項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 108-44-1 |
名称 | m-トルイジン |
物質ID | H29-B-041 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 |
警告 |
H227 |
P370+P378
P403+P235 P210 P280 P501 |
引火点85℃ (closed cup) (ICSC (J) (2009)) に基づいて区分4とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は480℃ (GESTIS (Access on June 2017)) であり常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、450 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2003))、974 mg/kg (SIDS (2003)、PATTY (6th, 2012))、1,160 mg/kg (SIDS (2003))、1,430 mg/kg (SIDS (2003)) との報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギのLD50値として、3,250 mg/kg (SIDS (2003)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。ガイダンスに従い、旧分類から区分を変更した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質は中等度または軽度の刺激性を認めたとの報告 (SIDS (2003)) から、区分2とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、本物質は中等度の刺激性を示したとの報告 (SIDS (2003)) がある。細区分のための情報はないため、区分2とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウスの姉妹染色分体交換試験で陰性との報告があるが詳細不明である (環境省リスク評価第5巻 (2006)、BUA 146 (1993))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、ACGIH (7th, 2001)、NTP DB (Access on June 2017)、HSDB (Access on June 2017)、BUA 146 (1993))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | m-トルイジン塩酸塩を雄ラット及び雌雄マウスに18ヵ月間混餌投与した発がん性試験において、ラットでは腫瘍発生の有意な増加はなく、マウスでは雄の低用量群 (16,000 ppmで5ヵ月間、その後4,000 ppmで13ヵ月間投与) で、肝臓腫瘍を生じた動物数の増加がみられたが用量相関性のある所見ではなかった (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。以上より、ACGIHは本物質 (塩酸塩) はラット及びマウスに発がん性を示さず、本物質をA4に分類した (ACGIH (7th, 2001))。よって、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、30 及び100 mg/kg/day 群では、分娩及び哺育状態の不良による出生児の死亡が散見され、100 mg/kg/day 群では母動物の2/10例に全着床胚の早期死亡・吸収が観察された。また、300 mg/kg/day 群では母動物全例 (11/11例) に全着床胚の早期吸収が認められ、出産率は0%であった (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。これらの生殖発生影響は30 mg/kg/day以上で脾臓・腎臓への影響、100 mg/kg/day 以上で体重増加抑制など一般毒性影響がみられる用量で生じた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017)、環境省リスク評価第5巻 (2006)) ことから、本項は区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ラットの単回経口及び経皮投与試験において、各々区分1範囲の200 mg/kg及び700 mg/kgで血中メトヘモグロビン濃度が30%超まで上昇し、重度のメトヘモグロビン血症が誘導されたとの報告がある (SIDS (2003))。したがって区分1 (血液系) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液系)、区分2(腎臓) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、トルイジン (異性体不明) はアニリンと同様の症状を生じ、チアノ-ゼはアニリンよりもやや軽いが、排尿痛や血色素尿はより強く現れ、体温の低下や貧血を起こすとの報告がある (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2001))。本物質はヒトにメトヘモグロビン血症を起こすとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。 実験動物については、ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性試験 (OECD TG 422) において、区分2のガイダンス値の範囲内である30 mg/kg/day (90日間換算値: 14 mg/kg/day) 以上で脾臓の色素沈着及び髄外造血、腎臓の病変 (雌: 近位尿細管上皮細胞の空胞化、壊死、髄質の再生尿細管等)、100 mg/kg/day (90日間換算値: 47 mg/kg/day) 以上で大球性貧血、肝臓の色素沈着・髄外造血亢進、腎臓の尿細管上皮の色素沈着・好酸性小滴、褐色尿等がみられている (環境省リスク評価第5巻 (2006)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on June 2017))。 以上、ヒトで貧血がみられ、実験動物では区分2のガイダンス値の範囲内で貧血及び貧血と関連した所見のほか、腎臓の障害がみられている。 したがって、区分1 (血液系)、区分2 (腎臓) とした。 なお、ヒトに関する情報が得られたこと、実験動物の情報を再確認した結果、腎臓に対する影響がみられたことから旧分類と分類結果が異なった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、HSDB (Access on June 2017) に収載された数値データ (粘性率: 3.306 mPa・s (25℃)、密度: 0.9889 g/cm3 (20℃)) より、動粘性率は3.343 mm2/sec (25/20℃) と算出される。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(ミジンコ)48時間EC50(遊泳阻害) = 0.73 mg/L(OECD SIDS:2001)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:0.33%(化審法DB:1991))、甲殻類(ミジンコ)の21日間NOEC(繁殖阻害)= 0.01 mg/L(OECD SIDS:2001)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる平均分解度:0.33%(化審法DB:1991))、藻類(Selenastrum capricornutum) 72時間EC50(バイオマス) = 17.7 mg/L(OECD SIDS :2001)であることから、区分3となる。 以上の結果から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |