GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 95-55-6
名称 o‐アミノフェノール
物質ID H29-B-016
分類実施年度 平成29年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成22年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- -    爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- -    エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- -    可燃性 (ICSC (J) (2005)) との記述があるが、データがなく分類できない。
   
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- -    分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- -    発火点は215℃ (ICSC (J) (2005)) であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- -    データがなく分類できない。
   
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- -    金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- -    フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- -    分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- -    固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
   ラットのLD50値 として、1,300 mg/kg (HSDB (Access on May 2017)) との報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- -    GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- -    ウサギに本物質の微粉末0.5 gを、閉塞又は半閉塞貼付した試験で、1次刺激指数 (PCI) は0 (最大値で8) であり、刺激性なしとの報告 (Joural of The American College of Toxicology. vol. 7, p. 279-333 (1988)) に基づき、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
-
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- -    ウサギに、本物質100 mgを結膜嚢に適用した試験で、軽度の刺激性がみられ、24時間後の刺激指数 (AOI) が9.83 (最大値で110) であったとの報告 (HSDB (Access on May 2017)) から、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。なお、まれに吸入により気管支喘息を起こすとの報告 (HSDB (Access on May 2017)) がある。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
   本物質が染毛剤に含まれ、理髪師や消費者に対する接触性皮膚炎の原因物質であるとの記載 (Contact Dermatitis (5th ed., 2011)) から、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- -    In vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験、染色体異常試験で陰性、チャイニーズハムスターの骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験で陰性、ラットの不定期DNA合成試験で陰性である (SCCS (2010))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、姉妹染色分体交換試験で陽性である (SCCS (2010)、NTP DB (Access on May 2017))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
   なお、SCCSではチャイニーズハムスターによる骨髄小核試験の陽性知見 (Wild et al., 1981) をabstractであるとして評価していない。旧分類での文献 (Journal of The American College of Toxicology. vol. 7, p. 279-333 (1988)) では、当該知見をマウスとしている。前者はabstract情報で詳細が不明なことから採用しなかった。
   
   
6 発がん性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
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- -    妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6~15日) に強制経口投与した試験で、母動物毒性がみられた高用量 (250 mg/kg/day) でも、胎児には軽微な影響 (体重低値及び骨化遅延) がみられただけであった (SCCS (2010))。この他、妊娠ハムスターに100~200 mg/kg を妊娠8日に単回腹腔内投与した結果、神経管の奇形 (外脳症、脳瘤、脊椎破裂)、眼の奇形、骨格奇形など奇形発生がみられたが、経口投与では奇形の発生はみられなかったとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。以上、経口投与では発生毒性に関する証拠はなく、また生殖能・性機能への影響評価に関する情報がなく、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。旧分類はラットの急性経口毒性試験 (LD50: 1,300 mg/kg)で、投与後20~30分で興奮状態となり、脱力及び外部刺激に対する反射の消失がみられたとの報告 (Journal of The American College of Toxicology. vol. 7, p. 279-333 (1988)) を根拠として区分2 (神経系) としていたが、この記述は上記の論文の中にはなく、詳細が確認できない。他に標的臓器を特定できる情報がないため、分類できないとした。情報源の精査により、分類結果を変更した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓、膀胱)、区分2(血液系)


危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
   ヒトに関する情報はない。
   実験動物では、ラットを用いた強制経口投与による30日間反復経口投与毒性試験において、区分1のガイダンス値の範囲内である20 mg/kg/day (90日換算値: 7 mg/kg/day) 以上で尿中の腎細胞、膀胱の尿路上皮の空胞化増加、区分2のガイダンス値の範囲内である80 mg/kg/day (90日換算値: 27 mg/kg/day) 以上で、AST (GOT) 活性増加、腎臓の尿細管の病変、区分2のガイダンス値の範囲を超える320 mg/kg/day (90日換算値 : 107 mg/kg/day) で再生性大赤血球性貧血、血中尿素窒素増加、尿タンパク増加、肝臓・腎臓の臓対重量増加の報告がある (SCCS (2010))。また、別の30日間反復経口投与毒性試験において、区分2のガイダンス値の範囲である130 mg/kg/day (90日換算値: 43 mg/kg/day) で赤血球数の減少とメトヘモグロビン濃度の増加の報告がある (HSDB (Access on May 2017))。
   したがって、区分1 (腎臓、膀胱)、区分2 (血液系) とした。
   新たな情報源を用いたことにより分類が変更となった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- -    データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
   藻類(Pseudokirchneriella subcapitata) 72時間EC50(速度法) = 0.15 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
   慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(速度法)= 0.0018 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分1となる。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.57 mg/L(環境省生態影響試験:2017)であることから、区分1となる。
   以上の結果から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- -    データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

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