GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 1318-02-1
名称 ゼオライト
物質ID H28-A-005, C-016A
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-

-
- -   不燃性である (GL Science SDS (Access on May 2016))。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性に関連する原子団、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-

-
- -   不燃性である (GL Science SDS (Access on May 2016))。
11 自己発熱性化学品 区分外
-

-
- -   不燃性である (GL Science SDS (Access on May 2016))。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-

-
- -   水に不溶 (GL Science SDS (Access on May 2016)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-

-
- -   酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-

-
- -   本物質は、結晶性、非繊維性の合成ゼオライトであり、ゼオライトA (Na 12[(AlO2)12(SiO2)12]27H2O、CAS番号 1344-00-9)、ゼオライトP (Na6 [(AlO2) 6(SiO2)6]15H2O)、ゼオライトX (Na86[(AlO2) 86 (SiO2)106]264H2O)、ゼオライトY (Na56[(AlO2)56(SiO2)136]250H2O) が相当する。
  ゼオライトの種類が明記されている情報については、根拠文に記載した (SIDS (2006))。
   ラットのLD50値は、ゼオライトAとして、> 2,000 mg/kg、> 5,000 mg/kg、> 5,110 mg/kg、> 16,520 mg/kg、> 27,400 mg/kg、> 31,600 mg/kg、ゼオライトXとして、> 2,000 mg/kg、ゼオライトYとして、31,600 mg/kg (SIDS (2006)) の報告がある。
  以上に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   ゼオライトAのウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg (SIDS (2006)、DFGOT vol.56 (2014) (独語文献)) の報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-

-
- -   ラットのLC50値は、ゼオライトAとして、> 14 mg/L (4時間) (SIDS (2006)) の報告に基づき、区分外とした。
  なお、ラットのLC50値として、ゼオライトAで、> 18.3 mg/L (1時間) (4時間換算値:> 4.5 mg/L)、> 2.8 mg/L (1時間) (4時間換算値:> 0.7 mg/L) の報告、ゼオライトYとして、> 2.3 mg/L (1時間) (4時間換算値:> 0.6 mg/L) (SIDS (2006)) の報告があるが、区分が特定できないため採用しなかった。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-

-
- -   ウサギを用いた試験 (OECD TG 404) で、刺激性なしと報告されている (SIDS (2006)) ことから、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2

警告
H319 P264
P280
P305+P351+P338
P337+P313
  ウサギを用いた眼刺激性試験において、中等度の刺激性がみられ、刺激性の反応はいずれも7日以内に回復している (SIDS (2006)、DFGOT vol.56 (2014)) ことから区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験で感作性はみられなかった (SIDS (2006)) との報告があるが、試験条件や結果の詳細等が不明であるため、分類に用いるには不十分なデータと判断した。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   In vivoでは、合成ゼオライトAのラットを用いる優性致死試験、染色体異常試験、合成ゼオライトXを用いるマウスの小核試験でいずれも陰性である (SIDS (2006))。
  In vitroでは、合成ゼオライトA及び合成ゼオライトXを用いる細菌の復帰突然変異試験、合成ゼオライトXを用いる哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (SIDS (2006))。
  このin vitro染色体異常は2つのin vivo試験 (染色体異常、小核) が陰性であったことから、本物質のin vivoでの染色体異常誘発性はないと結論している (SIDS (2006))。
  なお、天然ゼオライトを用いるマウス骨髄細胞のin vivo染色体異常試験で軽微な陽性、マウスの腹腔内洗浄サンプル(多形核白血球、マクロファージ、リンパ球)のin vivo染色体異常試験で陽性の報告がある (IARC 68 (1997)) が、IARCワーキンググループはこの知見で使用された試験方法は通常用いられない方法であると記載しているため、本分類には使用しなかった。
  以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   ヒトの発がん性に関して利用可能な情報はない。
  実験動物では合成ゼオライトAをラットに2年間経口 (混餌)又は吸入経路で投与した結果、腫瘍発生の増加はみられなかった (IARC 68 (1997))。
  また、合成ゼオライトAをカニクイザルに最長2年間吸入ばく露した結果、肺に炎症性変化とマクロファージの集簇が観察されたのみで腫瘍性変化はみられなかった (SIDS (2006))。
  この他、非繊維性ゼオライトをラットに単回胸膜内注射した試験、合成ゼオライトをマウスに腹腔内、ラットに腹腔内、胸膜内、又は皮下注射 (いずれも単回) した試験のいずれにおいても腫瘍発生の増加は示されなかった (IARC 68 (1997))。
  以上の結果に基づき、IARCはゼオライトをグループ3に分類した (IARC 68 (1997))。
  したがって、本項は分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   合成ゼオライトAを妊娠ラット又は妊娠ウサギの器官形成期 (ラット:妊娠6〜15日、ウサギ:妊娠6〜18日) に強制経口投与した発生毒性試験において、両種とも1,600 mg/kg/dayまで投与したが毒性影響はみられなかった (IARC 68 (1997)、SIDS (2006))。
  したがって、ゼオライトは母動物毒性、発生毒性ともに生じなかった。
  しかし、生殖能・性機能への影響を調べた試験成績がなく、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器)

危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
  ヒトのデータは得られていない。
   実験動物では、吸入経路では、サルを用いた合成ゼオライトAの6ヵ月間反復吸入毒性試験において区分1の範囲である1 mg/m3で肺のマクロファージ蓄積、細気管支炎と肺胞炎がみられている (SIDS (2006))。
  経口経路では、ラットを用いた合成ゼオライトAの90日間、200日間、104週間の混餌投与による反復投与毒性試験が実施されており、区分2までの範囲で影響はみられていない (SIDS (2006))。
   したがって、区分1 (呼吸器) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
-

-
- -   甲殻類(オオミジンコ)96時間EC50 = 377.17 mg/L(AQUIRE, 2016、Maki, 1979)であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-

-
- -   無機化合物につき環境中の動態は不明であるが、甲殻類(オオミジンコ)21日間NOEC = 200 mg/L、魚類(ファットヘッドミノー)の21日NOEC (致死、生長、ふ化) = 175 mg/L(AQUIRE, 2016、Maki, 1979)から、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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