項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 75-91-2 |
名称 | tert-ブチル=ヒドロペルオキシド |
物質ID | H29-B-058 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類できない |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団 (隣接した酸素原子) を含んでおり、酸素収支は-195と判定基準の-200より高いが、分解開始温度及び分解エネルギーの情報がなく分類できない。なお、含有率79~90%のものは、UNRTDGにおいて有機過酸化物タイプC (UN 3103) に分類されており、爆発物には該当しないと考えられる。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 |
危険 |
H225 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点26℃ (方式不明) (GESTIS (Access on June 2017)) というデータがあり、所定の試験法において区分2または区分3のいずれかに該当すると考えられるが安全上の観点から区分2とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 含有率79~90%のものは、UNRTDGにおいて有機過酸化物に分類 (UN 3103、クラス5.2、タイプC) されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合しているが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | タイプC |
危険 |
H242 |
P411+P235
P210 P220 P234 P280 P410 P420 P501 |
含有率79~90%のものはUN 3103、クラス5.2、タイプCに分類される (UNRTDG 2.5.3.2.4)。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、560 mg/kg (SIDS (2002)) との報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P361+P364 P280 P312 P321 P405 P501 |
ウサギのLD50値として628 mg/kg (SIDS (2002)) との報告、及びラットのLD50値として470 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットの4時間吸入ばく露試験のLC50値として1.8 mg/L (488 ppm) (PATTY (6th, 2012)) との報告に基づき、区分2とした。は、なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (7,206 ppm) の90%より低いため、ミストがほとんど混在しないものとして、ppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源の使用により、旧分類から区分を変更した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、3件の試験のいずれにおいても腐食性又は壊死を伴う重度の刺激性がみられたとの報告 (EU-RAR (2006)) から、区分1とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
本物質の皮膚腐食性/刺激性が区分1であることから、区分1とした。なお、ウサギによる眼刺激性試験において、複数の試験で重度の刺激性を示す結果が報告されている (EU-RAR (2006))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
モルモットによる皮膚感作性試験 (OECD TG 406準拠) において、10匹のうち6匹に中等度から重度の紅斑の陽性反応がみられたとの記述 (EU-RAR (2006)) から、区分1とした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
In vivoでは、マウスの優性致死試験で陽性、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性、ラットの肝臓細胞を用いたコメットアッセイ、ラットの肝臓、胃を用いたDNA付加体形成試験、ラットの精巣及び精巣上体精子を用いたDNA損傷試験で陽性である (EU-RAR (2006))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性である (EU-RAR (2006)、DFGOT vol. 3 (1992)、NTP DB (Access on June 2017))。マウス優性致死試験での陽性は腹腔内投与による局所影響と推察され、本物質が非変異原性物質に代謝されることを考慮すると、吸収された本物質が生殖細胞に到達することは考え難い (EU-RAR (2006))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットに交配2週間前から妊娠21日ないし22日まで最大30 mg/kg/day を強制経口投与した試験では、親動物の生殖影響も児動物への影響も認められなかった (環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、SIDS (2002))。また、妊娠ラットを用いた強制経口投与 (妊娠6~15日) による発生毒性試験では、母動物にわずかな体重増加抑制がみられる50 mg/kg/day の用量で胎児には影響はみられなかった (環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、SIDS (2002))。以上、ラットでの試験結果からは生殖影響も発生影響もみられておらず、区分外の可能性も考えられるが、生殖への影響を調べた最初の試験では、親動物への一般毒性影響が認められておらず、生殖影響評価試験として投与量が不十分であった可能性を否定できない。したがって、この結果のみで本物質は生殖毒性を生じないとは結論し難く、データ不足のため分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器)、区分2(神経系)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370
H371 H336 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
本物質のヒトでの単回ばく露の情報はない。実験動物ではラットの単回経口投与試験において、区分2相当の420 mg/kg以上で鎮静、皮膚の蒼白化、立ち直り反射喪失、流涙、体温低下、血尿がみられたとの報告がある (EU-RAR (2006))。また、ラットとマウスを用いた4時間吸入ばく露試験で不規則呼吸と、死亡例の剖検では肺の充血と肺表面の出血が認められ、LC50値はラットで1.845 mg/L (500 ppm)、マウスで1.292 mg/L (350 ppm) であったとの報告がある。この試験では影響がみられた用量の詳細な記載はないが、LC50値付近の区分1範囲の用量でみられたと考えられる (EU-RAR (2006))。更にマウスを用いた知覚刺激試験で、本物質の30分の吸入ばく露で呼吸数低下と無呼吸が認められ、RD50値は20.9 ppm (0.0771 mg/L) であったとの報告がある (EU-RAR (2006))。経皮経路では、ウサギの単回経皮ばく露試験において、区分2範囲の1,997 mg/kgでチアノーゼ、運動失調、嗜眠、緩徐・努力呼吸、鼻汁、うっ血、虚脱、眼振、鼻孔からの赤色分泌物、痙攣が認められ、生存例では筋無緊張症を生じたとの報告がある (EU-RAR (2006))。以上の情報から、本物質は神経系と呼吸器を標的臓器とし、また麻酔作用を有すると考えられる。肺と神経系への影響が各々、区分1及び区分2 相当の用量で認められていることから、区分1 (呼吸器)、区分2 (神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。呼吸器への影響に関して、新たな情報源としてList 1の資料であるEU-RARを使用したため、呼吸器の区分を区分1に変更した。なお、旧分類は「メトヘモグロビン血症もしくはカルボキシヘモグロビン」との記述 (RTECS (2006)) を根拠として血液系も標的臓器としていたが、RTECS (Access on September 2017) には該当する記述はなく、他に血液系への影響の根拠となる情報も得られなかったため、不採用とした。したがって旧分類から区分が変更となった。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ヒトに関する情報はない。 実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による45日間反復経口投与毒性試験において、10 mg/kg/day (90日換算: 5 mg/kg/day) 以上の雄でビリルビンの増加、雄ラット特有の尿細管腎炎、30 mg/kg/day (90日換算: 15 mg/kg/day) の雄で網状赤血球数の減少がみられたが、雌では影響はみられなかったとの報告がある (環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート (2009)、SIDS (2002))。 以上のように分類に十分な情報は得られていない。 評価書の内容を再確認した結果、旧分類から分類が変更となった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間EC50(速度法) = 1.1 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(化審法DB:2000))、藻類 (Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 0.14 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(化審法DB:2000))、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害)= 14 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分3となる。 以上の結果から、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |