項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 10108-64-2 |
名称 | 塩化カドミウム |
物質ID | R04-C-013-JNIOSH, MOE |
分類実施年度 | 令和4年度(2022年度) |
分類実施者 | 労働安全衛生総合研究所/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 2006年度(平成18年度) 2009年度(平成21年度) 2018年度(平成30年度) |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(令和3年度改訂版(Ver.2.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | - |
- |
- | - | - |
2 | 可燃性ガス | - |
- |
- | - | - |
3 | エアゾール | - |
- |
- | - | - |
4 | 酸化性ガス | - |
- |
- | - | - |
5 | 高圧ガス | - |
- |
- | - | - |
6 | 引火性液体 | - |
- |
- | - | - |
7 | 可燃性固体 | - |
- |
- | - | - |
8 | 自己反応性化学品 | - |
- |
- | - | - |
9 | 自然発火性液体 | - |
- |
- | - | - |
10 | 自然発火性固体 | - |
- |
- | - | - |
11 | 自己発熱性化学品 | - |
- |
- | - | - |
12 | 水反応可燃性化学品 | - |
- |
- | - | - |
13 | 酸化性液体 | - |
- |
- | - | - |
14 | 酸化性固体 | - |
- |
- | - | - |
15 | 有機過酸化物 | - |
- |
- | - | - |
16 | 金属腐食性化学品 | - |
- |
- | - | - |
17 | 鈍性化爆発物 | - |
- |
- | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(経皮) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | - |
- |
- | - | - |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | - |
- |
- | - | - |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | - |
- |
- | - | - |
4 | 呼吸器感作性 | - |
- |
- | - | - |
4 | 皮膚感作性 | - |
- |
- | - | - |
5 | 生殖細胞変異原性 | - |
- |
- | - | - |
6 | 発がん性 | - |
- |
- | - | - |
7 | 生殖毒性 | 区分1A |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 (1)、(2)より、ヒトにおいて複数の疫学報告があり、(3)~(5)の動物実験の結果からも明らかな生殖毒性が見られている。さらに(6)において日本産業衛生学会が第1群に分類している。以上から区分1Aとした。新たな情報源を利用し、生殖毒性毒性項目のみ見直した(2022年)。 【根拠データ】 (1)神通川領域の57名の妊婦において、尿中Cd濃度が高い妊婦では妊娠期間が有意に短縮し、低体重児の出産率が有意に高くなったとの報告がある(産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013))。 (2)バングラデシュの1,616名の妊婦の尿中Cd濃度と女児の出生体重とは有意に負の相関を示したとの報告がある(産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013))。 (3)ラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物に体重増加抑制がみられた40 mg Cd/kg/day(65 mg/kg/day)で、胎児に骨化不全、人魚体奇形(下肢癒合)、無肢症(1つ以上の四肢欠損)がみられたとの報告がある(EU RAR (2007)、ATSDR (2012))。 (4)別のラットを用いた強制経口投与による発生毒性試験において、母動物毒性(死亡(1/28例(3.6%))、体重増加抑制、剛毛)がみられる30 mg/kg(18.4 mg Cd/kg)で、胎児に奇形(顔面骨・後肢骨の低形成、全身浮腫、口唇口蓋裂、停留精巣、脱内臓)の増加(発生率:5.6%)がみられたとの報告がある(EU RAR (2007)、ATSDR (2012))。 (5)ラットに3世代連続して本物質(蒸留水で希釈)を3.5~14.0 mg Cd/kg/dayの用量で妊娠、哺育期間及びF1離乳後の8週間にわたり強制経口投与された試験において、各世代の雄ラットが12週齢で行動(オープンフィールド行動)及び電気生理学的検査された。行動検査で垂直探査(立ち上がり)行動の増加とオープンフィールド中心部での探索の増加、電気生理学的検査で神経機能の示唆的変化(脳皮質表面波の周波数増加、誘発電位の潜時及び持続時間の延長)が用量及び世代依存的に示された。さらに、雌ラットに本物質を同一用量で3つの異なる投与スケジュール(①妊娠5~15日、②妊娠5~15日+哺育4週間、③妊娠5~15日+哺育4週間投与後、さらに離乳後のF1雄ラットに8週間投与)で投与し、同様の行動及び電気生理学的検査がF1雄の12週齢時に実施された。その結果、自発性及び誘発性電気生理学的機能の変化が用量及び期間依存的に検出され、また②の投与スケジュールのみで探査(水平及び垂直)行動の用量依存的減少とオープンフィールド中心での探索頻度の低下がみられた(EU RAR (2007)、ATSDR (2012))。 (6)カドミウムおよびカドミウム化合物は、生殖毒性 第1群(ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている物質)に分類されている(産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2013))。 【参考データ等】 (7)雄ラットを用いた9週間経口投与後に未処置雌と交配させた優性致死試験(10 mg/kg/day)において、雄の授精能への有害影響はみられなかったが、投与群の雌雄同士を交配させた場合には、母動物毒性(体重増加抑制等)のみられる10 mg/kg/dayで生殖能力(交尾回数、妊娠数、着床数及び生存胎児数)への有害影響がみられたとの報告がある(EU RAR (2007)、ATSDR (2012)、REACH登録情報 (Accessed 2022))。 (8)EUでは、Repr. 1Bに分類されている(EU CLP分類結果 (Accessed 2022))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | - |
- |
- | - | - |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | - |
- |
- | - | - |
10 | 誤えん有害性 | - |
- |
- | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性 短期(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(アミ類)96時間LC50 = 0.00138 mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性 長期(慢性) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
急速分解性に関する十分なデータが得られておらず、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.00008 mg/L(詳細リスク評価書, 2008)から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
|