GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 675106-31-7
名称 アルミナ繊維
物質ID H28-A-004, C-015A
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-

-
- -   不燃性である (ICSC (2000))。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-

-
- -   不燃性である (ICSC (2000))。
11 自己発熱性化学品 区分外
-

-
- -   不燃性である (ICSC (2000))。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-

-
- -   水に不溶 (ICSC (2000)) との観察結果が得られており、水と激しく反応しないと推定される。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-

-
- -   酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-

-
- -   本物質は繊維状物質であり、酸化アルミニウム (72〜97%) と二酸化ケイ素 (3〜28%) を含む。
  また、リフラクトリーセラミックファイバー (CAS番号:142844-00-6) (酸化アルミニウム (30〜60%) と二酸化ケイ素 (40〜60%)、RnOm (0〜20%)(RはZr又をCr)を含む非晶質の人造鉱物繊維)は、本物質と組成が類似しているため、参考情報として情報を記載した。
   データ不足のため分類できない。
  なお、本物質の成分である酸化アルミニウム (CAS番号 1344-28-1) におけるラットのLD50値として、> 5,000 mg/kg (HSDB (Access on May 2016)) の報告がある。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、リフラクトリーセラミックファイバー (CAS番号 142844-00-6) は、in vitro 染色体異常試験及び小核試験のいずれの試験でも複数の報告で陽性であり、他の遺伝毒性試験においても陽性とする報告が多いことから、遺伝毒性があるとされているが、リフラクトリーセラミックファイバー の遺伝毒性は弱いとする報告もある (厚生労働省リスク評価書 (2014))。
  繊維状物質による遺伝毒性発現のメカニズムとして、炎症性細胞から持続的かつ長期にわたって発生する活性酸素種 (ROS) が DNA 傷害に重要な役割を担うと考えられており、遺伝毒性は一次的ではなく、二次的なものとの記載がある (厚生労働省リスク評価書 (2014))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   ラットに酸化アルミニウム繊維を胸膜内投与した実験で6サンプル中4サンプルで胸膜肉腫の増加がみられ、酸化アルミニウム繊維は動物実験では発がん性のポテンシャルが示されたとの記述 (DFGOT vol. 8 (1997)) がある。
  一方、高アルミナ低シリカ繊維 (HT繊維) をラットに2年間吸入ばく露した試験では腫瘍の増加は認められず、また腹腔内投与した試験でも中皮腫の誘導はみられなかった (IARC 81 (2001))。
  IARCはヒトの情報がないため、HT繊維の発がん性評価は行わなかったが、実験動物では発がん性の証拠は不十分であるとしている (IARC 81 (2001))。
  以上、IARCの見解を踏まえ、本物質の発がん性はデータ不足のため分類できないとした。
   なお、リフラクトリーセラミックファイバー (CAS番号 142844-00-6) については、実験動物で発がん性の十分な証拠があり、IARCでグループ2B、ACGIHでA2、日本産業衛生学会で第2群B (人造鉱物繊維 セラミック繊維、ガラス微細繊維) に分類されている (厚労省リスク評価 (2014)) ことから、区分2ないし1B相当である。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

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- -   データ不足のため分類できない。
  アルミナ繊維 (CAS番号 675106-31-7) に関しては、ヒト、実験動物ともに単回ばく露のデータはない。
   なお、リフラクトリーセラミックファイバー (CAS番号 142844-00-6) に関しては、List 3の資料ではあるが、短期ばく露の影響として、気道、眼、皮膚に機械的刺激を引き起こすことがあると記載されている (ICSC (2012))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
   本物質 (酸化アルミニウム (72〜97%) と二酸化ケイ素 (3〜28%) を含む結晶質の人造鉱物繊維) に関する情報はない。
   なお、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素以外に酸化マグネシウム、酸化カルシウム等を含む高アルミナ低シリカウール (MMVF34) (酸化アルミニウム:23.2%、二酸化ケイ素:38.9%、酸化カルシウム:15.0%、酸化マグネシウム:9.6%、他) あるいはロックウール (MMVF21) (酸化アルミニウム:13.8%、二酸化ケイ素:45.9%、酸化カルシウム:17.0%、酸化マグネシウム:9.5%、他) をラットに30 mg/m3の濃度で104週間吸入した毒性試験において、MMVF34の死亡率は対照群と変わりがなく、ロックウールでは肺の線維化がみられたがMMVF34では肺の線維化はみられていないとの報告がある (IARC 81 (2002)、Kamstrup et al., (1998))。
  また、リフラクトリーセラミックファイバー (CAS番号 142844-00-6) (酸化アルミニウム (30〜60%) と二酸化ケイ素 (40〜60%)、RnOm (0〜20%) (RはZr又をCr) を含む非晶質の人造鉱物繊維)に関しては、ラットを用いた12ヵ月間吸入毒性試験において区分1相当である0.003 mg/Lで肺にマクロファージの浸潤、小肉芽腫形成がみられたとの報告がある (IARC 81 (2002))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

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- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- -   データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
-

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- -   データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

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- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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