細に調査し、前述のアルカリ乾電池工場での職業ばく露報告のように、低濃度のマンガン化合物の長期ばく露による神経学的な影響は神経運動能検査、認知機能検査における機能低下や、気分の変化など微妙な変化であるが、二酸化マンガンを主体としたマンガン化合物への高濃度の反復吸入ばく露により、初期には軽度であるが、次第に感情鈍磨、歩行障害、微細な振るえ、精神障害など明確な神経系障害へと進展していくことは確かであると結論している (ATSDR (2012))。また、二酸化マンガンを主体とするマンガン化合物では呼吸器障害 (咳、気管支炎、肺炎など) を生じることが多くの報告事例で明らかにされている (ATSDR (2012))。
以上より、区分1 (神経系、呼吸器) に分類した。
平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
10 誤えん有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点 分類実施年度 分類ガイダンス等
11 水生環境有害性 短期(急性) 分類できない
-
-
- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 分類できない
-
-
- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - データなし 平成28年度(2016年度) ガイダンスVer.1.1 (GHS 4版, JIS Z7252:2014)


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

GHS関連情報トップページに戻る