項目 | 情報 |
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CAS番号 | 7446-18-6 |
名称 | 硫酸タリウム |
物質ID | H28-B-009, C-012B |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイト |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイト |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
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- | - |
爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
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- | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
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- | - |
不燃性 (ICSC (2013)) である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
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- | - |
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
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- | - |
不燃性 (ICSC (2013)) である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
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- | - |
不燃性 (ICSC (2013)) である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
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- | - |
水溶解度 (4.87 g/100 mL (20℃)、ICSC (2013)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
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- | - |
酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
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- | - |
無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
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- | - |
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 |
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H300 |
P264 P270 P301+P310 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、10〜25 mg/kg、15 mg/kg、76 mg/kg (EHC 182 (1996))、及び16 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の4件の報告があり、区分2に該当する報告が3件、区分3に該当する報告が1件であることから、該当する件数の多い区分2を採用した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
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H311 |
P280 P302+P352 P312 P321 P361+P364 P405 P501 |
ラットのLD50値として、500 mg/kg (EHC 182 (1996))、550 mg/kg (PATTY (6th, 2012) の報告に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、本物質を1%含む粒剤と2%含む液剤のウサギに対する皮膚一次刺激性試験で、それぞれ無刺激性物質と軽度の刺激性物質に分類されている (日本農薬学会誌 (1993))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、本物質を1%含む粒剤と2%含む液剤のウサギに対する眼一次刺激性試験で、それぞれ最小限度の刺激性物質と無刺激性物質に分類されている (日本農薬学会誌 (1993))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、本物質が1%含まれる粒剤と2%含まれる液剤のBuehler試験が行われており、1%粒剤、2%液剤ともモルモットの皮膚に対して感作性のない物質であると判断されている (日本農薬学会誌 (1993))。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性である (日本農薬学会誌 (1993))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
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- | - |
タリウム及びタリウム化合物の発がん性に関しては、ヒト、実験動物とも評価に利用可能な情報がなく (IRIS Tox. Review (2009))、EPAは可溶性タリウム塩に対し2005年クライテリアでT (Inadequate information to assess the carcinogenic potential) に分類している (IRIS (2009)、IRIS Tox. Review (2009))。 よって、本項は分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
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H361 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
雄ラットに本物質を60日間飲水投与 (約0.7 mg/kg/day) 後に精巣精細管上皮の配列異常、セルトリ細胞の空胞化、異常精子数の増加、精子運動能の低下などがみられた (ACGIH (7th, 2010)、IRIS Tox. Review (2009)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on May 2016)) ことから、本物質の精巣毒性が示唆される。 また、本物質が胎盤通過性のあること (ACGIH (7th, 2010))、及び妊娠ラットに本物質2.0 mg/kg/dayを非経口投与 (注射) した結果、胎児に胎児体重低値、骨化遅延、及び水腎症の頻度増加など発生毒性がみられた (ACGIH (7th, 2010)、HSDB (Access on May 2016)) との記述がある。 以上、催奇形性を含む発生毒性については1件のみのデータで非経口経路であること、投与期間及び母動物毒性の有無が不明など分類に用いるには不適切な知見と考えられる。 しかし、本物質に精巣毒性の証拠があること、胎盤通過性のあることから判断して、本項は区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器、心血管系、消化管、肝臓、腎臓、皮膚) |
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H370 |
P260 P264 P270 P308+P311 P321 P405 P501 |
ヒトでは事故又は事件による硫酸タリウム摂取により食欲不振、吐き気、嘔吐、胸骨後部及び腹部の疼痛、消化管出血 (血便)、便秘が起こる。 その後に、中枢及び末梢神経系への影響として手足の知覚異常、無気力、幻覚、譫妄状態、痙攣、昏睡が、循環器への影響として高血圧、頻脈、及び重症の場合には心不全が、皮膚への影響として脱毛が起こる。 死因は主に腎臓、中枢神経系及び心不全である (EHC 182 (1996)、ACGIH (7th, 2001)、ACGIH (7th, 2010)、IRIS (2005)、ATSDR (1992))。 死後剖検又は生検により、腸粘膜、肺、内分泌腺及び心臓の出血、肝臓及び心臓組織への脂肪の沈着、腎臓糸球体と尿細管の変性が認められる (EHC 182 (1996))。 実験動物では硫酸タリウムの区分1に相当するガイダンス値での単回投与で、腎組織の変性と壊死、さらに糸球体ろ過速度と尿量の減少及び尿蛋白の増加が認められた (EHC 182 (1996)、ACGIH (7th, 2010))。 また、血管運動反応の低下に加えて呼吸器への直接的な影響がみられた (EHC 182 (1996))。 以上より、区分1 (神経系、呼吸器、心血管系、消化管、肝臓、腎臓、皮膚) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、皮膚、生殖器 (男性)) |
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H372 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトにおいて本物質限定の情報はない、しかし、吸入ばく露されたタリウムは神経に影響を及ぼす (ATSDR (1992))、主訴は腹痛、疲労感、刺激性、体重減少、脚の痛みであった。 脱毛が4人にみられた (ACGIH (7th, 2001))、興奮と不眠が最初の症状であった (PATTY (5th, 2001))、感覚異常や筋肉及び関節痛等の多発性神経炎、頭痛、不眠、疲労感等の神経症状 (EHC 182 (1996)) 等の記述がある。 実験動物では、ラットを用いた飲水投与による40週間反復投与毒性試験において、区分1の範囲で皮膚障害、坐骨神経のワーラー変性等の報告 (EHC 182 (1996))、90日間強制経口投与毒性試験において、区分1の範囲で脱毛の報告 (EHC 182 (1996))、飲水投与による60日間反復経口投与毒性試験において、精巣影響 (精細管上皮の配列異常、セルトリ細胞の細胞質空胞化及び滑面小胞体の拡張、セルトリ細胞と精祖細胞に局在する精巣β-グルクロニダーゼ活性の低下、精巣内タリウムの高濃度、精子運動能低下) 等の報告 (IRIS Tox. Review (2009)) がある。 以上のように、神経系、皮膚、精巣が標的臓器と考えられた。 したがって区分1 (神経系、皮膚、生殖器 (男性)) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
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H400 |
P273 P391 P501 |
魚類(ファットヘッドミノー)96時間LC50 = 0.86 mg/L(AQUIRE, 2016、LeBlanc, 1984)であることから、区分1とした。 LeBlanc (1984) は毒性値のみ記載で試験結果の詳細は明らかではないこと、かつ同論文に掲載されたブルーギルの毒性値と著しく乖離していることから信頼性に疑問があるものの、毒性試験法の記載はあり、OECD-TG203相当であることが確認されたことから、専門家判断により、安全性の立場からこのデータをもって分類することとした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
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H410 |
P273 P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。 無機化合物につき、水中での環境動態が不明であり、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
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- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/7/25 |