GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 110-13-4
名称 アセトニルアセトン
物質ID H28-A-019, C-062A
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4
絵表示なし


警告
H227 P210
P280
P370+P378
P403+P235
P501
  引火点79℃ (closed cup) (GESTIS (Access on June 2016)) に基づいて区分4とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-

-
- -   発火点は490℃ (GESTIS (Access on June 2016)) であり常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4

警告
H302 P264
P270
P301+P312
P330
P501
  ラットのLD50値として、1,600 mg/kg、2.14 mL/kg (比重0.9734を用いて換算したLD50値2,083 mg/kg)、2,700 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) の3件の報告がある。
  有害性の高い区分を採用し、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   モルモットのLD50値6.6 mL/kg (PATTY (6th, 2012)) に基づき、比重0.9734を用いて換算したLD50値6,424 mg/kg から、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-

-
- -   モルモットの背部に反復して開放適用した結果、刺激性は認められなかったとの記述はあるが (PATTY (6th, 2012))、適用量やばく露時間などの条件が不詳のため、本試験の結果のみでは区分外と判断するには不十分であり、分類できないとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A

警告
H319 P264
P280
P305+P351+P338
P337+P313
  ウサギの眼に対して中等度から重度の刺激性が認められたことから (PATTY (6th, 2012))、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (PATTY (6th, 2012))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、雄ラットに6週間、10,000 ppm で飲水投与した結果、精巣に無精子症を生じたとの記述がある (PATTY (6th, 2012))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性)

警告
H335
H336
P261
P271
P304+P340
P312
P403+P233
P405
P501
  本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。
  実験動物では、モルモットを用いた単回吸入ばく露試験で、本物質が鼻に軽微な刺激作用を示すとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。
  したがって区分3 (気道刺激性)とした。
  なお、投与経路の記載がないが、本物質の単回投与で、ラットでは胸腺の重量が減少し、脾臓の重量が増加、マウスでは胸腺の重量が増加し、脾臓の重量が減少するという、動物種によって異なる結果が報告されている (PATTY (6th, 2012))。
  またマウスでは同じ単回投与試験において、遅延型過敏反応と貪食細胞活性が抑制されることが報告されている (PATTY (6th, 2012))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系)
区分2(視覚器)

危険
警告
H372
H373
P260
P264
P270
P314
P501
  ヒトについての情報はない。
   実験動物については、ラット、ネコ、サル、イヌ等で神経軸索の腫脹を特徴とする神経毒性あるいは視覚器毒性の報告がある (PATTY (6th, 2012))。
  影響はその試験の最低用量あるいは単一用量でみられているものの、試験の多くは区分2を超える用量で試験が実施されていることから分類根拠とできなかった。
  唯一、サルを用いた経口経路での15〜17週間反復投与毒性試験において区分2相当の73 mg/kg/day (単一用量) で視力の消失はないものの視覚のコントラスト感度の消失がみられ、病理組織学的検査では本物質の特徴的な腫脹した視神経軸索がみられ、この状態には回復性があり5ヵ月で回復したとの報告がある (PATTY (6th, 2012))。
   本物質は、典型的な神経毒性物質として広く研究されており、n-ヘキサン (CAS番号 110-54-3) やメチルn-ブチルケトン (CAS番号 591-78-6) の最も活性のある神経毒性代謝物である。
  さらに、本物質とn-ヘキサンやメチルn-ブチルケトンの他の代謝物の神経毒性能を比較した実験では、本物質はn-ヘキサンの38倍、メチルn-ブチルケトンの3.3倍の神経毒性能があることが報告されている (PATTY (6th, 2012)。
  また、n-ヘキサン及びメチルn-ブチルケトン はいずれも、ヒトにおいて神経障害が認められGHS分類で区分1 (神経系) として分類されている (各々、H21年度、H27年度)。
   したがって、本物質については区分2 (視覚器) のほかに、n-ヘキサンやメチルn-ブチルケトン同様に区分1 (神経系) を適応するのが妥当と考えられることから、区分1 (神経系)、区分2 (視覚器) とした。
   なお、雄ラットに10,000 ppm (ガイダンス値換算:933 mg/kg/day) を6週間飲水投与した結果、無精子症を生じたとの報告があるが、区分2を超える用量のため、精巣は標的臓器としなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-

-
- -   データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-

-
- -   データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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