項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 68515-48-0,28553-12-0 |
名称 | フタル酸ジイソノニル (DINP)(別名:フタル酸ジノニル) |
物質ID | R04-C-015-JNIOSH, MOE |
分類実施年度 | 令和4年度(2022年度) |
分類実施者 | 労働安全衛生総合研究所/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver.2.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | - |
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2 | 可燃性ガス | - |
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3 | エアゾール | - |
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4 | 酸化性ガス | - |
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5 | 高圧ガス | - |
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6 | 引火性液体 | - |
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7 | 可燃性固体 | - |
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8 | 自己反応性化学品 | - |
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9 | 自然発火性液体 | - |
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10 | 自然発火性固体 | - |
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11 | 自己発熱性化学品 | - |
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12 | 水反応可燃性化学品 | - |
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- | - | - |
13 | 酸化性液体 | - |
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- | - | - |
14 | 酸化性固体 | - |
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- | - | - |
15 | 有機過酸化物 | - |
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- | - | - |
16 | 金属腐食性化学品 | - |
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17 | 鈍性化爆発物 | - |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | - |
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1 | 急性毒性(経皮) | - |
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1 | 急性毒性(吸入:ガス) | - |
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1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | - |
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1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | - |
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2 | 皮膚腐食性/刺激性 | - |
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3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | - |
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4 | 呼吸器感作性 | - |
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4 | 皮膚感作性 | - |
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5 | 生殖細胞変異原性 | - |
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- | - | - |
6 | 発がん性 | - |
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7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質は、o-フタル酸のC9 を中心としたC8~C10 分岐鎖ジアルキルエステルの混合物であり、3種類のDINP(DINP-1(CAS登録番号:68515-48-0)、DINP-2及びDINP-3(CAS登録番号:28553-12-0))が存在するが、(1)より、3種を区別せずに分類に利用した。(2)~(9)より、受胎能への有害影響はみられなかったが、発生影響として主に骨格・内臓変異、雄児の精子及び生殖器の発達障害や、親動物の一般毒性用量で体重低値、出生率及び生存率の低下がみられたことから区分2とした。なお、旧分類の分類時点ではEUでは区分1Bが提案されていたが、その後RACは区分に該当しない判断を公表したことから、生殖毒性を検討して見直したが分類結果に変更はない(2022年度)。 【根拠データ】 (1)DINP-1(CAS登録番号:68515-48-0)、DINP-2(CAS登録番号:28553-12-0)及びDINP-3(CAS登録番号:28553-12-0)について、比較可能な試験結果などから、動物体内において毒性学的影響に大きな差異がなく、3 種を区別せずに評価することが適当と判断した。(食安委 器具・容器包装評価書 (2015)) (2)DINP(CAS登録番号:68515-48-0)について、ラットを用いた混餌投与による一世代生殖毒性試験において、F0雌雄親動物に体重低下及び精巣重量増加/卵巣重量減少がみられる高用量では、F1の出生率減少、授乳期(生後4、14日)及び離乳時(生後21日)の生存率低下がみられたとの報告がある(食安委 器具・容器包装評価書 (2015)、EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (3)DINP(CAS登録番号:68515-48-0)について、ラットを用いた混餌投与による二世代生殖毒性試験において、F0及びF1雌雄親動物に肝臓組織変化(肝細胞肥大、細胞質好酸性化)がみられる低用量以上でF0及びF1雌親動物に一腹当たりの産児数の増加、及びF1児動物の体重低値、F0雌雄親動物に腎臓重量増加(雄)又は肝臓重量増加(雌)が中用量以上でF2雌雄児動物に体重低値がみられた。なお、高用量群のF0雌及びF1雌雄親動物に体重低下がみられたとの報告がある(食安委 器具・容器包装評価書 (2015)、EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (4)DINP-1(CAS登録番号:68515-48-0)について、ラットの妊娠6~15日に強制経口投与した発生毒性試験では、母動物毒性(摂餌量減少、膣出血、腎臓相対重量増加等)がみられる高用量で、一腹当たりの変異を有する胎児の割合の増加、骨格変異(痕跡過剰頚肋、第14過剰腰肋)、腎盂拡張がみられたとの報告がある(食安委 器具・容器包装評価書 (2015)、EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (5)DINP(CAS登録番号:68515-48-0)について、ラットを用いた強制経口投与による複数の発生毒性試験(妊娠6~15日)において、母動物毒性が見られないか、またはわずかな体重低値(有意差なし)がみられる用量で、胎児に内臓異常(腎盂拡張、水尿管)と骨格変異(痕跡頸骨、第14過剰肋骨)、出生児の雄に乳輪遺残と雄生殖器官の奇形発生に頻度増加、精巣の精子産生の低下、テストステロン合成抑制、テストステロン産生の減少等がみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (6)DINP(CAS登録番号:68515-48-0)について、ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠12日~生後14日)において、母動物に体重増加抑制がみられた高用量で雄児に低体重(生後2日)、肛門生殖器突起間距離(AGD)及び補正AGD値の低値(生後14日)、ライデッヒ細胞の集合体及び多核精原細胞出現の頻度増加(生後2日)、LABC(肛門挙筋/球海綿体筋)絶対重量の減少(生後56日)がみられた。多核精原細胞(生後2日)を有する児動物数の増加と雄児動物の体重低値(生後14日)は中用量からみられたとの報告がある(EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (7)DINP-2(CAS登録番号:28553-12-0)について、ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験(妊娠6~15日)において、母動物には1例に膣出血がみられた以外に明瞭な毒性がない高用量(1,000 mg/kg/day)で胎児に骨格変異(痕跡過剰頚肋、痕跡過剰腰肋)及び内臓変異(腎盂拡張)がみられた(食安委 器具・容器包装評価書 (2015)、EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (8)DINP-3(CAS登録番号:28553-12-0)について、ラットの発生毒性試験では、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少、肝臓相対重量増加)がみられる高用量で一腹当たりの奇形(主に泌尿器及び長骨の奇形)・変異を有する胎児の割合増加、水尿管・腎盂拡張の増加、胸骨分節の骨化遅延がみられた(食安委 器具・容器包装評価書 (2015))。本試験結果について、EU、オーストラリアではDINP-3は製造中止になったため、評価対象から除外する旨記載され、DINP-2の試験結果のみ記載されている(EU CLP CLH (2018)、NICNAS PEC (2012))。 (9)DINP(CAS登録番号:28553-12-0)について、ラットを用いた混餌投与による発生毒性試験(妊娠15日~出生10日)において、母動物毒性(体重増加抑制、摂餌量減少)がみられる高用量で、児動物に体重増加抑制、膣開口及び包皮分離日の体重低下、生後27日(離乳後)又は生後11週目(成獣)の剖検では精巣・精巣上体(重量減少(生後27日)、精巣管のステージXIVの減数分裂している細胞の精母細胞の変性・セルトリ細胞の空胞変性・精巣上体の散在性管腔内細胞残渣(生後11週))、卵巣・子宮(卵巣・子宮重量減少(生後27日)、黄体数の減少(生後11週))への影響がみられた(食安委 器具・容器包装評価書 (2015)、NICNAS PEC (2012))。本試験結果について、EUでは雄の性成熟期から成熟後の影響については記載されているが、雌の影響についての記載はない(EU CLP CLH (2018))。 【参考データ等】 (10)ヒト成人を対象とした複数の横断研究からは、本物質(DINP:非特定)ばく露と受胎能に関する指標値(精子パラメータ、ホルモンレベル、妊娠までの時間等)との間に相関はみられなかった。健常な少年555人を対象として人体計測、思春期と女性化乳房の有無を評価した横断研究では、尿中フタル酸代謝物レベルと思春期の時期、血清テストステロンレベル、女性化乳房の有無に相関はみられなかった(EU CLP CLH (2018))。 (11)入手可能なデータからはDINPは発生毒性を生じ、生殖器官と精子数と精子運動能に悪影響を及ぼし、繁殖影響をきたす可能性が示唆される。発育中の動物に対しては、肛門生殖突起間距離(AGD)への影響並びに雄児における乳頭遺残の増加等、発生影響がいくつか報告されている。これらの影響は特異的で他の毒性影響による二次的な非特異的な結果ではないと考えられ、作用機序としては抗アンドロゲン作用が示唆される。入手可能なデータからは発生影響については明らかな証拠があり、CLP分類としてRepr. 1Bが妥当であると提案された(CLH Report (2016))。 (12)(11)の提案に対し、RACはDINPではラットに尿道下裂や停留精巣のような明らかな奇形を生じない。また、持続性のAGDの減少も持続性の乳頭遺残も生じない(成獣になる過程で影響が消失する)。胎児の精巣における可逆的な組織変化やテストステロン産生への影響だけでは分類を正当化できるとは考えられない。すなわち、DINPは発生毒性として分類する必要はないと結論した。全体的にいって、DINPは性機能、受胎能、発生毒性のいずれも分類区分なし(no classification:区分に該当しない)が保証されると結論した(ECHA RAC Opinion(2018))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | - |
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9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | - |
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10 | 誤えん有害性 | - |
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危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分に該当しない |
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- | - | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 ≧ 0.086 mg/L、魚類(ファットヘッドミノー)96時間LC50 ≧ 0.14 mg/L(いずれもEU-RAR, 2003)であることから、区分に該当しないとした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分に該当しない |
- |
- | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性であるが、急速分解性がある(BODによる分解度:74%(METI既存点検結果, 2001))ことから、区分に該当しないとした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
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- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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