GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 26447-14-3
名称 1,2-エポキシ-3-(トリルオキシ)プロパン
物質ID H29-B-077
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成20年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- -    引火点が125℃ (closed cup) (GESTIS (Access on July 2017)) である。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- -    自己反応性に関連する原子団 (エポキシド類) を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- -    発火点は435℃ (GESTIS (Access on July 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- -    ラットのLD50値として、5,140 mg/kg (HSDB (Access on June 2017)) 及び5,800 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- -    ラットのLD50値として、> 2,150 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2017)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- -    ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、1,220 ppm (8.19 mg/L) (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2017)) との報告に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (56.8 ppm) より高いため、ミストとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
   ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、ドレイズスコアが5.2/8で中等度の皮膚刺激性を示すとの記述 (PATTY (6th, 2012))、及びヒトにおいて中等度から重度の皮膚刺激性を示すとの記述 (HSDB (Access on June 2017)) から、区分2とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2, H315 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access onJune 2017))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
   ウサギを用いた眼刺激性試験において、軽度の刺激性を示し迅速に回復するとの記述 (PATTY (6th, 2012)) から、区分2Bとした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。 
   
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
   ヒトにおいて、職業性接触皮膚炎を有する実験技術者のパッチテストで4名中2名が陽性を示したとの記述や、エポキシ樹脂や溶剤に定常的にばく露され皮膚掻痒感や咽頭狭窄等の病歴のある労働者のパッチテストで、適用30分後の観察で本物質に対する蕁麻疹反応がみられ、再試験においても咽頭のヒリヒリ感、嗄声を伴う蕁麻疹反応がみられたとの記述がある (いずれもHSDB (Access on June 2017))。モルモットにおいては、強い皮膚感作性物質 (potent skin sensitizer) との記述がある (PATTY (6th, 2012))。以上より、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1, H317に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    本物質は異性体 (オルト (CAS番号 2210-79-9)、メタ (CAS番号 2186-25-6)、パラ (CAS番号 2186-24-5)) の混合物 (混合比は不明) である。In vivoでは、オルト異性体を用いた経皮適用によるトランスジェニックマウス (MutaTM mice) の遺伝子突然変異試験で骨髄、肝臓、皮膚の細胞において陰性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性である (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2017))。In vitroでは、本物質、オルト異性体、パラ異性体を用いた細菌の復帰突然変異試験でいずれも陽性である (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on June 2017))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、吸入ばく露後に一般毒性影響濃度 (2.55 mg/m3) よりも低い濃度で生殖器官及び胎児への毒性がみられたとの詳細不明の記述がある (HSDB (Access on June 2017))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。実験動物では、ラットの単回経口投与試験で、用量の詳細な記載はないが、呼吸困難と流涙に加えて剖検で肝臓のうっ血が認められたとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。この試験のLD50値は区分2超の5,800 mg/kgと報告されていることから、影響はLD50値付近の区分2又は区分2超の用量でみられたと考えられるが、この情報だけでは標的臓器を特定できない。また、ラット、マウス、モルモットで、本物質の急性毒性症状として、中枢神経系阻害、呼吸数増加、筋無力症状を示して8日以内に死亡し、剖検では肝傷害と腎尿細管上皮の壊死が認められたとの報告 (HSDB (Access on June 2017)) があるが、ばく露経路や用量の記載がなく、分類根拠としては不十分である。したがって分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトに関する情報はない。
   実験動物については、ラットを用いた3週間吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値の範囲内である53 mg/m3 (0.0088 mg/L) 以上で鼻腔の炎症及び潰瘍、摂餌量減少、体重増加抑制、呼吸困難、眼球突出がみられている (PATTY (6th, 2012))。
   したがって、区分1 (呼吸器) とした。
   新たな情報源を用いたため旧分類と分類結果が異なった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
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- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- -    信頼性のある急性毒性データが得られていない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-
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- -    データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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