GHS分類結果

View this page in English


一般情報

項目 情報
CAS番号 11070-44-3
名称 テトラヒドロメチル無水フタル酸
物質ID H28-B-018, C-026B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成27年度   平成18年度    
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-

-
- -   引火点が164℃ (closed cup) (GESTIS (Access on May 2016)) である。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-

-
- -   分子内に自己反応性に関連する原子団 (不飽和結合) を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分外
-

-
- -   発火点は415℃ (GESTIS (Access on May 2016)) であり常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値として、1,900 mg/kg、> 2,000 mg/kg (SIDS (2005)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2016))、2,590 mg/kg (産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2002)) の報告が有る。
  区分4に該当する報告が1件、区分外に該当する報告が2件であることから、該当する報告の件数の多い区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
  ガイダンスの改訂に伴い、区分を変更した。
1 急性毒性(経皮) 区分4

警告
H312 P280
P302+P352
P312
P321
P362+P364
P501
  ウサギのLD50値として、1,710 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)、2,589 mg/kg (産衛学会 許容濃度の提案理由書 (2002)) の報告がある。
  区分4に該当する報告が1件、区分外に該当する報告が1件であることから、LD50値の最小値である区分4を採用した。
  新たな情報を追加し、区分を変更した。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2

警告
H315 P264
P280
P302+P352
P321
P332+P313
P362+P364
  4時間適用試験ではないが、ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、中等度の刺激性との報告 (SIDS (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)) から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A

警告
H319 P264
P280
P305+P351+P338
P337+P313
  ウサギを用いた眼刺激性試験において、眼に対する刺激性がみられ、適用10日後の観察で完全には可逆的でなかったとの報告 (SIDS (2005)、NITE初期リスク評価書 (2008)) から、区分2Aとした。
  なお、本物質はEU CLP分類で「Eye Dam. 1 H318」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on May 2016))。
4 呼吸器感作性 区分1

危険
H334 P261
P284
P304+P340
P342+P311
P501
  NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第4巻 (2005) の複数のヒト疫学事例において呼吸器感作性があると考えられ、また日本産業衛生学会許容濃度勧告において、本物質を気道感作性物質 (第1群) に分類されている (産衛誌第44巻 (2002)) ため、区分1とした。
  なお、本物質はEU CLP分類において「Resp. Sens. 1 H334」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on May 2016))。
4 皮膚感作性 区分1

警告
H317 P261
P272
P280
P302+P352
P333+P313
P321
P362+P364
P501
  NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価第4巻 (2005) の複数のヒト疫学事例において皮膚感作性があると考えられることから、区分1とした。
  なお、本物質はEU CLP分類において「Skin. Sens. 1 H317」に分類されている (ECHA C&L Inventory (Access on May 2016))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、SIDS (2005)、厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on May 2016)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2002))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、母動物、児動物ともに300 mg/kg/day まで生殖発生影響は認められなかった (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価暫定的有害性評価シート (2005)、SIDS (2005))。
  しかしながら、スクリーニング試験のため区分外とはできず、分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)

警告
H335
H336
P261
P271
P304+P340
P312
P403+P233
P405
P501
  ヒトにおいては本物質は咽頭痛、くしゃみ、鼻汁分泌、鼻づまり、咳及び喘息を引き起こすという記載がある (SIDS (2002))。
  したがって区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
   ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験が実施されており、刺激性に起因したと考えられる前胃の病変が認められているが、分類の根拠となる影響は認められていない (NITE初期リスク評価書 (2008)、環境省リスク評価暫定的有害性評価シート (2005)、SIDS (2005))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
絵表示なし


注意喚起語なし
H402 P273
P501
  藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間ErC50 = 81 mg/L(環境庁生態影響試験, 1996)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2

注意喚起語なし
H411 P273
P391
P501
  急速分解性がなく(BIOWIN)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC (繁殖) = 0.94 mg/L(環境庁生態影響試験, 1996、NITE初期リスク評価書, 2008)から、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

GHS分類結果リストへ