項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 2921-88-2 |
名称 | チオりん酸O,O-ジエチル-O-(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル) (別名:クロルピリホス) |
物質ID | H29-B-020 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾ-ル製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 可燃性 (ICSC (J) (2014)) との情報があるが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 半金属 (P) を含むが、水溶解度は1.4 mg/L (25℃) (HSDB (Access on June 2017)) との測定データが得られており、水と急激な反応はないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の物質であり、銅及び真鍮を侵す (ICSC (J) (2014)) との情報があるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、82 mg/kg (雌) (ATSDR (1997))、118 mg/kg (雄) (ATSDR (1997))、135 mg/kg (雌) (ATSDR (1997)、食品安全委員会農薬評価書 (2011))、155 mg/kg (雌雄) (ATSDR (1997))、163 mg/kg (雄) (食品安全委員会農薬評価書 (2011))、223 mg/kg (雌雄) (EPA Pesticide (2006)) の6件の報告に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、202 mg/kg (ATSDR (1997)、ACGIH (7th, 2003)、EPA Pesticide (2006))、> 2,000 mg/kg (食品安全委員会農薬評価書 (2011)) の2件の報告があり、1件は区分3、1件は区分外に該当するが、GLP準拠試験である食品安全委員会農薬評価書のデータを採用して、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットのLC50値として、> 0.2mg/Lとの報告 (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会農薬評価書 (2011)) がある。本物質は固体であるため、エアロゾルのデータである可能性があるが、このデータだけでは区分を特定できないことから、分類できないとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験で軽度の刺激性を有し7日間で回復したとの報告 (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会農薬評価書 (2011)) から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
ウサギを用いた眼刺激性試験で軽度の刺激性を認め、24時間で回復したとの報告 (EPA Pesticide (2006)、食品安全委員会農薬評価書 (2011)) から、区分2Bとした。今回の調査で入手した情報をもとに区分を見直した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | モルモットを用いたビューラー法による皮膚感作試験で感作性を認めなかったとの報告 (食品安全委員会農薬評価書 (2011)) があるが、報告が1例のみであるため、分類できないとし、区分を見直した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性、陽性の報告がある (食品安全委員会農薬評価書 (2011)、ATSDR (1997)) が、陽性結果の再現性は認められていない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性である (食品安全委員会農薬評価書 (2011)、ATSDR (1997)、NTP DB (Access on May 2017))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットに2年間、マウスに18ヵ月間又は2年間混餌投与した試験で、発がん性は認められなかった (食品安全委員会農薬評価書 (2011))。既存分類ではACGIHがA4に (ACGIH (7th, 2003)、1995年提案)、EPAがグループE (Evidence of Non-Carcinogenicity for Humans) に分類している (Chemicals Evaluated for Carcinogenic Potential: Annual Cancer Report (2016)、評価年: 1993年)。以上よりガイダンスに従い、発がん分類の提案年がより新しいACGIHの分類結果に基づき、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットを用いた混餌投与による2世代試験では親動物に1 mg/kg/day以上で赤血球コリンエステラーゼ活性の阻害がみられたが、最高用量の5 mg/kg/day まで親動物に生殖への有害影響はみられなかった。ただ、児動物には5 mg/kg/dayで生存率の低下と体重増加抑制がみられた (食品安全委員会農薬評価書 (2011)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2003))。一方、妊娠ラット、妊娠マウス、又は妊娠ウサギの器官形成期に強制経口投与した発生毒性試験では、ラットで15 mg/kg/day、マウスで10 mg/kg/day、ウサギで140 mg/kg/dayで母動物に体重増加抑制が認められたが、胎児への影響は母動物毒性量以上でも影響なし又は軽微な低体重による所見に限定された (食品安全委員会農薬評価書 (2011)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2003))。また、妊娠ラットに強制経口投与 (妊娠6~20日) し、児動物の神経発達影響を調べた試験で、母動物には0.3 mg/kg/day以上で赤血球コリンエステラーゼ阻害作用が生じたが、児動物には5.0 mg/kg/dayで低体重による所見がみられただけで発達神経毒性は認められなかった (食品安全委員会農薬評価書 (2011))。以上、全体的に親動物の毒性量においても分類根拠とすべき明確な生殖発生影響はみられていないが、ラット2世代試験では最高用量が5 mg/kg/day とやや低めの用量においても児動物に生存率低下がみられており、さらに高用量投与した場合の生殖発生影響の有無に関する情報が不足していると考えられる。よって、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質は有機リン系殺虫剤であり、アセチルコリンエステラーゼを阻害する (ATSDR (1997)、食品安全委員会農薬評価書 (2011))。 ヒトでは事故や自殺企図による本物質の急性経口ばく露で、昏睡、発作様動作、瞳孔縮小、筋肉の痙攣と攣縮、反射亢進又は低下、流涙、流涎、発汗、気管支漏、アテトーゼを起こした症例が複数、報告されている (ATSDR (1997))。また、ヒトの急性吸入ばく露の症状として、知覚異常、めまい、頭痛が報告されている (ATSDR (1997))。実験動物では、ラットの単回経口投与試験において、区分1相当の60~100 mg/kgの用量で活動性低下、運動失調、振戦、体温低下が認められ、また脳、血漿、赤血球のコリンエステラーゼ活性の低下がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2003))。以上より区分1 (神経系) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、副腎)、区分2(眼、血液系、肝臓) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、3ヵ月以内に本物質を使用したペットを管理する従業員にかすみ目、皮膚の発赤、尿量減少、平均0.4年間ばく露された本物質のシロアリ駆除剤塗布作業者に疲労感、眩暈、集中力の低下、記憶障害、意気消沈、頭痛が報告されている (PATTY (6th, 2012))。 実験動物については、ラット、マウスを用いた混餌による90日間反復経口投与毒性試験において、ラットでは区分1のガイダンス値の範囲内である1.0 mg/kg/day以上で赤血球コリンエステラーゼ活性阻害 (20%以上)、5.0 mg/kg/day以上で脳コリンエステラーゼ活性阻害、副腎束状帯空胞化、区分2のガイダンス値の範囲内である15 mg/kg/dayで赤血球数、ヘマトクリット値の減少等がみられ、マウスでは、区分1のガイダンス値の範囲内である50 ppm (7.5 mg/kg/day) 以上で脳アセチルコリンエステラーゼ活性阻害、区分2のガイダンス値の範囲内である200 ppm (30 mg/kg/day) 以上で副腎脂肪性色素沈着、400 ppm (60 mg/kg/day) 以上で死亡率増加、眼球混濁、急性又は亜急性角膜炎の報告がある (食品安全委員会農薬評価書 (2011))。また、ラットを用いた混餌による2年間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である1.0 mg/kg/day以上で赤血球コリンエステラーゼ活性阻害、10 mg/kg/dayで総コレステロール・総タンパク・グロブリン低下、脳コリンエステラーゼ活性阻害、副腎皮質束状帯脂肪空胞化等がみられ、マウスを用いた混餌による18ヵ月間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内あるいはその上限近傍である50 ppm (雄: 6.1~12 mg/kg/day、雌: 6.6~12 mg/kg/day) 以上で、赤血球・脳コリンエステラーゼ活性阻害、区分2のガイダンス値の範囲内である250 ppm (雄: 32~55 mg/kg/day、雌: 34~62 mg/kg/day) で眼球混濁、流涎、肝臓の軽度亜急性胆管炎・組織球増生・小葉中心性肝細胞脂肪空胞化の報告がある (食品安全委員会農薬評価書 (2011))。 以上から、区分1 (神経系、副腎)、区分 2 (眼、血液系、肝臓) とした。 新たな情報源を基に分類したため分類結果が変更となった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(マギレミジンコ) 48時間LC50 = 0.000035 mg/L(環境省環境リスク評価(第8巻):2010)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0.2%(化審法DB:1979))、甲殻類(Ceriodaphnia cf. dubia)の 32日間NOEC(繁殖阻害) = 0.000045 mg/L(環境省環境リスク評価(第8巻):2010)であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |