GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 7440-74-6
名称 金属インジウム
物質ID H28-B-001, C-001B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
  なお、粉体のインジウムは可燃性を有する (GESTIS (Access on May 2016)) との記載がある。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-

-
- -   水に不溶 (ICSC (2001)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   インジウムは元素であり、酸素、ハロゲンを含まない無機物である。
  
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   無機元素である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg、4,200 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の報告に基づき、区分外 (国連分類基準における区分5) とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、インジウム及びその化合物は皮膚刺激性を示すとの記載 (HSDB (Access on June 2016)) があるが、出典がList 2相当の情報源であり、原著が確認できなったため採用しなかった。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  インジウムは眼、気道を刺激する。
  吸入すると咳、息切れを起こすと記載されている (環境省リスク評価第11巻 (2013)) が、可溶性インジウム化合物を指しているものと考えられることから採用しなかった。
  
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  In vivoのデータはない。
  In vitroでは細菌を用いた復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性の報告がある (環境省リスク評価第11巻 (2013)、PATTY (6th, 2012))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   本物質自体の発がん性に関する情報はなく、データ不足のため分類できない。
   なお、酸化インジウム (CAS番号 1312-43-2) の本項に記載した通り、関連化合物の既存分類結果として、IARCがリン化インジウムに対しグループ2Aに (IARC 86 (2006))、日本産衛学会が難溶性の無機インジウム化合物に対し2Aに分類している (許容濃度の勧告 (2015))。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、リン化インジウムをラット又はマウスの妊娠期間中に吸入ばく露した発生毒性試験では、マウスでは高濃度 (100 mg/m3) で母動物に死亡例、体重増加抑制がみられたが胎児に奇形発生はなく、ラットでは母動物、胎児ともに重大な影響はみられなかった (NTP TR499 (2001)) との記述がある一方、三塩化インジウムをラットの妊娠9日に単回静脈内投与した試験で尾と指の奇形がみられ (環境省リスク評価第11巻 (2013))、同じく三塩化インジウムをラットの器官形成期 (妊娠6〜15日) に強制経口投与した試験でも外表、内臓、骨格系に奇形発生の増加がみられた (環境省リスク評価第11巻 (2013)) との記述がある。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、環境省リスク評価第11巻 (2013) にインジウムは気道を刺激するとの記載があるが、出典はICSCであり、原典が確認できない。
  また金属インジウムのみに関する記載かあるいはインジウム化合物一般に関する記載かが明確でない。
  したがってこの資料のみでは分類の根拠として不十分と考え、採用しなかった。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- -   実験動物において経口経路での28日間反復投与毒性試験が実施されているが1,000 mg/kg/dayの用量においても毒性影響はみられていない (環境省リスク評価第11巻 (2013))。
  吸入経路での情報は得られていない。
   なお、本物質ではないが、ヒトにおいて、インジウム・スズ化合物、酸化インジウムの吸入による間質性肺炎の報告がある (環境省リスク評価第11巻 (2013)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (2007)、産衛誌, 55巻 (2013))。
   また、旧分類では、ACGIH (7th, 2001) において、「インジウムおよびその化合物は骨格、消化管系への影響および特に肺への吸入による有害性によりTLV-TWAが設定されていること」等を根拠として呼吸器のほかに骨格及び消化器系を標的臓器としているが、EPAのインジウム化合物ばく露についてのpreliminary investigationを元としており、予備調査であること、また、愁訴による症状名以外の情報がない等、信頼性が低いと考えられることから分類根拠としなかった。
   したがって、データ不足のため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- -   データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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- -   データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

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- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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