GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 95-75-0
名称 3,4-ジクロロトルエン
物質ID H28-A-049, C-108A
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4
絵表示なし


警告
H227 P210
P280
P370+P378
P403+P235
P501
  引火点85℃ (方式不明) (GESTIS (Access on August 2016)) というデータがあり、所定の試験方法においても区分4に該当する値が得られると考えられる。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  ラットのLD50値として、1,050 mg/kg (GESTIS (Access on August 2016)) との記載があるが、List 3の情報源であり、また、原著は企業データで詳細不明であるため、分類には用いなかった。
   なお、以下の健康に対する有害性に関する項目については、構造異性体である2,3-ジクロロトルエン (CAS番号 32768-54-0)、及び2,4-ジクロロトルエン (CAS番号 95-73-8) も参照のこと。
  
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-

-
- -   ウサギの皮膚に試験物質0.5 mLを4時間適用した試験 (OECD TG 404) で刺激性なし(not irritating)との結果 (ECHA (Access on December 2016)) に基づき、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、ウサギを用いた標準化された眼刺激性試験で、適用24時間から8日後の結膜、角膜、虹彩に対する平均刺激値は4.4を示し、刺激性なしと評価したとの記載があるが (GESTIS (Access on August 2016))、それ以外に情報が得られなかったため、分類できないとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2

警告
H361 P201
P202
P280
P308+P313
P405
P501
  ラットを用いた経口経路による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、親動物では100 mg/kg/day 以上で雌に腎尿細管の空胞化、300 mg/kg/day で雄に死亡、体重増加抑制、摂餌量減少、腎臓の組織変化 (尿細管の空胞化・再生上皮など) など一般毒性所見がみられたが、高用量 (300 mg/kg/day) まで親動物の生殖能への影響はなかった。
  一方、児動物には100 mg/kg/day 以上で出生児数の減少、出生率の低下傾向、生後4日の生存児数の減少傾向、体重の低値 (300 mg/kg/day のみ) が認められた (経済産業省安全性試験結果 (Access on July 2016))。
  以上、雌親動物の一般毒性発現量 (100 mg/kg/day: 腎臓への影響) で出生児への有害影響がみられたことから、本項は区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。
  実験動物では、本物質の単回経口投与でラットに鎮静、昏睡、一般的な健康状態の悪化及び体重減少が認められたとの報告 (GESTIS (Access on August 2016)) があるが、List 3の資料であり、原典も入手不能で詳細が確認できなかった。
  したがって分類できないとした
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓)

警告
H373 P260
P314
P501
  ヒトに関する情報はない。
   実験動物については、ラットを用いた強制経口投与での反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、区分2相当の100 mg/kg/day (90日間換算値:46.7 mg/kg/day) で腎臓の尿細管空胞化が認められ、さらに、区分2を超える用量である300 mg/kg/day (90日間換算値:140 mg/kg/day) では、尿細管の再生上皮、尿細管拡張、回復群ではリンパ球浸潤・壊死等が認められている (NITE安全性試験結果 (Access on July 2016))。
  したがって、区分2 (腎臓) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
絵表示なし


注意喚起語なし
H401 P273
P501
  藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)48時間ErC50 = 1.4 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 1.4 mg/L(いずれも環境省生態影響試験, 2009)であることから、区分2とした。
  なお、藻類試験は密閉式試験を考慮して行われた48時間の毒性値を用いた。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2

注意喚起語なし
H411 P273
P391
P501
  慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2008)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の48時間NOEC = 0.23 mg/L(環境省生態影響試験, 2009))であることから、区分2となる。
  なお、藻類試験は密閉式試験を考慮して行われた48時間の毒性値を用いた。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2008)、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 1.4 mg/L(環境省生態影響試験, 2009)であることから、区分2となる。
   以上の結果から、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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