GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 79-33-4
名称 L-乳酸
物質ID H28-B-061, C-127B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成24年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-

-
- -   引火点が110℃ (closed cup) (ICSC(J) (1997)) である。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   中程度の強さの酸である (ICSC(J) (1997)) との記述があるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値として、3,543〜4,936 mg/kg (SIAP (2011)) との報告に基づき、区分外とした。
  なお、旧分類時に用いたJEFCA 344 (1974) のデータは、本物質の異性体混合物 (DL体) のデータであるため、採用しなかった。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (SIAP (2011)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-

-
- -   ラットのLC50値 (4時間) として、> 7.9 mg/L (SIAP (2011) との報告に基づき、区分外とした。
  なお、LC50が飽和蒸気圧濃度 (0.40 mg/L) より高い濃度であるため、ミストとして mg/L を単位とする基準値を採用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1

危険
H314 P260
P264
P280
P301+P330+P331
P303+P361+P353
P363
P304+P340
P310
P321
P305+P351+P338
P405
P501
  本物質のウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) において、重度の刺激性を示し、皮膚腐食性であったことから (SIAP (2011))、区分1に分類した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1

危険
H318 P280
P305+P351+P338
P310
  本物質と特定されていない乳酸のウサギの眼刺激性試験で、腐食性、持続性瘢痕、角膜表面層の消失、角膜と虹彩の癒着が認められ (HSDB (Access on September 2016))、また皮膚腐食性/刺激性が区分1に分類されていることから、区分1に分類した。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   本物質のモルモットの皮膚感作性試験 (ビューラー法) で陰性であったとの報告 (SIAP (2011)) があり、また、本物質と特定されていない乳酸のモルモットの皮膚感作性試験 (マキシマイゼーション法) で陰性であったとの報告 (HSDB (Access on September 2016)) があるが、結果の詳細が不明のため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性 (SIAP (2011)、NTP DB (Access on September 2016))、哺乳類培養細胞の染色体異常試験では陽性(pH低値による)、陰性(培地を中和した場合)の報告がある (SIAP (2011))。
  
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、乳酸カルシウムをラットに2年間飲水投与した試験では発がん性の証拠は示されなかったとの報告がある (SIAP (2011))。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、妊娠マウスの器官形成期 (妊娠6〜15日) に 570 mg/kg/day を強制経口投与した発生毒性試験で、母動物、胎児ともに異常はみられなかったとの報告がある (SIAP (2011))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、本物質のラットへの単回経口投与により、嗜眠、運動失調、虚脱、不規則呼吸などの症状が認められ、LD50値は3,543〜4,936 mg/kgであったとの報告がある (SIAP (2011))。
  また、ラットで本物質の4時間の単回吸入ばく露により、呼吸促迫、流涙、円背位、更に雌では嗜眠が認められ、LC50値は7.9 mg/L以上であったとの報告がある (SIAP (2011))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外
-

-
- -   実験動物では、ラットを用いた混餌あるいは飲水による13週間反復投与毒性試験において軽度の体重増加抑制、いくつかの血液及び生化学の検査値の変動がみられたがNOAELは最高用量である500 mg/kg/dayとしている (SIAP (2011))、また、ラットを用いた飲水投与による2年間反復投与毒性試験において最高用量の5%濃度で体重増加抑制のみがみられたとしている (SIAP (2011)、HSDB (Access on September 2016)、JECFA FAS 48 (2002))。
  ハムスターを用いた混餌あるいは飲水による14週間反復投与毒性試験において、一般症状、体重などに影響がみられなかった (HSDB (Access on September 2016)) が、正確な用量など詳細が不明であり、さらに、イヌに600〜1,600 mg/kgを2.5ヵ月間経口投与した試験では悪影響はなかった (JECFA 344 (1974)) との報告、及びラットに886 mg/kgを13週間経皮投与して結果、脳と腎臓の重量が増加したが、肉眼及び顕微鏡検査では病変が観察されなかったとの報告がある (HSDB (Access on September 2016))。
   以上より、区分外とした。
   なお、ヒトは何世紀もの間本物質を含む果物、酸敗したミルク、発酵製品を摂取してきたが有害影響はみられていない。
  一方、生後間もない乳児では乳酸に不耐性の場合があることが知られており、それらの例では急激な体重減少、下痢、血漿重炭酸塩の減少、尿中への有機酸の排泄の増加が報告されている (JECFA 344 (1974))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、HSDB (Access on September 2016) に収載された数値データ (粘性率: 6.69〜28.50 mPa・s (64.89%〜85.32%、25℃)、密度 (比重): 1.2) より、動粘性率は5.58〜23.8 mm2/sec (25℃) と算出される。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
-

-
- -   甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 240 mg/L、魚類(ブルーギル)96時間LC50 = 130 mg/L(いずれもSIAP (Conclusions Agreed in CDG, 2011))であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-

-
- -   信頼性のある慢性毒性データが得られていない。
  難水溶性ではなく(水溶解度 = 876 g/L、SIAP (Conclusions Agreed in CDG, 2011))、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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