GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 2426-08-6
名称 ノルマル-ブチル=2,3-エポキシプロピルエーテル
物質ID H28-B-021, C-029B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3

警告
H226 P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P501
  引火点54℃ (closed cup) (ICSC(J) (2005)) に基づいて区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-

-
- -   分子内に自己反応性に関連する原子団 (歪みのある環 (エポキシド類)) を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値として、2,050 mg/kg (HSDB (Access on May 2016))、2,260 mg/kg (ACGIH (7th, 2001、2014)、PATTY (6th, 2012)、NTP (2004)、HSDB (Access on May 2016)) の報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
  ガイダンスの改訂に伴い、区分を変更した。
1 急性毒性(経皮) 区分3

危険
H311 P280
P302+P352
P312
P321
P361+P364
P405
P501
  ウサギのLD50値として、788 mg/kg (NTP (2004)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2016))、4,930 mg/kg (NTP (2004)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2014)) との報告があり、1件が区分3、1件が区分外に該当する。有害性の高い区分を採用し、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3

危険
H331 P261
P271
P304+P340
P311
P321
P403+P233
P405
P501
  ラットのLC50値として、670 ppm (8時間) (4時間換算値: 948 ppm) (ACGIH (7th, 2001、2014))、1,030 ppm (8時間) (4時間換算値: 1,457 ppm) (NTP (2004)、PATTY (6th, 2012)) の報告に基づき、区分3とした。
  なお、この値は飽和蒸気圧濃度 (4,245 ppm) の90%より低いことからミストを含まないと判断し、ガスの基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2

警告
H315 P264
P280
P302+P352
P321
P332+P313
P362+P364
  ヒトへの影響として皮膚を刺激するとの記載 (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol.4 (1992)、PATTY (6th, 2012)) から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
絵表示なし


警告
H320 P264
P305+P351+P338
P337+P313
  ヒトへの影響として眼を刺激するとの記載 (ACGIH (7th, 2001、2014)、DFGOT vol.4 (1992)、PATTY (6th, 2012)) から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1

警告
H317 P261
P272
P280
P302+P352
P333+P313
P321
P362+P364
P501
  ヒトを対象とした2つの皮膚感作性試験で感作が認められたとの記載 (DFGOT vol.4 (1992)) とヒトで皮膚感作性が報告されているとの記載 (PATTY (6th, 2012)) に、ACGIH (7th, 2014) は、ヒトと動物に対して皮膚感作性が認められたとする報告が多数あることから、本物質をDermal Sensitizer (DSEN) としている。
  以上より、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2

警告
H341 P201
P202
P280
P308+P313
P405
P501
  In vivoでは、マウスの小核試験で陽性、陰性の報告、ラット骨髄細胞の染色体異常試験で陽性 (ACGIH (7th, 2014)、PATTY (6th, 2012)、Health Canada and Environment Canada (2010)、NTP (2004))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陽性である (ACGIH (7th, 2014)、PATTY (6th, 2012)、NTP (2004)、Health Canada and Environment Canada (2010)、NTP DB (Access on June 2016))。
  以上より、ガイダンスに基づき区分2とした。
  なお、in vivoでマウスを用いる優性致死試験の報告が複数ある (Environment Canada/Health Canada (2010)、ACGIH (7th, 2014)、NTP (2004)) が、データの再現性に乏しく試験条件等における問題や矛盾があり、信頼性の高い評価結果が得られていない。
6 発がん性 区分1B

危険
H350 P201
P202
P280
P308+P313
P405
P501
  ラット、又はマウスに本物質を2年間吸入ばく露した発がん性試験において、ラットでは鼻腔に扁平上皮がん、腺扁平上皮がん、鼻腔神経上皮腫、腺腫などが、マウスでは鼻腔に血管腫、少数例に扁平上皮がんが認められた (厚労省委託がん原性試験結果 (Access on May 2016))。
  既存分類としては、EUが Carc. 2 に分類し (ECHA CL Inventory (Access on May 2016))、日本産業衛生学会も第2群Bを提案している (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2016))。
   以上、実験動物2種で発がん性の明らかな証拠が認められたことから、本項は区分1Bとした。
  なお、本物質は労働安全衛生法第28条第3項の規定に基いた健康障害を防止するための指針として公表された対象物質に該当する。
7 生殖毒性 区分2

警告
H361 P201
P202
P280
P308+P313
P405
P501
  雄ラットに10週間吸入ばく露した試験で400 mg/m3 (75 ppm) 以上で精巣の萎縮がみられたとの記述 (NTP Review of Toxicological Literature (2004)、Environment Canada/Health Canada (2010)、ACGIH (7th, 2014)、産衛誌, 58巻 (2016))、雄マウスに1,500 mg/kgを週3回3週間経皮ばく露した後、非ばく露の雌マウスと交配させた試験で、妊娠率及び着床数の減少、胎児死亡率の増加がみられたとの記述 (Environment Canada/Health Canada (2010)、ACGIH (7th, 2014)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2016))、また妊娠ラットの妊娠0〜19日に最大250 mg/kg/day を強制経口投与した試験で、胎児に発育不全と胎児数及び着床率の減少がみられた (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2016)) との記述があり、日本産業衛生学会は動物実験における限定的な証拠から生殖毒性物質第3群に分類している (産衛学会許容濃度の提案理由書 (2016))。
  よって、本項は区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)

警告
H335
H336
P261
P271
P304+P340
P312
P403+P233
P405
P501
  本物質の吸引によりヒトに対して気道刺激性を示すとの報告がある (DFGOT vol. 4 (1992))。
  したがって区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)
区分2(生殖器 (男性))

危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
  ヒトに関する情報はない。
   実験動物では、ラットを用いた28日間反復吸入毒性試験において、区分1の範囲である92.5 ppm (ガイダンス値換算:0.15 mg/L) で鼻粘膜の変性、気道の線毛上皮における増殖性-化生性病変の報告があり (DFGOT vol.4 (1992)、PATTY (6th, 2012))、ラットを用いた10週間反復吸入毒性試験において、区分2の範囲である75 ppm (ガイダンス値換算: 0.25 mg/L) で精巣の萎縮 (軽度の斑状萎縮) の報告がある (DFGOT vol.4 (1992)、PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2014))。
   したがって、区分1 (呼吸器)、区分2 (生殖器 (男性)) とした。
  
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
絵表示なし


注意喚起語なし
H401 P273
P501
  甲殻類(アカルチア)48時間EC50 = 2 mg/L (AQUIRE, 2016)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2

注意喚起語なし
H411 P273
P391
P501
  信頼性のある慢性毒性データが得られていない。
  急速分解性がなく(BODによる分解度:40%(既存点検, 1986))、急性毒性区分2であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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