政府によるGHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 50-00-0
名称 ホルムアルデヒド
物質ID R04-C-056-JNIOSH, MOE
分類実施年度 令和4年度(2022年度)
分類実施者 労働安全衛生総合研究所/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 2006年度(平成18年度)   2017年度(平成29年度)  
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関連情報
項目 情報
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国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 -
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2 可燃性ガス -
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3 エアゾール -
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4 酸化性ガス -
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5 高圧ガス -
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6 引火性液体 -
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- - -
7 可燃性固体 -
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8 自己反応性化学品 -
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9 自然発火性液体 -
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10 自然発火性固体 -
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11 自己発熱性化学品 -
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12 水反応可燃性化学品 -
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- - -
13 酸化性液体 -
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- - -
14 酸化性固体 -
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- - -
15 有機過酸化物 -
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- - -
16 金属腐食性化学品 -
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- - -
17 鈍性化爆発物 -
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- - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) -
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- - -
1 急性毒性(経皮) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:ガス) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:蒸気) -
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- - -
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) -
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- - -
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
【分類根拠】
(1)より、区分1とした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ホルマリン(本物質37%水溶液)をラットに40分間経皮ばく露した試験で、皮膚損傷が認められた。微小血管漏出は本物質の2.5%以上の濃度で生じた(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。

【参考データ等】
(2)本物質の3~37%水溶液をラット(n=6/群)に1 mL/kg(約0.4 mL/例)を適用した結果、37%水溶液投与群では皮膚潰瘍、15~18%水溶液でも潰瘍がみられた。7~9%水溶液でも同様に潰瘍がみられたが、独立した2回目の試験では発赤と浮腫がみられただけであった。3%水溶液は無影響であったとの報告がある(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
(3)ホルマリン(本物質40%水溶液)について、ウサギ(n= 2)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404相当、20時間閉塞、8日間観察)では、ばく露終了24時間後に2匹とも紅斑及び浮腫以外に表層壊死が明瞭に認められ、その後全層に及ぶ壊死(full thickness necrosis)に進展した(REACH登録情報 (Accessed Oct. 2022))。
(4)REACH登録事業者によれば、刺激性影響は3%以上の濃度で生じるとされた。この結論はラットの皮膚の微小血管漏出に関する新たな試験で確認されたが、皮膚傷害がホルムアルデヒドの2.5%以上の濃度で示された(EU REACH CoRAP (2018))。
(5)EU ではSkin Corr. 1Bに分類されている(CLP分類 (Accessed Oct. 2022))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 -
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4 呼吸器感作性 -
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4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
【分類根拠】
(1)~(5)より、区分1Aとした。なお、新たな知見に基づき、分類結果を変更した(2022年度)。

【根拠データ】
(1)ホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)について、マウスを用いた局所リンパ節試験(LLNA)において、EC3(本物質換算値)は0.33%(溶媒:DMF)、0.54%(溶媒:アセトン)であったとの報告がある(EU CLP CLH (2021))。
(2)ホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)について、(1)とは別のマウスを用いた局所リンパ節試験(LLNA)において、EC3(本物質換算値)は0.35%であったとの報告がある(EU CLP CLH (2021))。
(3)ホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)について、モルモット(n= 10)を用いたMaximisation試験(皮内投与:0.25%(本物質換算))では、陽性率は100%(10/10例)であったとの報告がある(EU CLP CLH (2021))。
(4)ホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)について、モルモット(n= 10)を用いたBuehler試験(局所感作:5%(本物質換算))では、陽性率は70%(7/10例)であったとの報告がある(EU CLP CLH (2021))。
(5)日本産業衛生学会では感作性物質皮膚第1群に分類されている(産衛学会 許容濃度の勧告等 (2021))

【参考データ等】
(6)EUではSkin Sens. 1に分類されている(CLP分類 (Accessed Oct. 2022))。
5 生殖細胞変異原性 -
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6 発がん性 -
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7 生殖毒性 -
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8 特定標的臓器毒性(単回暴露) -
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- - -
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) -
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10 誤えん有害性 -
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環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
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H401 P273
P501
藻類(セネデスムス属)72時間ErC50 = 4.89 a.i. mg/L(REACH登録情報, 2022、Ecotoxicol Environ Safety 54: 346-354)であることから、区分2とした。(a.i.: active ingredient)
11 水生環境有害性 長期(慢性) 区分3
-
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H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:87~96%(METI既存点検結果, 1988))、甲殻類(ニセネコゼミジンコ)の7日間NOEC = 1.0 mg/L(AICIS IMAP, 2006)から、区分3となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階(藻類、魚類)に対して急性毒性データを用いた場合、藻類(セネデスムス属)72時間EC50 = 4.89 a.i. mg/L(REACH登録情報, 2022、Ecotoxicol Environ Safety 54: 346-354)であるが、難水溶性ではなく(水溶解度 = 400000 mg/L(PHYSPROP Database (SRC, 2005)) )、急速分解性があり、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.35(PHYSPROP Database (SRC, 2005)))ことから、区分に該当しないとなる。
以上の結果より、区分3とした。(a.i.: active ingredient)
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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