項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 738-70-5 |
名称 | 2,4-ジアミノ-5-(3,4,5-トリメトキシベンジル)ピリミジン (別名:トリメトプリム) |
物質ID | H29-A-016 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、200 mg/kg (HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質/ポリミキシンB硫酸を含む点眼液を使用後に発赤、灼熱感、刺痛又はかゆみを生じたとの報告がある (HSDB (Access on August 2017))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性、陰性の結果である (NTP DB (Access on August 2017))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 |
危険 |
H360
H362 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ヒトでは本物質単独使用による生殖影響に関する報告はないが、本邦では本物質とサルファメトキサゾールの合剤 (サルファメトキサゾール/トリメトプリム: 以下「本剤」という) が合成抗菌剤として臨床使用されており、本剤は妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (妊婦・産婦・授乳婦) に対しては禁忌とされている。理由としては、本剤を妊娠中に単独又は併用投与された患者の児において、先天異常が現れたとの報告があり、動物試験で催奇形性が報告されていること、また母乳を通じて薬物が移行し、低出生体重児、新生児に高ビリルビン血症を起こすことがあるとの報告があることによる (医療用医薬品集2017 (2016))。また、先天異常として神経管欠損を有する乳幼児 1,242人を対象とし、母親の妊娠時使用薬物を調査した疫学研究では、妊娠初期2ヵ月以内における本物質使用のオッズ比は4.8 (信頼間隔: 1.5~16.1) であったとの報告がある (Catalogue of Teratogenic Agents, 12th ed. (2007)、HSDB (Access on August 2017))。一方、実験動物ではラットではヒト常用量の40倍量投与で催奇形性を示し、ウサギではヒト常用量の6倍量で胎児の死亡・吸収及び奇形の発生率増加を示したとの記述がある (HSDB (Access on August 2017))。 以上、本物質を含む合剤の使用が妊婦・授乳婦等に対し禁忌とされていること、疫学的に妊娠初期の本物質使用と先天異常 (神経管欠損) 児との間でオッズ比の高値がみられたこと、実験動物では本物質自体に催奇形性が確認されていることから、本物質自体もヒトで先天異常を生じる可能性が高いと考えられる。よって、本項は区分1Aとし、授乳影響を追加した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(皮膚、造血器) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
本物質は主に尿路感染症の治療に用いられる合成抗菌剤である (HSDB (Access on August 2017))。 重大な毒性は稀であるが、副作用として、通常の例として発疹及びかゆみ、嘔気及び嘔吐、舌炎、上腹部苦痛、高カリウム血症、低ナトリウム血症、骨髄抑制 (血小板減少、白血球減少症、好中球減少症、巨赤芽球性貧血) 及びメトヘモグロビン血症、まれな例として剥離性皮膚炎、多形性紅斑、スティーブンス-ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、アナフィラキシー、胆汁うっ滞性黄疸及び無菌性髄膜炎の記載がある (HSDB (Access on August 2017))。 以上、皮膚、造血器に影響がみられた。このほか、嘔気及び嘔吐、上腹部苦痛がみられ舌炎もみられたがこれらはGHS分類の根拠としては不十分と判断した。List 2の情報源であることから区分2 (皮膚、造血器) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
水生植物(Lemna gibba)7日間EC50 >1 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Brain,R.A.et al(2004))であり、対水溶解度が 400 mg/L(25℃)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BioWin)、水生植物(Lemna gibba)7日間NOEC(バイオマス) = 1 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Brain,R.A.et al(2004))であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BioWin)、魚類(メダカ)96時間LC50 >100 mg/L(EPA AQUIRE:2017, Kim,Y. et al(2007))であることから、区分外となる。 以上の結果から、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |