GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 2489-77-2
名称 トリメチルチオ尿素
物質ID H29-B-080
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成22年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
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- -    融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。旧分類が使用したラットのLD50値として316 mg/kg (RTECS (2008)) との報告はList 3の情報源由来であり、原典が入手不可で詳細不明であるため不採用とした。したがって分類結果を変更した。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。なお、旧分類の根拠「エチルブチルチオ尿素に感作された患者は本物質にも反応し、感作性物質として(Contact Dermatitis (Frosch) (4th, 2006)) に掲載されている」は、第5版 (Contact Dermatitis (Frosch) (5th, 2011)) では確認できず採用しなかった。したがって分類結果を変更した。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陰性である (NTP DB (Access on July 2017))。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
   本物質80%、ジメチルチオ尿素15%の混合物をラット又はマウスに77週間混餌投与後ラットで29週間、マウスで14週間の観察期間を設けた発がん性試験において、雄ラット及び雌雄マウスでは発がん性の十分な証拠は示されなかった。しかし、雌ラットでは甲状腺濾胞細胞がんの頻度、及び甲状腺濾胞細胞がんと濾胞細胞腺腫の合計頻度に用量相関性がみられ、高用量 (500 ppm) 群で甲状腺濾胞細胞がんの頻度 (14/47 (30%)) に有意な増加が認められ、被験物質 (本物質80%、ジメチルチオ尿素15%の混合物) は雌ラットに対し発がん性を示すと結論された (NTP TR129 (1979)、HSDB (Access on June 2017))。この他に分類に利用可能なデータはない。
   以上、本物質80%を含む混合物で発がん性が示されたのはラットの雌のみであったが、甲状腺に悪性腫瘍の増加が高頻度に認められたことから、本項は区分2とした。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- -    本物質単独での情報はない。
   なお、本物質80%、ジメチルチオ尿素15%の混合物について、ラットあるいはマウスを用いた77週間混餌投与毒性試験が実施されている。ラットでは高用量群の500 ppm (ガイダンス値換算: 25 mg/kg/day) の雌で体重増加抑制、マウスでは高用量群の1,000 ppm (ガイダンス値換算: 150 mg/kg/day) の雌雄で体重増加抑制がみられた以外には、一般症状、死亡率、非腫瘍性病変の発生率などで対照群と比べ有意な差を示さなかった (NTP TR129 (1979))。したがって、マウスではガイダンス値範囲の上限を超えた用量150 mg/kg/dayで悪影響が認められず、経口経路では区分外相当となるが、他経路のデータがないため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
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-
- -    甲殻類(オオミジンコ)48時間LC50 = 770 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Maas,J.L.(1990))であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
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- -    慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BioWin)、急性毒性区分外であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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