項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 10588-01-9 |
名称 | 重クロム酸ナトリウム |
物質ID | H30-C-032-MHLW |
分類実施年度 | 平成30年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成22年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | - |
- |
- | - | - |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | - |
- |
- | - | - |
3 | エアゾール | - |
- |
- | - | - |
4 | 支燃性/酸化性ガス | - |
- |
- | - | - |
5 | 高圧ガス | - |
- |
- | - | - |
6 | 引火性液体 | - |
- |
- | - | - |
7 | 可燃性固体 | - |
- |
- | - | - |
8 | 自己反応性化学品 | - |
- |
- | - | - |
9 | 自然発火性液体 | - |
- |
- | - | - |
10 | 自然発火性固体 | - |
- |
- | - | - |
11 | 自己発熱性化学品 | - |
- |
- | - | - |
12 | 水反応可燃性化学品 | - |
- |
- | - | - |
13 | 酸化性液体 | - |
- |
- | - | - |
14 | 酸化性固体 | - |
- |
- | - | - |
15 | 有機過酸化物 | - |
- |
- | - | - |
16 | 金属腐食性物質 | - |
- |
- | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(経皮) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | - |
- |
- | - | - |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | - |
- |
- | - | - |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | - |
- |
- | - | - |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | - |
- |
- | - | - |
4 | 呼吸器感作性 | - |
- |
- | - | - |
4 | 皮膚感作性 | - |
- |
- | - | - |
5 | 生殖細胞変異原性 | - |
- |
- | - | - |
6 | 発がん性 | - |
- |
- | - | - |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
【分類根拠】 本物質(別名:二クロム酸ナトリウム)の生殖影響に関する情報は、ヒトはなく、実験動物も限られる。ただし、本物質は水溶性の無機六価クロム化合物であり、生体内では六価クロムとして機能すると考えられるため、重(二)クロム酸カリウム(CAS:7778-50-9)の動物試験データが利用可能と判断した。 実験動物では、水溶性六価クロム化合物 (重クロム酸カリウム) の交配試験成績として、(1)より雌に経口投与した後に無処置の雄と交配した結果、又は妊娠期に経口投与した結果、ラット、マウスともに着床前又は着床後の胚/胎児死亡・吸収が顕著に認められたが、生存胎児には低体重に加え、皮下出血、尾の奇形が認められた。また、(2)より雄の性機能(交尾・射精)への有害影響、(3)より雌の卵巣に機能的・器質的に有害影響を生じることで様々な生殖毒性影響の可能性が示された。また、(4)のように本物質を雄ラットに対して、あるいは重クロム酸カリウムを雄のマウス又はサルに対して反復経口(混餌・飲水)投与した場合に、雄性生殖器及び精子形成の障害が認められた。 以上、主にカリウム塩の経口投与試験に伴う生殖能への影響、発生影響が本物質にも当てはまると考えられるが、一方で、ヒトへの影響として、六価クロムの職業ばく露による知見は(5)に限られることから区分1Bとした。なお、本物質自体のデータに加え、カリウム塩等の情報も利用し、分類結果を変更した。 【根拠データ】 (1)雌ラット、又は雌マウスに重クロム酸カリウムを20日間飲水投与した後に無処置の雄と交配させた結果、着床前後の胚/胎児死亡による吸収が顕著であったが、生存胎児には低体重、骨格形成遅延に加えて、皮下出血斑、尾曲り、短尾等の外表異常が認められた。また、妊娠マウスに重クロム酸カリウムを飲水投与した試験でも、母動物毒性用量で胎児に皮下出血、尾の異常がみられている(CICAD(2013)、ATSDR(2012)、EU-RAR(2005))。 (2)雄ラットに重クロム酸カリウムを12週間飲水投与後に無処置の雌と交配させた結果、交尾行動の変化として、マウント回数の減少、射精した雄の割合の減少、射精に至るまでの時間の延長、射精の頻度の減少が認められた(CICAD(2013))。 (3)雌ラットに重クロム酸カリウムを20日間又は90日間飲水投与した後に無処置の雄と交配させた結果、交尾率、受胎率の低下、着床前又は着床後の胚損失の増加、さらに高用量では黄体数の減少や性周期の延長や乱れが認められた。また、雌マウスに二クロム酸カリウムを20日間飲水投与した結果、成熟ステージの異なる卵胞数の減少、1匹当たりの卵子数の減少、卵巣に組織変化(血管の増殖・拡張、卵胞細胞の核濃縮、閉鎖卵胞)が認められた(CICAD(2013)、ATSDR(2012))。 (4)雄ラットに本物質を90日間経口投与した結果、精巣毒性(組織学的・生化学的変化)、精子形成能の低下が、また雄マウスに重クロム酸カリウムを7週間混餌投与した結果、精細管の変性、精子数の減少、精子の形態異常がみられた(CICAD(2013))。さらに、雄サルに重クロム酸カリウムを最長6ヵ月間飲水投与した試験で、2ヵ月後に精子数及び精子の運動能の減少がみられ、6ヵ月後には精子形成障害、精巣・精巣上体に組織変化(管腔の閉塞、生殖細胞の著減、ライディッヒ細胞の過形成、セルトリ細胞の線維化)が認められた(ATSDR(2012))。 【参考データ等】 (5)六価クロムへの職業ばく露による精子の質に関する疫学調査では、形態的に異常な精子の割合の増加、精子数の減少及び精子の運動性低下がみられたとの報告がある(CICAD (2013)、ATSDR(2012))。また、重クロム酸製造施設の女性作業者の間で、中毒症や妊娠及び出産中の合併症の頻度が増加したと報告されたが、合併症及び中毒症の本質は明らかにされなかった(CICAD(2013))。 (6)雄ラットに本物質を90日間、又は6ヵ月間吸入ばく露させた試験では、精巣に異常は認められなかった。また、ラットを用いた本物質吸入ばく露による3世代試験では、生殖発生影響を検出できなかった。いずれの試験も1濃度(0.1又は0.2 mg Cr/m3)のみの試験であった(CICAD(2013))。 (7)本物質の二水和物 (CAS:7789-12-0)について、ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性試験(OECD TG 422)では、雌親動物に摂餌量減少、血液・胃・腎臓への影響など一般毒性影響のみられる用量で妊娠期間の延長がみられたが、受胎能に影響はなく、分娩や児動物への影響もみられなかった (厚労省既存化学物質毒性データベース(Accessed Jan. 2019))。 (8)EU CLPではRepr. 1Bに分類されている。日本産業衛生学会はクロム及びクロム化合物を生殖毒性第3群に分類している(産衛学会生殖毒性分類の提案理由書(2014))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | - |
- |
- | - | - |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | - |
- |
- | - | - |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | - |
- |
- | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | - |
- |
- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
- |
- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
- |
- | - | - |
|