項目 | 情報 |
---|---|
CAS番号 | 13410-01-0 |
名称 | セレン酸ナトリウム |
物質ID | H28-A-063, C-122A |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
|
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
|
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
|
- | - | 不燃性である (GESTIS (Access on September 2016))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
|
- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
|
- | - | 不燃性である (GESTIS (Access on September 2016))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
|
- | - | 不燃性である (GESTIS (Access on September 2016))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
|
- | - | 水溶解度58.5 g/100 g (R.Lide (2010)) との測定結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
|
- | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
|
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
|
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットのLD50値として、1.6 mg/kg (環境省リスク評価第14巻 (2016)) との報告があるが、List 3のRTECS由来のデータであり、詳細不明のため、分類には用いなかった。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
|
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
|
H341 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
In vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験、染色体異常試験で陽性、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (ATSDR (2003)、環境省リスク評価第14巻 (2016))。以上より、ガイダンスに従い区分2とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
|
- | - | セレン及びセレン化合物に対し、IARCはグループ3に分類した (IARC Suppl. 7 (1984))。また、EPAは硫化セレン (B2 (probable human carcinogen)) を除くセレン及びセレン化合物に対して、ヒト及び実験動物での発がん性の証拠は不十分であるとしてグループDに分類した (IRIS Summary (1991))。以上より、本項は分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
|
H361 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
ヒトでは高含量のセレンを含む食事の摂取により精子運動能の低下など精子の質に影響するとの報告がある一方、影響なしとする報告もある (ATSDR (2003))。セレン酸を含む飲料水を摂取したイタリアの女性で自然流産の増加傾向 (相対リスク [RR]=1.73; 95% CI=0.62-4.80) が窺われたが、統計的に有意な増加ではなかった。また、セレンばく露群の出生児はセレン非ばく露群の出生児と比較して体重、体長に差はなく、先天性異常発生率の増加もなかった (ATSDR (2003))。 実験動物ではマウスを用いた経口経路 (飲水投与) による3世代試験において、0.57 mg Se/kg/day でF3世代の約半数が繁殖できなかったとの記述 (ATSDR (2003))、及びラットを用いた経口経路 (飲水投与) での短期生殖毒性試験において、母動物毒性 (摂水量の顕著な減少など) 発現用量 (0.418 mg Se/kg/day) で雌に性機能・生殖能への有害影響 (黄体数の減少、腹当たりの着床数の減少、性周期の短縮) がみられたとの記述がある (ATSDR (2003))。また、セレン酸カリウムをラットに経口投与した2世代試験において、母親動物に体重増加抑制がみられた 0. 35 mg Se/kg/dayで、F2児動物の約半数が死亡し、1.05 mg Se/kg/day では受胎率の低下と児動物生存率の減少がみられたとの記述がある (ATSDR (2003))。 以上、実験動物への本物質又はセレン酸カリウムの経口投与により、概ね親動物の一般毒性用量で性機能・生殖能への影響が認められており、本項は区分2とするのが妥当と判断した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。なお15歳の少女が、自殺企図による本物質約22 mg/kgの経口摂取後に下痢及び脳波の異常を呈し、また血中ビリルビン濃度とアルカリホスファターゼ活性の上昇がみられたとの報告が1例ある (ATSDR (2003)、HSDB (Access on September 2016))。1例のため、分類の根拠としなかった。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (皮膚、毛、爪、歯、中枢神経系、肝臓、腎臓、骨) |
|
H372 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
実験動物では、ラットを用いた混餌投与による2年間発がん試験において、区分1相当の0.2 mg Se/kg/dayで骨の軟化、0.1 mg Se/kg/dayで肝臓の表面斑状模様、腎臓の腎症がみられ、マウスを用いた生涯にわたって飲水投与した試験では主要臓器のアミロイドーシスが認められた (ATSDR (2003))。 ヒトについては、本物質ではないが、食品のセレン濃度が高い中国湖北省恩施地域における脱毛や爪の形態変化を伴ったセレン中毒の報告 (環境省リスク評価第14巻 (2016)、IRIS Summary (1991)、ATSDR (2003)) があり、さらにヘモグロビンの低下、斑状歯、皮膚病変、中枢神経系への影響 (末梢の麻痺、肢端触覚異常、四肢の痛み) が報告されている (IRIS Summary (1991))。 本物質は水溶性であり、経口摂取により同様のセレン中毒を引き起こすと考えられた。 以上のうち、マウスでみられたアミロイドーシスについては実験に使用したマウスの系統 (Swiss) に好発する自然発生病変であり、ヒトへの外挿性は少ないと考えられたことから分類根拠としなかった。 したがって、区分1 (皮膚、毛、爪、歯、中枢神経系、肝臓、腎臓、骨) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
|
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
|
H400 |
P273 P391 P501 |
甲殻類(ヨコエビ)96時間LC50 = 0.057 mg/L(環境省リスク評価第14巻, 2016)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
|
H410 |
P273 P391 P501 |
無機化合物につき環境中の動態は不明であり、甲殻類(Daphnia pulicaria)の28日間NOEC(繁殖) = 0.05 mg/L(環境省リスク評価第14巻, 2016)から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
|
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。* 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。* 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。* 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/7/25 |