項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 78-83-1 |
名称 | イソブチルアルコール |
物質ID | H29-B-071 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHS定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHS定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHS定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点28℃ (closed cup)、沸点108℃ (ICSC (J) (2005)) に基づいて区分3とした。なお、UNRTDG分類はUN 1212、クラス3、PGⅢである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHS定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は415℃ (ICSC (J) (2005)) であり常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHS定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHS定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,460 mg/kg (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1987)、EHC 65 (1987)、SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012))、2,650 mg/kg、2,740 mg/kg (SIDS (2005))、3,100 mg/kg (EHC 65 (1987)、SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012))、3,350 mg/kg (SIDS (2005)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。ガイダンスに従い、旧分類から区分を変更した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギのLD50値として、2,460 mg/kg (雌) (SIDS (2005))、3,400 mg/kg (SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012))、4,240 mg/kg (EHC 65 (1987)、SIDS (2005)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。ガイダンスに基づき、旧分類から区分を変更した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として、6,336 ppm (19.2 mg/L) (EHC 65 (1987)、SIDS (2005))、8,000 ppm (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1987)) との報告に基づき、区分4とした。旧分類は区分5としていたが、データを再度確認した結果、区分を変更した。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (11,881 ppm) の90%よりも低いため、ミストがほとんど混在しないものとして、ppmを単位とする基準値を適用した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404準拠) で、本物質を適用した6匹全てに発赤と浮腫を生じ、適用後14日目にも4匹に軽度の刺激症状が残ったとの記述 (SIDS (2005))、ヒトの皮膚への適用で軽度の発赤を生じたとの記述 (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1987)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)) から、区分2とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Irrit. 2, H315 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
液体をヒトに適用した例はないが、本物質及び酢酸ブチルを含む被覆剤を製造していた工場労働者8人に、重度の結膜刺激の後に角膜上皮における空胞形成で視覚障害を生じたとの報告 (PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1987)、環境省リスク初期評価第11巻 (2013)) や、ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405準拠) で、軽度から中等度の角膜損傷、虹彩炎、重度の結膜刺激を生じ、適用後21日目でも軽度の結膜発赤がみられたとの記述 (SIDS (2005)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はEye Dam. 1, H318 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。新たな情報を含めて情報を見直し、区分を変更した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (SIDS (2005)、PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第11巻 (2013))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、マウスリンフォーマ試験、小核試験、染色体異常試験でいずれも陰性である (SIDS (2005)、DFGOT vol. 19 (2003)、JECFA FAS 40 (1998)、PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第11巻 (2013))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ラット、又はマウスに2年間飲水投与した発がん性試験において、ラット、マウスの雌雄いずれにも腫瘍の発生増加は認められず、発がん性はないと結論された (厚労省委託がん原性試験結果 (Access on June 2017))。その他、分類に利用可能なデータはない。以上、実験動物2種で陰性のため、経口経路では区分外相当であるが、吸入経路での発がん性情報がないので、データ不足のため分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットを用いた吸入経路による2世代試験では、2,500 ppm (7,580 mg/m3) までの用量において親動物の一般毒性影響、生殖毒性影響、及び児動物への影響はいずれも認められなかった (SIDS (2005)、環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012))。また、妊娠ラット、又は妊娠ウサギの器官形成期に吸入ばく露した発生毒性試験では、ウサギの母体に体重増加抑制がみられた3,030 ppm (10,000 mg/m3) までの用量でラット、ウサギともに発生影響はみられなかった (SIDS (2005)、環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 19 (2003))。 以上、吸入経路ではラット2世代試験、ラット及びウサギの発生毒性試験の結果は全て陰性で区分外相当と考えられるが、経口経路での毒性情報がなく、本項はデータ不足のため分類できないとした。なお、旧分類 (区分外) から分類結果を変更した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性、麻酔作用) |
警告 |
H335
H336 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの6時間単回吸入ばく露試験において、9.09 mg/L (4時間換算値: 11.13 mg/L、区分2範囲に相当) 以上で活動性低下、驚愕反射の反応低下がみられたとの報告がある (SIDS (2005))。また、ラットに本物質の飽和蒸気を6時間吸入ばく露した試験で、活動性低下、流涙、昏睡、虚脱、短呼吸、浅呼吸が認められたが、死亡例はなかったとの報告がある (SIDS Dossier (2005))。この試験では正確なばく露濃度は測定されていないが、飽和蒸気圧濃度11,881 ppm (36 mg/L) より4時間ばく露量に換算した濃度は44 mg/Lと算出され、区分2超に相当する。さらに、ラットとウサギを用いた4時間単回吸入ばく露試験において、区分2範囲の15.7 mg/Lで気道刺激がみられ、3日後に中枢神経系抑制が認められたとの報告がある (EHC 65 (1987)、DFGOT vol. 19 (2003))。以上より区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 なお、旧分類が使用した、ヒトで本物質のばく露により咽頭の刺激が認められたとの報告 (EHC 65 (1987)、PATTY (4th, 1994)、産衛学会勧告 (1993)) は、本物質のみでなく酢酸ブチルにもばく露されているため不採用とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ヒトについては、換気のない写真現像所で取り扱っていた本物質及び1-ブタノールに半月から2年間ばく露された労働者7人において、2人が不快感、2人が一過性のめまいを訴え、3人が強いめまいに加えて吐き気や耳鳴り、頭痛、眼振、視覚障害を訴えたとの報告がある (環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012))。 実験動物については、ラット、マウスを用いた13週間飲水投与毒性試験 (厚労省委託がん原性試験結果 (Access on June 2017))、ラットを用いた92~93日間反復経口投与毒性試験、ラットを用いた3ヵ月間吸入毒性試験 (環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012)、SIDS (2005)) 等の報告があり、いずれにおいても、区分2のガイダンス値の範囲内で影響はみられていない。 以上、ヒトでは本物質のみのばく露ではなく、また、一過性の急性影響の可能性があるため分類根拠とできないが神経系への影響の可能性があることから区分外とせず、分類できないとした。 新たな情報源を用いたため旧分類と分類結果が異なった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、旧分類では「国連文書に本物質は呼吸器有害性の区分2である」との記述より「区分2」に分類された。List 3 の情報源である国連文書のICSCには「本物質液体を飲み込むと肺に吸い込んで化学性肺炎を生じるおそれがある」との記述がある (ICSC (2005)) が、原典を確認できず一般的な注意事項の範囲の記述と考えられ、分類根拠とできない。その他、旧分類 (区分2) の根拠データは確認できなかった。また、旧分類後に制定された分類JIS (JIS Z7252:2014) では本項分類区分は区分1のみとなった (区分2はない)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - |
甲殻類(アメリカザリガニ)96時間LC50 = 949 mg/L、魚類(ニジマス)96時間LC50 = 1,330 mg/L、藻類(Desmodesmus subspicatus)48時間EC50(速度法)= 2,300 mg/L(ともに環境省環境リスク評価(第11巻):2013)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 急速分解性があり(良分解性、BODによる分解度:90%(化審法DB:1976))、蓄積性がなく(LogKow:0.76 (SRC PhysProp Database:2017))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖阻害)= 4.0 mg/L(環境省環境リスク評価(第11巻):2013、ECETOC TR91:2003)、藻類(Desmodesmus subspicatus)の48時間EC10(速度法)= 900 mg/L(環境省環境リスク評価(第11巻):2013)であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |