GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 2082-79-3
名称 3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸-n-オクタデシル
物質ID H28-A-030, C-077A
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-

-
- -   発火点は350℃ (GESTIS (Access on June 2016)) であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   融点が55℃以下の固体状の物質ではあるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値 (OECD TG 401) として、> 5,000 mg/kg (SIDS (2006)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   ラットのLD50値 (OECD TG 402) として、> 2,000 mg/kg (SIDS (2006)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
   なお、ラットのLC50値 (4時間) として、> 1,811 mg/m3 (換算値:1.811 mg/L) (SIDS (2006)) との報告があるが、この値のみで区分を特定することはできない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-

-
- -   ウサギを用いて本物質の原液を24時間適用した皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) で刺激性は認められず、したがって本物質は皮膚刺激性を示さないとの記載 (SIDS (2006)) に基づき、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
-

-
- -   ウサギの眼刺激性試験 (OECD TG 405) において刺激性が認められず、したがって本物質は眼刺激性を示さないとの記載 (SIDS (2006)) に基づき、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   モルモットの皮膚感作性試験 (optimisation試験) で感作性なしの報告があるが、OECDテストガイドラインに準拠した試験ではない (SIDS (2006))。
  ヒトに対する情報として、22〜50才の50人の被験者 (白人、男性26人、女性24人) に9回貼付後に誘発したパッチテストで、1例も皮膚感作性が認められなかったとの報告がある (SIDS (2006)) が、陰性のデータは当該報告の1件のみのため、データ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   In vivoでは、マウスの優性致死試験で陰性、チャイニーズハムスターの骨髄細胞を用いた小核試験、染色体異常試験で陰性 (SIDS (2006))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2006))。
  以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   ヒトの発がん性に関する情報はない。
  実験動物ではラット、又はマウスの2年間経口 (混餌) 投与試験で投与に関連した腫瘍発生の増加はみられていない (SIDS (2006))。
  しかしながら、既存分類結果はなく、吸入経路など経口以外の経路での発がん性情報もないため、デ-タ不足のため分類できないとした。
7 生殖毒性 区分2

警告
H361 P201
P202
P280
P308+P313
P405
P501
  ラットを用いた経口経路 (混餌投与) での2世代生殖毒性試験において、F0、F1親動物には高用量 (5,000 ppm) で、体重増加抑制と摂餌量減少 (F0)、肝臓相対重量増加 (F0, F1)、小葉中心性肝細胞肥大 (F1) などがみられたが、生殖能への影響は認められなかった。
  しかし、F1、F2児動物には5,000 ppm で生時の腹当たりの生存児数の減少 (F1)、生後4日以降の生存率の低下 (F1, F2) がみられ、次世代の発生・発達への影響が示された (SIDS (2006))。
  一方、妊娠ラット、又は妊娠マウスの器官形成期に1,000 mg/kg/dayまで強制経口投与したが、ラットの試験で母親動物に摂餌量減少、胎児に軽微な発生影響 (胎児体重低値、骨化遅延) がみられたのみであった (SIDS (2006))。
   以上、ラット2世代試験で親動物の一般毒性発現用量で次世代への発生・発達影響がみられたことから、本項は区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。
  なお、動物実験ではラットを用いた本物質の単回吸入ばく露試験で区分1のガイダンス値範囲の濃度である0.5 mg/L/4時間で、立毛と腹臥位が認められたとの報告、及びラットの単回経口投与試験で区分2超の 5,000 mg/kgで下痢、鎮静、呼吸困難、円背位が認められたとの報告がある (いずれもSIDS (2006))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-

-
- -   ヒトに関する情報はない。
   実験動物では、ラットを用いた吸入毒性試験、ラット、マウス、イヌを用いた混餌での反復投与毒性試験等のデータがあり適応反応と考えられる肝細胞の肥大、肝ミクロゾーム系酵素増加等がみられているが (SIDS (2006))、区分2までの範囲内で分類根拠となる影響がみられていない。
  したがって分類できない。
  
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
-

-
- -   藻類(セネデスムス)72時間EbC50 > 11.3 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)24時間EC50 > 100 mg/L、魚類(ブルーギル)96時間LC50 > 100 mg/L(いずれもSIDS, 2007)であることから、区分外とした
11 水生環境有害性(長期間) 区分2

注意喚起語なし
H411 P273
P391
P501
  慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:21-39%(既存点検, 1997))、藻類(セネデスムス)の72時間EbC10 < 0.5-1 mg/L(SIDS, 2007)であることから、区分2となる。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、甲殻類、魚類ともに急性毒性が区分外相当であり、急速分解性がなく(BODによる分解度:21-39%(既存点検, 1997))、生物蓄積性が低いことが推定される(濃度設定が0.5 mg/L、0.05 mg/LのときのBCFが< 1.2〜8.4、< 12〜(既存点検, 1997))ことから、区分外となる。
   以上の結果を比較し、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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