GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 1335-88-2
名称 テトラクロロナフタレン
物質ID H28-B-054, C-099B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成22年度   平成18年度  
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-

-
- - 可燃性 (ICSC(J) (2001)) であるが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-

-
- - 沸点 (311.5〜360℃) までに発火点がないとの報告がある (HSDB (Access on October 2016)) ことから、常温では発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- - 酸素及びフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。なお、CICAD 34 (2001) には、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン (CAS番号 34588-40-4) について、モルモットのLD50値が > 3 mg/kg であった旨の記載があり、区分1〜区分外に相当するが、この値のみでは区分を特定できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。なお、ポリクロロナフタレンを経皮ばく露したモルモットで強い皮膚刺激性が報告されているが (CICAD 34 (2001))、本物質に起因した刺激性であることを特定できなかったため、採用しなかった。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。なお、ポリクロロナフタレンにばく露した労働者で眼の刺激性が報告されているが、他の化学物質にばく露された可能性も指摘されている (CICAD 34 (2001)) ことから、採用しなかった。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- - In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (CICAD 34 (2001)、DFGOT vol. 13 (1997)、HSDB (Access on August 2016)、NTP DB (Access on August 2016))。以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6 発がん性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。本物質のヒト及び実験動物での単回ばく露のデータはない。なお、塩素化ナフタレン化合物は肝臓毒性を示すとの記載 (CICAD 34 (2001)、DFGOT vol. 13 (1997)) 及び、塩素化ナフタレン化合物にばく露された労働者は眼の刺激、疲労感、頭痛、貧血、血尿、食欲不振、嘔吐、腹部の激しい疼痛などの症状を示したとの記載 (CICAD 34 (2001)) があるが、いずれもばく露回数の情報はない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (肝臓、皮膚)

危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質単独についての情報はない。 なお、ヒトについては、重篤な皮膚反応 (塩素ざ瘡) 及び肝疾患がいずれも塩素化ナフタレンへの職業ばく露で報告されている (CICAD 34 (2001)、DFGOT vol. 13 (1997)、ACGIH (7th, 2001))。塩素化数によって毒性が異なり、ヒト及び動物の研究から毒性は同属体/異性体により決まることが証明され、ペンタクロロナフタレン及びヘキサクロロナフタレンの毒性が最も強いことは全ての研究で一致しているとの報告がある(CICAD 34 (2001))。 このうち、皮膚に対する影響については、トリクロロナフタレンあるいは塩素数がそれより多いもので塩素ざ瘡がみられたとの報告がある (DFGOT vol. 13 (1997))。トリクロロナフタレン (通常ある程度の本物質との混合物)の使用による塩素ざ瘡の例では頻度及び程度はペンタ-あるいはヘキサクロロナフタレンによって生じる塩素ざ瘡より少ないとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。一方、ボランティアによる皮膚への塗布実験では塩素ざ瘡を生じたのはペンタ−、ヘキサクロロナフタレンを成分とするHalowax 1014 だけで、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ヘプタ−、オクタクロロナフタレン含有のHalowax では生じなかったとの報告がある (CICAD 34 (2001))。また、肝臓に対する影響のうち、物質についてある程度同定されている情報として、トリクロロナフタレン (おそらく本物質を含む (CICAD 34 (2001)) の3 mg/m3の職業ばく露による非致死性の肝炎の報告があり (ACGIH (7th, 2001))、一方、塩素化数の多いペンタクロロナフタレン及びヘキサクロロナフタレンの混合物の濃度1〜2 mg/m3の作業環境において黄色肝萎縮による致死の報告がある(ACGIH (7th, 2001))。 実験動物では、ラットを用いた少量の本物質を含むトリクロロナフタレンの2.5ヵ月間 (1,232時間) あるいは4ヵ月間 (1,896時間) 吸入毒性試験において、区分1の範囲内で0.0013 mg/Lで非常に軽度の肝臓腫大、0.011 mg/Lで肝臓の肥大、有糸分裂像を伴う顆粒球増加が認められている (ACGIH (7th, 2001))。 なお、ラット及びモルモットにポリ塩化ナフタレン の工業用混合物を用いた中期毒性試験で肝障害 (主に顆粒状化及び空胞形成の亢進を伴う肝細胞肥大) 等が認められたが、塩素化の進んだ混合物のほうが、毒性が高いとみられるとの報告がある (CICAD 34 (2001))。 以上、塩素化ナフタレンにより肝臓、皮膚に影響がみられ、塩素化数5のペンタクロロナフタレン及び塩素化数6のヘキサクロロナフタレンが塩素化ナフタレンの毒性の主要な原因物質と考えられる。本物質のみの報告はないが、塩素化数の少ない物質との混合物で、ヒトに塩素ざ瘡の報告があり、実験動物において区分1相当の用量で肝臓への影響がみられていることから区分1 (肝臓、皮膚) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-

-
- - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-

-
- - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。  また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。  ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。  他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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