GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 96-76-4
名称 2,4-ジ-ターシャリーブチルフェノール
物質ID H28-B-02-METI, M-002B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成20年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   爆発性及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-

-
- -   発火点が330℃ (GESTIS (Access on September 2016)) であり、常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-

-
- -   金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4

警告
H302 P264
P270
P301+P312
P330
P501
  ラットのLD50値 (OECD TG 401) として、1,762 mg/kg (雌)、2,000 mg/kg (雄) (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on September 2016)) との報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-

-
- -   ウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kg (NITE有害性評価書 (2009)) の報告に基づき、区分外とした。
  なお、旧分類時に用いたRTECS (2004) のデータは詳細不明であるため、採用しなかった。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2

警告
H315 P264
P280
P302+P352
P321
P332+P313
P362+P364
  ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) において中等度の刺激性がみられたとの報告がある (ECHA (Access on November 2016)) ことから区分2とした。
  旧分類のIUCLIDの情報は、入手できないため確認できなかった。
  なお、ウサギの皮膚に本物質を24時間適用した試験において、腐食性がみられたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2009)) が、24時間適用試験であるため分類に用いなかった。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A

警告
H319 P264
P280
P305+P351+P338
P337+P313
  ウサギの眼に本物質を適用した試験において、中等度の刺激性がみられたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2009))。
  また、ECHAには、ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) の報告が2件あり、刺激性がみられたとの報告がある (ECHA (Access on November 2016)) 。
   以上より、区分2Aとした。
  旧分類のIUCLIDの情報は、入手できないため確認できなかった。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406) において陰性との報告があるが (NITE有害性評価書 (2009))、結果等の詳細が不明であるため分類できないとした。
  旧分類のIUCLIDの情報は、入手できないため確認できなかった。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  すなわち、In vivoのデータはなく、In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on September 2016)、NITE有害性評価書 (2009))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   ラットを用いた経口経路 (強制経口投与) による簡易生殖毒性試験 (OECD TG 421) において、親動物に死亡 (雌2/12例)、体重増加抑制、肝臓及び腎臓に組織変化がみられた用量 (250 mg/kg/day) で、生殖能への影響は示されなかったが、児動物に出生率の低下、死産児率の高値傾向、出生児数の低値傾向がみられた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on September 2016))。
  ただし、これらの所見も母動物の死亡率が16.7%と高く、母動物毒性を反映した影響の可能性が考えられ、本物質投与による発生影響とは判断できない。
  このスクリーニング試験結果以外に分類に利用可能なデータはなく、本項はデータ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(腎臓)

警告
H371 P260
P264
P270
P308+P311
P405
P501
  ラットを用いた本物質の単回経口投与試験において、生存例の剖検結果として、区分2相当の1,280 mg/kg以上で肉眼的に腎臓の灰白色点又は肥大、組織学的に好塩基性尿細管、顆粒円柱、好中球性の細胞浸潤、鉱質沈着などが認められたとの報告がある (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on September 2016))。
  したがって区分2 (腎臓) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓、血液凝固系)

警告
H373 P260
P314
P501
  実験動物については、ラットを用いた強制経口投与での28日間反復投与毒性試験において、区分2相当の75 mg/kg/day (90日換算値: 23 mg/kg/day) 以上で総コレステロール及びリン脂質の増加、肝臓重量増加、300 mg/kg/day (90日換算値: 93 mg/kg/day) でヘモグロビン量及びヘマトクリット値減少、分葉核好中球比増加、プロトロンビン時間及び活性化部分トロンボプラスチン時間延長、小葉中心性肝細胞肥大、腎臓の好塩基性尿細管、顆粒円柱、タンパク円柱、腎臓の好中球性細胞浸潤、遠位尿細管拡張、近位尿細管肥大等が認められた (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on September 2016)、NITE有害性評価書 (2009)、環境省リスク評価第9巻 (2011))。
   なお、本物質を含むゴムを取り扱う労働者に皮膚の白斑に関するアンケート調査を実施した結果、200人から回答が得られ、白斑ありが15人であった。
  白斑の皮膚検査を行った結果、5人に白斑がみられたが、皮膚に異常なしと答えた48人では全員に白斑はみられず、本物質のばく露が白斑の原因と考えられたとの報告がある (NITE有害性評価書 (2009)、環境省リスク評価第9巻 (2011))。
   以上、実験動物で主に腎臓に影響がみられたほか、肝臓、血液及び血液凝固系に影響がみられた。
  肝臓の所見については適応性の変化と考えられた。
  ヘモグロビン量及びヘマトクリット値減少については赤血球数や網状赤血球数、骨髄に影響がなく重篤な変化ではないと考えられ、分葉核好中球比増加については腎臓への影響に関連した変化であると考えられた。
  また、ヒトでの皮膚の白斑については本物質単独のばく露ではないこと等から分類に用いなかった。
   したがって、区分2 (腎臓、血液凝固系) とした。
  
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、GESTIS (Access on September 2016) に収載された数値データ (粘性率: 10.2 mPa・s (60℃)、密度: 0.887 g/cm3 (20℃)) より、動粘性率は11.5 mm2.sec (60/20℃) と算出される。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1

警告
H400 P273
P391
P501
  甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.33 mg/L(環境省生態影響試験, 2004、NITE有害性評価書, 2009)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1

警告
H410 P273
P391
P501
  慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1987))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 0.18 mg/L(環境省生態影響試験, 2004、NITE有害性評価書, 2009)であることから、区分2となる。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存点検, 1987))、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 0.33 mg/L(環境省生態影響試験, 2004、NITE有害性評価書, 2009)であることから、区分1となる。
   以上の結果を比較し、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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