項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 12280-03-4 |
名称 | 十三酸化二ナトリウム八ホウ素四水和物 |
物質ID | H29-A-006 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (GESTIS (Access on September 2017))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (GESTIS (Access on September 2017))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (GESTIS (Access on September 2017))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度 95 g/L (20℃) (GESTIS (Access on September 2017)) との測定結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | ハロゲン元素を含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ホウ酸 (CAS番号 10043-35-3) は分類できないとされている (平成25年度GHS分類)。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質自体のデータはないが、本物質溶液は生理的pHではホウ酸として存在する (PATTY (6th, 2012)) との記述から、本物質の毒性影響はホウ酸 (CAS番号 10043-35-3) の影響と同様であり、ホウ酸の分類結果 (平成25年度分類: 分類できない) が適用可能と考えられる。したがって、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質自体のデータはないが、本物質溶液は生理的pHではホウ酸として存在する (PATTY (6th, 2012)) との記述から、本物質の毒性影響はホウ酸 (CAS番号 10043-35-3) の影響と同様であり、ホウ酸の分類結果 (平成25年度分類: 区分1B) が適用可能と考えられる。したがって、本項は区分1Bとした。なお、EUも本物質を Repr. 1B に分類している (ECHA CL Inventory (Access on August 2017))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、消化管)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露に関する情報はない。 本物質は他のホウ酸ナトリウム塩と同様に生理的なpHの溶液中ではホウ酸 (CAS番号 10043-35-3) として存在する (PATTY (6th, 2012)) との記述から、ホウ酸及び他のホウ酸ナトリウム塩の毒性影響の情報が参考となると考えられる。ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム塩五水和物である七酸化二ナトリウム四ホウ素五水和物 (Na2B4O7・5H2O、CAS番号 12179-04-3) 及び四ホウ酸ナトリウム十水和物であるホウ砂 (Na2B4O7・10H2O、CAS番号 1303-96-4) の主な有害性情報としては以下の報告がある。 ヒトでは、ホウ酸30 gを水と共に一度に経口摂取した77歳男性が、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、紅斑、四肢チアノーゼ、急性腎不全、心肺性低血圧を生じ、心不全により死亡した例が報告されている ((ATSDR (2010)、NITE初期リスク評価書 (2008))。また、4.5~14 gのホウ酸混入ミルクを摂取した新生児11名が嘔吐、下痢に加えて頭痛、振戦、不穏、痙攣、衰弱、昏睡など中枢神経系の症状を示し、うち5名は3日以内に死亡したとの報告がある (ATSDR (2010)、NITE初期リスク評価書 (2008))。更にボランティアによるホウ酸または七酸化二ナトリウム四ホウ素五水和物粉じんの単回吸入ばく露試験で、鼻汁分泌の増加がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2005)、ATSDR (2010)、DFGOT (2013) (Access on May 2017))。 実験動物では、ホウ酸、ホウ砂の実験動物への経口急性影響は中枢神経系抑制、痙攣、死亡であり、その用量は、区分2のガイダンス値を超える用量 (ラット、マウス: 2,403~6,080 mg/kg) であったと報告されている (ACGIH (7th, 2005))。 以上の情報に基づき、ホウ酸は平成25年、七酸化二ナトリウム四ホウ素五水和物は平成27年のGHS分類でいずれも区分1 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) と分類されている。本物質も水に溶けてホウ酸を生成することから、これらの物質と同様の影響を示す可能性があると考えられる。したがって、区分1 (中枢神経系、消化管)、区分3 (気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器)、区分2(生殖器(男性)) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
本物質についての情報はない。 全てのホウ酸ナトリウム塩は、生理的pHではホウ酸 (B(OH)3) として存在するため、毒性影響は全てのホウ酸ナトリウム塩に共通するとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。したがって、他のホウ酸ナトリウム塩及びホウ酸の情報が参考となる。 ヒトについては、無水ホウ砂 (四ホウ酸ナトリウム、CAS番号 1330-43-4) の情報として、アメリカの大規模ホウ砂採鉱・精錬プラントで5年以上働く労働者629人 (うち女性26人) を対象とした横断研究では、職場の総粉じん濃度 (加重平均) は無水ホウ砂製造部門で14.6 mg/m3、出荷部門で8.4 mg/m3、鉱山やメンテナンス部門で4.0 mg/m3、非製造部門で1.1 mg/m3 であった。持続性症状について、喫煙歴の有無から労働者を2群に分け、さらに低 (0.9 mg/m3)、中 (4.5 mg/m3)、高 (14.6 mg/m3) の3 ばく露濃度群に分けて検討した結果、非喫煙労働者で咳、粘液分泌過多、慢性気管支炎、喫煙歴ありの労働者で息切れの訴えに有意な増加傾向がみられた。肺機能検査及び胸部X線検査の結果とばく露濃度に関係がなかったとの報告がある (環境省リスク評価第14巻 (2016)、EHC 204 (1998))。 実験動物については、経口経路での毒性情報が四ホウ酸ナトリウム十水和物 (CAS番号 1303-96-4)、ホウ酸 (CAS番号 10043-35-3) について得られている。ラットを用いた四ホウ酸ナトリウム十水和物の混餌投与による60日間反復経口投与毒性試験において、500 ppm (ホウ素として25 mg B/kg/day) 投与した群において 精巣の精細管萎縮がみられたとの報告があり (NITE初期リスク評価書 (2008))、ホウ素 (B、分子量: 10.81)、本物質 (Na2B8O13・4H2O、分子量: 412.52) を基に投与量換算すると、本物質119.3 mg/kg/day (90日換算値: 79.5 mg/kg/day)) となり、区分2のガイダンス値の範囲内である。また、ラット、マウスを用いた混餌によるホウ酸の9週間反復投与毒性試験、13週間反復投与毒性試験、2年間反復投与毒性試験において、150 mg/kg/day以上 (ホウ素として26.3 mg B/kg/day以上) で、精子形成阻害、精巣萎縮、精細管萎縮がみられ、ホウ素 (B、分子量: 10.81)、本物質 (Na2B8O13・4H2O、分子量: 412.52) を基に投与量換算すると、本物質125.5 mg/kg/dayとなり区分外となる。そのほか、ラットを用いた混餌による2年間反復投与毒性試験において、雌雄で四肢の腫脹、表皮剥離、眼瞼炎症、雌でヘマトクリット値及びヘモグロビン量減少がみられた (ACGIH (7th, 2005)、EHC 204 (1998)、ATSDR (2010))。 以上、ヒトにおいて呼吸器への影響がみられ、実験動物では精巣への影響が区分2のガイダンス値の範囲内でみられると算定された。したがって、区分1 (呼吸器)、区分2 (生殖器 (男性)) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
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