項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 99-66-1 |
名称 | 2-プロパン-1-イルペンタン酸 (別名:バルプロ酸) |
物質ID | H29-A-004 |
分類実施年度 | 平成29年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、670 mg/kg (IPCS, PIM 551 (1997)、HSDB (Access on August 2017)) との報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは優性致死試験及び染色体異常試験で陰性の情報がある (Brambilla and Martelli, Mutation Res., 209-229, 2009)。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (NTP DB (Access on August 2017))。In vivo試験の情報はPDR (Physicians' Desk Reference) からの情報である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラット及びマウスを用いた2年間投与試験 (投与経路: 記載ないが、恐らく経口経路、用量: 80~170 mg/kg/day) において、雄ラットに高用量で皮下線維腫の発現頻度増加、雄マウスに肺の良性腺腫の用量依存的な発現頻度増加がみられたが、これらの知見のヒトでの重要性は不明であるとの記述がある (IPCS, PIM 551 (1997))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 |
危険 |
H360
H362 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
本物質のナトリウム塩 (バルプロ酸ナトリウム) は抗てんかん・躁病・鬱状態、偏頭痛治療剤として用いられており (医療用医薬品集2017 (2016))、バルプロ酸ナトリウムの毒性情報が本物質の分類に適用可能と考えられた。すなわち、バルプロ酸ナトリウムは妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には原則禁忌とされている (医療用医薬品集2017 (2016))。てんかん患者の妊婦における本物質の使用と出生児の先天性奇形 (特に神経管欠損) との間に相関性があるとの複数の報告があり、動物実験ではラット、マウスの生殖毒性試験で胎児への悪影響がみられると記述されている (IPCS, PIM 551 (1997))。また、バルプロ酸ナトリウムはヒト母乳に移行することがあり、授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせるとの記述がある (医療用医薬品集2017 (2016))。以上より、本項は区分1Aとし、授乳影響を追加した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370
H336 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
本物質はGABAトランスアミナーゼを阻害し、抑制性神経伝達物質であるGABAの脳内での濃度を増加させる結果、神経興奮を抑制するとの記載がある (IPCS, PIM 551 (1997))。ヒトでは、摂取の回数などの詳細は不明であるが、本物質の経口摂取により消化管の不調と中枢神経系抑制 (錯乱、見当識障害、鈍麻、呼吸不全を伴う昏睡) を起こし、頻脈を伴う血圧低下とQT間隔の延長が起こる場合もあるとの記載がある (HSDB (Access on August 2017))。本物質の単回ばく露の影響に関しては他に情報がないが、本物質のナトリウム塩であるバルプロ酸ナトリウム (CAS番号 1069-66-5) は、抗てんかん、躁病・躁状態、片頭痛治療剤として用いられており、誤飲または自殺企図による過量摂取が意識障害 (傾眠、昏睡)、痙攣、呼吸抑制、高アンモニア血症、脳水腫を起こした事例が報告されている (医療用医薬品集2017 (2016))。また、16歳の女性てんかん患者がバルプロ酸ナトリウムの錠剤30 gを摂取後に傾眠を発症したが、治療により12時間後に回復したとの報告及び15歳の少女がバルプロ酸ナトリウム (量不明) の摂取後、昏睡状態となり心肺停止により死亡したとの報告がある (いずれもIPCS, PIM 551 (1997))。これらの情報に基づき、バルプロ酸ナトリウムは平成23年度GHS分類において区分1 (中枢神経系) と分類されている。以上の情報は、本物質のみの情報ではなく本物質のナトリウム塩を含んだ情報と思われるが副作用は本物質に起因したと考えられる。したがって、上記の情報を基に分類を行い、区分1 (中枢神経系)、区分3 (麻酔作用) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、血液系、肝臓) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
本物質のナトリウム塩は抗てんかん、躁病・躁状態、片頭痛治療剤として用いられている (医療用医薬品集2017 (2016))。 ヒトについては、慢性使用の患者では致命的な肝不全の報告があり、膵炎が通常の治療用量においても報告されている。消化器系への影響で最も一般的に報告されている有害作用は、食欲不振、吐き気および嘔吐である。中枢神経系の影響は眠気であり、無関心、離脱、錯乱、不穏状態、多動も含まれ、頻繁ではないがてんかん発作や昏睡が現れることがある。鎮静作用は、薬物が他の抗てんかん薬と一緒に使用される場合により顕著である。造血系の影響には、血小板減少症、フィブリノゲンレベルの低下を伴う出血時間及び活性化部分トロンボプラスチン時間の異常、プロトンビン時間の延長などがあり、挫傷、斑状疱疹、血腫及び鼻出血をもたらすとの記載がある (IPCS, PIM 551 (1997)、HSDB (Access on August 2017))。 また、医療用医薬品集2017 (2016) には、重篤な副作用として、劇症肝炎等の重篤な肝障害、高アンモニア血症を伴う意識障害、溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少、急性膵炎、間質性腎炎、ファンコニー症候群、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群 (スティーブン-ジョンソン症候群)、過敏症症候群、脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状、横紋筋融解症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、間質性肺炎、好酸球性肺炎が現れることがあるとしており、副作用の発生頻度では血液系、精神神経系、消化器系、肝臓、過敏症、その他として高アンモニア血症の報告が多くみられている。 以上の情報は、本物質のみの情報ではなく本物質のナトリウム塩を含んだ情報と思われるが副作用は本物質に起因したと考えられることから上記情報を基に重篤度、発生頻度等を考慮して分類を行った。 したがって、区分1 (中枢神経系、血液系、肝臓) とした。 なお、本物質のナトリウム塩であるバルプロ酸ナトリウム (CAS番号 1069-66-5) は、本邦のGHS分類 (平成23年度) において区分1 (中枢神経系、肝臓、血液系) に分類されている。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |