GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 16961-83-4
名称 ケイフッ化水素酸
物質ID H29-B-096
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- -    不燃性 (ICSC (J) (2004)) である。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- -    不燃性 (ICSC (J) (2004)) である。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- -    不燃性 (ICSC (J) (2004)) である。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- -    半金属 (Si) を含むが、水に混和 (ICSC (J) (2004)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- -    酸素を含まずハロゲン元素 (F) を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
   
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    多くの金属を侵す (ICSC (J) (2004)) との情報があるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
   ラットのLD50値として、430 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分4とした。
   
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
   本物質はヒトの皮膚に対して腐食性を示すとの記載 (HSDB (Access on August 2017)) や、タンク車からの本物質の漏出事故で近隣住民の50人以上が皮膚や気道の刺激等を訴え、トラックの窓外に腕を出していた運転手は前腕に熱傷を負った事例 (HSDB (Access on August 2017)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Corr. 1B に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。
   
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
   皮膚腐食性/刺激性が区分1に分類されていることから、区分1とした。
   
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
   なお、食品安全委員会はフッ素の遺伝毒性について、哺乳類培養細胞を用いたin vitro試験では弱い陽性結果が得られているが、in vivoのDNA損傷試験では総合的に判断して陰性であり、生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないと考えられるとしている (食品安全委員会清涼飲料水評価書 (2012))。
   
   
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    ACGIHはフッ化物に対してA4に分類している (ACGIH (7th, 2001))。よって、分類できないとした。
   
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)


警告
H335 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
   ヒトではアメリカでのタンク車の事故により本物質が漏洩し、50人以上の近隣住民が皮膚と気道の刺激、喉の焼灼感及び頭痛を訴えて病院を受診したとの報告がある (HSDB (Access on August 2017))。また、ACGIH の「フッ化物」において、本物質を含むフッ化物は気道刺激性を示すとの記述がある (ACGIH (7th, 2001))。以上より、区分3 (気道刺激性) とした。
   なお、旧分類が区分2 (呼吸器系、消化器系、中枢神経系) との分類根拠の情報源として使用したICSCとSITTIGは現行ガイダンスではList 3の情報源となるため、またIUCLID (2000) は入手できず確認不能であるため、使用しなかった。また、本物質が肺、鼻、喉に重度の刺激性を示し、喉や胃に重度の障害をもたらすとのHSDB (2004) の記載は、HSDB (Access on August 2017) を確認したところ、出典がMSDSであったため不採用とした。したがって旧分類から分類結果を変更した。
   
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(歯、骨)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
   本物質は虫歯予防の目的で上水に添加される (ATSDR (2003))。ヒトについては、本物質に関する情報はないが、無機のフッ化物の職業ばく露によるフッ素沈着症に関連する骨の病変の報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、フッ化物は有益あるいは有害な歯科的及び骨格的影響の両方がヒトにおいて観察されている。 フッ化物は齲蝕の有病率を低下させることが示されており、特定の条件下では、骨粗鬆症の治療に使用されている。 しかしながら、過剰のフッ化物はまた、歯科的フッ素症をもたらし、高齢者又は骨格フッ素症における骨折の有病率の増加をもたらし得るとの記載がある (ATSDR (2003))。
   実験動物に関する情報はない。
   したがって、区分1 (歯、骨) とした。
   なお、新たな情報源を用いたことから旧分類と分類結果が異なった。
   
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
   甲殻類(アミ)の96時間LC50 = 13 mg/L[10.5 mgF/L 換算値](WHO EHC :2002)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
   慢性毒性データが得られていない。無機化合物であり水中での挙動は不明であるが、易溶であり、急性毒性区分3であることから、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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