GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 156-43-4
名称 p-フェネチジン
物質ID H29-B-059
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- -    引火点が120℃ (closed cup) (ICSC (J) (2008)) である。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- -    発火点は425℃ (GESTIS (Access on June 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、旧分類が使用したCERIハザードデータ集 (2001) のデータはList 3の情報源由来で詳細不明であるため採用しなかった。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、旧分類が使用したCERIハザードデータ集 (2001) のデータはList 3の情報源由来で詳細不明であるため採用しなかった。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、旧分類が使用したIUCLID (2000) のデータは入手できず詳細不明であるため採用しなかった。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- -    ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、軽度の刺激性又は刺激性はないとの試験結果 (SIDS (2002)) 、及び本物質は軽度の皮膚刺激性があるとの記述 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
   ウサギを用いた眼刺激性試験において、非常に強い刺激性がみられたとの報告 (SIDS (2002)) 、及び本物質は強い眼刺激性があるとの記述 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) から、区分2Aとした。なお、EU CLP分類において本物質はEye Irrit. 2 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。  
   
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
   ヒトにおいて、0.3~10%濃度の本物質でのパッチテストで50名中2名が、検討した全濃度で著明な陽性反応を示し、50名中10名が10%濃度で中等度から著明な反応を示したとの記述 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) から、区分1とした。なお、EU CLP分類において本物質はSkin Sens. 1 に分類されている (ECHA CL Inventory (Access on June 2017))。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
   In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陽性 (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2002))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (SIDS (2002)、NTP DB (Access on June 2017))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
   ラットを用いた強制経口投与による簡易生殖毒性試験において、高用量の200 mg/kg/day では母親動物に流涎、チアノーゼ、分娩遅延が認められ、正常分娩は1/12例のみで、未分娩のまま死亡、又は分娩直後の死亡例合わせて周産期死亡例が9/12例、残りの2例も妊娠25日に未分娩のまま切迫屠殺された。新生児では200 mg/kg/day で出生率の低下、死産児及び死亡胎児の増加が認められた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、SIDS (2002)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010))。以上、一般毒性影響のみられる用量で分娩異常、胎児/新生児死亡の増加を生じたことから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトについては、本物質は医薬品フェナセチンの代謝物であり、フェナセチン投与による血液障害 (メトヘモグロビン血症) の原因物質であると報告されている (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害評価シート (2010))。
   実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による28日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲内である40 mg/kg/day (90日換算: 12 mg/kg/day) 以上で赤血球数の減少、網状赤血球数の増加、尿中ウロビリノーゲンの増加、脾臓重量の増加、脾臓でヘモジデリン沈着・髄外造血亢進・うっ血、骨髄で赤芽球系の過形成、160 mg/kg/day (90日換算値: 50 mg/kg/day) でメトヘモグロビン血症、肝臓で軽度のヘモジデリン沈着・髄外造血亢進がみられ (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害評価シート (2010))、ラットを用いた4週間反復吸入毒性試験 (6時間/日、5日/週) において、区分1のガイダンス値 (蒸気) の範囲内である86 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.02 mg/L) 以上で網状赤血球数増加、ヘモグロビン濃度・赤血球数・ヘマトクリット値の減少、骨髄の造血細胞の増加、脾臓でヘモジデリン沈着、区分2のガイダンス値 (ミスト) の範囲内である883 mg/m3 (ガイダンス値換算: 0.2 mg/L) で体重増加の抑制、脾臓重量増加、肝臓でヘモジデリン沈着等がみられている (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害評価シート (2010))。
   以上、血液系への影響及びそれと関連した所見がみられている。したがって、区分1 (血液系) とした。
   
   
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
   藻類(Selenastrum capricornutum)72時間EC50(算出法不明)= 5.1 mg/L(OECD SIDS:2002)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
   慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(化審法DB:1977))、甲殻類 (オオミジンコ)の21日間NOEL = 0.19 mg/L(OECD SIDS:2002)であることから、区分2となる。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(化審法DB:1977))、藻類(Selenastrum capricornutum)72時間EC50(算出法不明)= 5.1 mg/L(OECD SIDS:2002)であることから、区分2となる。
   以上の結果から、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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