政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 96-33-3
名称 アクリル酸メチル
物質ID R04-C-063-JNIOSH
分類実施年度 令和4年度(2022年度)
分類実施者 労働安全衛生総合研究所
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)   2011年度(平成23年度)   2020年度(令和2年度)  
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関連情報
項目 情報
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 -
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- - -
2 可燃性ガス -
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- - -
3 エアゾール -
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- - -
4 酸化性ガス -
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-
- - -
5 高圧ガス -
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-
- - -
6 引火性液体 -
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-
- - -
7 可燃性固体 -
-
-
- - -
8 自己反応性化学品 -
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- - -
9 自然発火性液体 -
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- - -
10 自然発火性固体 -
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- - -
11 自己発熱性化学品 -
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- - -
12 水反応可燃性化学品 -
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- - -
13 酸化性液体 -
-
-
- - -
14 酸化性固体 -
-
-
- - -
15 有機過酸化物 -
-
-
- - -
16 金属腐食性化学品 -
-
-
- - -
17 鈍性化爆発物 -
-
-
- - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
【分類根拠】
(1)~(3)より、区分4とした。なお、データの信頼性を考慮し、分類結果を変更した。旧分類とEUで急性毒性(経口)のGHS区分に差異があったため、急性毒性(経口)を見直した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ラットのLD50:768 mg/kg(OECD TG 401 相当)(CLH Report (2021)、ECHA RAC Opinion(2021)、AICIS IMAP (2014)、SIAR (2003))
(2)ラットのLD50:300 mg/kg(CLH Report (2021)、ECHA RAC Opinion(2021)、ACGIH (2014)、AICIS IMAP (2014))
(3)ラットのLD50:750 mg/kg(厚労省 リスク評価書 (2016))

【参考データ等】
(4)ラットのLD50:277 mg/kg(詳細不明)(CLH Report (2021)、ECHA RAC Opinion(2021)、ACGIH (2014)、厚労省 リスク評価書 (2016)、MOE 初期評価 (2009)、AICIS IMAP (2014)、SIAR (2003))
(5)EU CLPでは区分4として分類されている。


1 急性毒性(経皮) -
-
-
- - -
1 急性毒性(吸入:ガス) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:蒸気) -
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-
- - -
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) -
-
-
- - -
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1とした。なお、新たに情報収集し、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ウサギ(n=6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404相当、半閉塞、1時間又は4時間適用、7日観察)において、紅斑及び浮腫がみられ、7日後の観察において壊死(深層に至る壊死及び表層壊死)と明確な紅斑がみられた(1時間適用群の紅斑・痂皮スコア:2/2/2/2/2/3、浮腫スコア:2/3/3/2/2.3/2.3、4時間適用群の紅斑・痂皮スコア:2/2.7/2.7/2/3/2.3、浮腫スコア:2.3/3/3/1.3/2/2.3)との報告がある(厚労省 リスク評価書 (2016)、AICIS IMAP (2014)、SIAR (2003) 、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

【参考データ等】
(2)本物質をコーン油に溶解した20%溶液を皮膚に塗布した実験では、30名中10名に刺激反応がみられた。との報告がある(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2016)、NITE 初期リスク評価書 (2008)、MOE 初期評価 (2009)、ACGIH (2014))。
(3)本物質原液を誤って左脚と長靴の中にかけた作業者は、8日後に左足首に発赤、痛み、水泡を生じた。最初の事故の17日後において、2度目のばく露があり、全身性接触皮膚炎と診断される症状を発症した。との報告がある(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2016)、NITE 初期リスク評価書 (2008)、MOE 初期評価 (2009))。
(4)ウサギ(n=2)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404相当、閉塞、4時間適用、8日観察)において、24時間後に紅斑(紅斑スコア:3)、48時間後に表層壊死が2/2例に認められた。浮腫は24時間後に最も顕著(紅斑スコア:4)であり、8日後に軽減(紅斑スコア:2または3)した(24/48時間の平均スコア:紅斑3.5、浮腫3.5)との報告がある(AICIS IMAP (2014))。
(5)本物質は動物試験から、中等度(moderate)の刺激性を示す(ACGIH (2014))。
(6)EUではSkin Irrit. 2に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2022))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
【分類根拠】
(1)より、区分1とした。なお、新たに情報収集し、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。

【根拠データ】
(1)皮膚腐食性/刺激性で区分1である。

【参考データ等】
(2)ウサギ(n=1)を用いた眼刺激性試験において、眼刺激性反応がみられ、眼刺激性指数(AOI)は66と算出されたとの報告がある(厚労省 リスク評価書 (2016)、AICIS IMAP (2014)、NITE 初期リスク評価書 (2008)、SIAR (2003)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
(3)工場労働者等13名を対象とした本物質の8週間ばく露における健康影響についての調査では、すべての参加者が弱から中程度の眼瞼炎と結膜炎を最初から最後まで示していたとの報告がある(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2016)、NITE 初期リスク評価書 (2008)、MOE 初期評価 (2009)、ACGIH (2014))。
(4)化学工場の労働者60名を対象とした疫学調査では、アクリル酸エステルなどの製造工場において本物質、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メチルメタクリル酸、アクリロニトリル、スチレン、ベンゼン及びトルエンにばく露されている労働者60名とばく露されていない労働者60名を8年間前向きに追跡した。ばく露群のでは眼と咽喉の刺激が40%にみられたが、対照群では20 %であった。との報告がある(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2016))。
(5)In vitro 眼刺激性試験(OECD TG 437、GLP)において、in vitro刺激性スコア(IVIS)は12.55であった。本物質は腐食性物質ではないと判断されたとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
(6)EUではEye Irrit. 2に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2022))。

4 呼吸器感作性 -
-
-
- - -
4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1Aとした。なお、新たに情報収集し、本項目を見直したが、分類結果に変更はない(2022年度)。

【根拠データ】
(1)本物質は日本産衛学会では皮膚感作性第2群に分類されている(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2021))。

【参考データ等】
(2)本物質をコーン油に溶解した20%溶液を皮膚に塗った実験では、22名中2名にアレルギー性の反応がみられたとの報告がある(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2004)、厚労省 リスク評価書 (2016)、NITE 初期リスク評価書 (2008)、MOE 初期評価 (2009)、ACGIH (2014))。
(3)マウス(n=4/群)を用いた局所リンパ節試験(LLNA)(OECD TG 429、GLP)において、刺激指数(SI値)は、0.8(1%)、0.8(2.5%)、1.3(5%)、1.6(10%)及び3.8(25%)であり、EC3値は19.6%と算出されたとの報告がある(AICIS IMAP (2014)、REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
(4)EUではSkin Sens. 1に分類されている(CLP分類結果 (Accessed Oct. 2022))。
(5)DFGではShに分類されている(List of MAK and BAT values (2021))。
5 生殖細胞変異原性 -
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- - -
6 発がん性 -
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7 生殖毒性 -
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- - -
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
【分類根拠】
(1)~(4)より、区分3(気道刺激性)とした。なお、(5)で呼吸器にみられた影響は死戦期特有の症状であると考え、分類結果を変更した。旧分類とEUで特定標的臓器毒性(単回ばく露)のGHS区分に差異があったため、本項目を見直した(2022年)。

【根拠データ】
(1)本物質は動物とヒトの粘膜に高度の刺激性を示すとの報告がある(SIAR (2003)、AICIS IMAP (2014)、ACGIH (2014))。
(2)75 ppmにばく露したヒトで、鼻、眼、肺の刺激がみられたとの報告がある(ACGIH (2014))。
(3)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(4時間、蒸気)において、眼と気道の強い刺激、及び呼吸困難(息切れ)がみられたとの報告がある(AICIS IMAP (2014)、SIAR (2003))。
(4)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(4時間、蒸気)において、3.82~7.70 mg/L(区分1の範囲)で眼、鼻、呼吸気道への刺激がみられたとの報告がある(NITE 初期リスク評価書 (2008)、厚労省 リスク評価書 (2016)、ACGIH (2014))。

【参考データ等】
(5)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(4時間、蒸気)において、10.8 mg/L(区2の範囲)で呼吸の減少、横隔膜呼吸、喘ぎ、呼吸音、赤くカサカサした目と鼻、唾液分泌、浅黒い皮膚、立毛、過興奮、振戦がみられ、最終的に死亡例(雄:5/5例、雌:2/5例)がみられたとの報告がある(DFG MAK(2019))。
(6)EU CLPでは、区分3(気道刺激性)として分類されている。



9 特定標的臓器毒性(反復暴露) -
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- - -
10 誤えん有害性 -
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環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) -
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11 水生環境有害性 長期(慢性) -
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- - -
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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